「民間設備投資活性化等のための
税制改正大綱」を読む
【第1回】
一般社団法人日本経済団体連合会
経済基盤本部長 阿部 泰久
1 はじめに
安倍総理は10月1日(火)、2014年4月1日からの消費税率8%への予定通りの引上げとともに、総額5兆円に上る経済対策(閣議決定「消費税率及び地方消費税率の引上げとそれに伴う対応について」)を公表した。
「消費税率及び地方消費税率の引上げとそれに伴う対応について」
その中では、税制措置として、「日本再興戦略」(6月14日閣議決定)で示されていた投資減税が「生産性向上設備投資促進税制」として創設されたのみならず、平成25年度税制改正で導入された所得拡大促進税制の見直しなど、総額1兆100億円の減税が盛り込まれた。
「日本再興戦略」 ※PDFファイル
そこで本稿では、これらの税制措置の内容を、与党「民間設備投資活性化等のための税制改正大綱」に基づき、今週号と来週号の2回にわたり解説する。
なお、本連載の構成は以下のとおりである。
〈本連載の構成〉
1 はじめに
2 「生産性向上設備投資促進税制」の創設
(1) 先端設備
(2) 生産ラインやオペレーションの改善に資する設備
(3) 中小企業等投資促進税制の延長・拡充
(4) 償却資産課税の減免については改めて検討
3 研究開発税制の延長・拡充
4 所得拡大促進税制の視直し
5 既存建築物の耐震改修投資促進税制の創設
6 固定資産税の見直し (以上、本稿)
7 産業競争力強化法と税制措置 (以下、次回)
(1) 産業競争力強化法の概要
(2) 事業再編促進税制の創設
(3) ベンチャー投資促進税制の創設
(4) 登録免許税の軽減
8 復興特別法人税の廃止と法人実効税率引下げへの道筋
(1) 復興特別法人税の廃止
(2) 法人実効税率引下げに向けた検討
「民間投資活性化等のための税制改正大網(自由民主党・公明党)」
2 「生産性向上設備投資促進税制」の創設
「日本再興戦略」の中では、「思い切った投資減税で法人負担を軽減すること等によって積極姿勢に転じた企業を大胆に支援していく。」として、今後3年間でリーマンショック前の設備投資水準(70 兆円/年)を回復するために、老朽化した生産設備から生産性・エネルギー効率の高い最先端設備への入替え等の生産設備の新陳代謝を促進する取組みを強力に推進し、これに応じて設備の新陳代謝を進める企業への税制を含めた必要な支援策を講じることとされており、その具体化として、「生産性向上設備投資促進税制」が創設された。
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