公開日: 2013/02/21 (掲載号:No.7)
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会計事務所の事業承継~事務所を売るという選択肢~ 【第2回】「個人事務所の有償引継ぎ」

筆者: 岸田 康雄

会計事務所の事業承継

~事務所を売るという選択肢~

【第2回】

「個人事務所の有償引継ぎ」

 

公認会計士・税理士 岸田 康雄 

 

1 税理士業務の安定性

商品販売を行うような一般事業会社は、消費者との単発取引を繰り返さなければならないため、商品を販売する営業活動を常に行わなければならない。
また、外部経営環境が変化した場合には、事業戦略を練り直し、会社の経営資源を再構築しなければならない。
事業会社の経営者は、絶えず経営環境の変化を捉え続ける必要があり、気が休まる時がない。

これに対して、税理士業務を提供する会計事務所は、一度顧問契約を締結してしまうと、よほどの大失敗がない限り、顧客との関係が継続する。それゆえ、営業活動を継続して行う必要がない。
また、直面する経営環境が変わらないため、提供するサービスや担当する職員を変える必要はなく、そもそも事業戦略を立案する必要性すらない。

このように、会計事務所が一般事業会社と異なる点は、いったん顧問契約を結んでしまえば、キャッシュ・フローを安定的に獲得できることにある。このキャッシュ・フローの安定性は、税理士業務の特徴であり、事業価値源泉の一つといえる。

このため、会計事務所の事業承継においては、顧問契約を切られることなく引き継ぐことが重要な課題となる。

 

2 個人事務所の事業承継

個人事務所を前提とすれば、その税理士業務の事業承継には、以下の4つの方法がある。

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~事務所を売るという選択肢~

【第2回】

「個人事務所の有償引継ぎ」

 

公認会計士・税理士 岸田 康雄 

 

1 税理士業務の安定性

商品販売を行うような一般事業会社は、消費者との単発取引を繰り返さなければならないため、商品を販売する営業活動を常に行わなければならない。
また、外部経営環境が変化した場合には、事業戦略を練り直し、会社の経営資源を再構築しなければならない。
事業会社の経営者は、絶えず経営環境の変化を捉え続ける必要があり、気が休まる時がない。

これに対して、税理士業務を提供する会計事務所は、一度顧問契約を締結してしまうと、よほどの大失敗がない限り、顧客との関係が継続する。それゆえ、営業活動を継続して行う必要がない。
また、直面する経営環境が変わらないため、提供するサービスや担当する職員を変える必要はなく、そもそも事業戦略を立案する必要性すらない。

このように、会計事務所が一般事業会社と異なる点は、いったん顧問契約を結んでしまえば、キャッシュ・フローを安定的に獲得できることにある。このキャッシュ・フローの安定性は、税理士業務の特徴であり、事業価値源泉の一つといえる。

このため、会計事務所の事業承継においては、顧問契約を切られることなく引き継ぐことが重要な課題となる。

 

2 個人事務所の事業承継

個人事務所を前提とすれば、その税理士業務の事業承継には、以下の4つの方法がある。

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連載目次

筆者紹介

岸田 康雄

(きしだ・やすお)

公認会計士、税理士、中小企業診断士、国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会検定会員)
日本公認会計士協会経営研究調査会「事業承継専門部会」委員

昭和45年大阪府生まれ。一橋大学大学院商学研究科修了(経営学及び会計学専攻)。
監査法人、投資銀行を経て、現在、青山アクセス税理士法人にて資産税業務に従事している。
2011年度日本公認会計士協会東京会経営委員会委員長。
2013年1月に研究報告書「開業した公認会計士の高齢化と事業承継について」を発表。税理士業界における会計事務所M&Aの普及と啓蒙活動に取り組んでいる。

M&Aに関するご相談はこちらまで → 【M&A情報

【著書】
・『金融機関・税理士・FP・PBのための事業承継・相続における生命保険活用ガイド』(清文社)
・『中小企業のための 会社売却(M&A)の手続・評価・税務と申告実務』(清文社)
・『税理士・会計事務所のためのM&Aアドバイザリーガイド』(中央経済社)
・『証券投資信託の開示実務』共著(中央経済社)
など
 

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