〔新規事業を成功に導く〕
フィージビリティスタディ10の知恵
【第8回】
「陥りがちなF/Sのワナ」
中小企業診断士 西田 純
前回は、「総合性」をキーワードにF/Sの結果を多面的に判断するうえでのポイントについて解説しました。今回はF/Sを実践するうえで担当者が陥りがちな情報共有面のワナについて触れます。
膨大なデータを処理して将来のビジネスをモデル化し、その帰趨を確かめるというF/Sのプロセスは、どうしても担当者を他から隔離しがちになります。外部とのコミュニケーションに気を付けていても、蓋を開けてみればお互いにビックリ、というようなパターンが珍しくありません。予想しなかった彼我の距離感は、やがて組織内の壁を生むことにもなりかねない要素です。なぜそんなことが起きるのか、そうしないためには何が求められるのかについて解説してみたいと思います。
▷ 関係者が皆、同じ将来展望を共有できているわけではない
仮に今、あなたが社運を賭けたF/Sを担当していたとします。難しい地域で前例のないビジネスを立ち上げるための調査ということで、準備には万全を期そうとします。努力の甲斐あって、経営者の強いサポートも得られ、定期的に情報共有のための報告会も開催し、常に初期目的を振り返る体制も作ったとしましょう。でも、そこまでやればF/Sの結論は、たとえそれがどんなものでも100%社内で受け入れてもらえるものなのでしょうか?
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