税務判例を読むための税法の学び方【16】
〔第5章〕法令用語
(その2)
自由が丘産能短期大学専任講師
税理士 長島 弘
(前回はこちら)
3 「直ちに」「すみやかに(速やかに)」「遅滞なく」
これらはいずれも、ある行為又は事実とその後に続く行為との間の時間的な近接性を表す、一般的には「すぐに」という言葉で表現される内容を意味する法令用語である。これらの言葉が通常使われたとしても、言葉に差があると意識して使い分けられることはないであろう。
しかし、法令用語としてこれらの間には、時間的許容範囲、遅滞があった場合の違法性の有無・程度といった点に差異がある。
① 直ちに
上記のうちでも、時間的即時性が最も強いものは、「直ちに」であり、「即時に」「間髪を入れずに」という趣旨を表すときに用いられる。
このため「直ちに」という場合は、一切の遅滞は許されないと解されるのが通例である。
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