公開日: 2014/01/30 (掲載号:No.54)
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神田ジャズバー夜話 「9.生はない。でもぬる燗はある」

筆者: 山本 博一

カテゴリ:

カウンターの真ん中あたりに銀色のネックのビールサーバーがある。
「生ください」
「あ、これやってないんですよ」
「じゃあ、ビールは何がありますか」
「普通っぽいのがよかったらハイネケンですかね」
「じゃ、それで」
コルクのコースターを置き、バックバーの冷蔵庫から冷えたグラスを出し、ビールは奥にある家庭用の冷蔵庫から持ってくる。
生ビールは、客が少ないこともあるが、ここではめったに注文されない。飲まないと古くなってしまうのでやめた。
もうひとつ理由がある。一杯出しただけでもサーバーに水を通して掃除しなければならない。掃除は面倒で、ほとんど一杯分のビールも掃除の過程で捨てることになる。
それでも「銀色ネック」はバーっぽさを演出するオブジェではある。

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生ビールは、客が少ないこともあるが、ここではめったに注文されない。飲まないと古くなってしまうのでやめた。
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それでも「銀色ネック」はバーっぽさを演出するオブジェではある。

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連載目次

筆者紹介

山本 博一

(やまもと・ひろかず)

1956年2月29日、東京都江戸川区生まれ。同在住。
2007年2月に脱サラして神田の地下にジャズバーを開店。困窮しながらも6年を経て継続中である。
著書に、桑原聡氏と共著2010年「酒とジャズの日々」(医療タイムス 社2010年)がある。

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