〔新規事業を成功に導く〕
フィージビリティスタディ10の知恵
【第4回】
「F/Sの深追いがリスク感知装置を働かせる」
中小企業診断士 西田 純
フィージビリティスタディ(F/S)についてのお話も第4回目になりました。先月までは基本となる考え方についてお伝えしてきましたが、今月以降はやや踏み込んだ実践的な話題へとシフトしていきます。
まず今月お伝えするのは「深く検討すればするほど、なぜフィージビリティは低下するのか」という、F/Sに従事したことのある人なら必ず経験するジレンマについてお話したいと思います。
▷ リスクに対する考え方:普通の人は「リスク回避型」の志向を持つ
今、手元に投資に使えるお金が1,000万円ほどあったと仮定します。誰かがあなたのところにやってきてこう言います。「80%の確率で成功し、1年で1,000万円が1.5倍になる投資案件がある。残り20%の確率で失敗すると、投資金額がゼロになる。リスクはわずか20%なので、投資してみないか?」
数学的に検証すると、この投資案件の期待値は1,200万円となり、1,000万円よりもあきらかに大きくなります。
それなのにこの誘いに乗る人はいないか、いたとしてもごく少数だろうと思われます。なぜなら、「リスクはわずか20%」の20%は全く「わずか」ではなく、決定的に大きな数字だからです。
同じ20%でも降水確率の場合には、傘を持ったり雨合羽を着ていこうとする人は必ずしも多くないと思いますが、投資の場合はどうしてそうなるのか?という点について少し考えてみたいと思います。
この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員登録およびログインが必要です。
すでに会員登録をされている方は、下記ボタンからログインのうえ、ご覧ください。
Profession Journalのすべての記事をご覧いただくには、「プレミアム会員(有料)」へのご登録が必要となります。
なお、『速報解説』については「一般会員(無料)」へのご登録でも、ご覧いただけます。
※他にもWebセミナー受け放題のスーパープレミアム会員などがございます。
会員登録がお済みでない方は、下記会員登録のボタンより、ご登録のお手続きをお願いいたします。