検索結果

詳細検索絞り込み

ジャンル

公開日

  • #
  • #

筆者

並び順

検索範囲

検索結果の表示

検索結果 10969 件 / 6341 ~ 6350 件目を表示

AIで士業は変わるか? 【第3回】「AIがもたらす租税専門家への脅威と税務行政の変革」

AIで 士業は変わるか? 【第3回】 「AIがもたらす租税専門家への脅威と税務行政の変革」   中央大学商学部教授・法学博士 酒井 克彦   Ⅰ AIの影響-租税専門家としての生残り問題- 1 技術的失業 AIの出現は、いわゆるテクノロジー失業ともいわれるように、新しい技術の導入がもたらす失業というインパクトを伴っている。2015年10月6日付け週刊エコノミストは、様々な職業の技術的失業可能性につき、受付係を96%、会計士・会計監査役94%、弁護士助手94%、保険の販売代理店員を92%・・・と占っている。 租税専門家におけるAIの影響といえば、まずは、この技術的失業に関心が寄せられているといっても過言ではなかろう。 2 グレート・デカップリング(スキル偏向的技術革新)がもたらす二極化 エリック・ブリニョルフソン=アンドリュー・マカフィーの著した『機械との競争(Race Against the Machine )』は技術的失業が中間所得層に及んでいると分析した。そこでは、一般的な労働者は貧しくなっているが、高所得者層はそれを補って余りあるほど豊かになっていること、さらに低所得者はそれほど技術的失業の被害を受けていない点が指摘されている。これをグレート・デカップリングといい、その主要因がスキル偏向的技術革新であるというのだ。 職業を単純化し、低賃金の肉体労働と中間層の事務労働と高賃金の頭脳労働に分けた場合、コンピュータ化は、文書作成や計算、解析などの事務労働の人手を減らす一方、研究開発などの頭脳労働や、介護、建設労働といった肉体労働はその煽りを受けていないという分析結果である。 次に、このことは、中間所得層がより低賃金の肉体労働や高賃金の頭脳労働にシフトすることによって、中間所得層の労働が減少し、低賃金と高賃金の労働が増大するという二極化(ポラリゼーション:Polarization)が発生することにもなると指摘する。 3 ディフュージョン期間での頭脳労働への完全移行 もっとも、新しい技術や商品開発が社会に普及するまでにはディフュージョン(Diffusion)と呼ばれる期間が存在するため、ディフュージョンの期間にいかなる対応をすべきかを検討しておくことが肝要となる。しかし、このディフュージョンの期間は従来に比べて近時ますます短くなっていると指摘されている。 ましてや全人類の知性をコンピュータが超える技術的特異点、すなわちシンギュラリティ(Singularity)が2045年に到来するといわれている中において、それまでのディフュージョンの期間にそれぞれの専門家がいかなる準備をしておくべきなのかが重要となろう。   Ⅱ 税理士業務への影響 1 RPOの影響 税理士業務に焦点を絞れば、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPO)により、その業務は大幅に減少すると予想される。これは正確な意味ではAIによるものではないが、帳簿書類や決算書の作成、年末調整事務は、RPOにより格段に容易になると思われる。すなわち、前述した事務労働領域であるこれらの業務は消失するであろうし、そのディフュージョンの期間は短いとみるべきであろう。 他方、税理士の業務は、本来納税者が行うべき作業を代行する部分に限られるものではなく、専門家としてコンサルティング等の助言業務がある。前者の代行部分の事務作業領域は不要となり、残されるのは、後者の頭脳労働であるコンサルティングや法律家としてのマネジメント専門領域ということになろう。これらの領域は、「AIに取って代わられる」のではなく、「AIを活用する」に値する領域とみることもできそうである。 2 財産評価に関する影響 政府が、国・地方・民間が保有するビッグデータの開放に乗り出す中(平成30年2月20日日本経済新聞(夕刊))、このビッグデータを取り込むことによって、AIによる自動的かつ正確な評価方法が確立され得ると思われる。膨大なデータの蓄積・解析により、評価の客観化と評価基準となる検討要素の精緻化が図られ、今日のような不安定かつ不透明な財産評価基本通達に従った処理を行う必要がなくなろう。 このことは、評価を巡る紛争の未然防止や評価手法を用いた過度な節税、恣意的な課税を排除することを意味するのではなかろうか。 3 不確定概念に関する解釈 不確定概念の解釈に関する大量のデータ解析をAIが行うことによって、解釈論における線引きが可能となるかもしれない。いわば、帰納法的作業が容易となり、例えば、現在、不動産所得が事業的規模か業務的規模かの判断に当たって用いられている5棟10室のような形式的基準が、膨大なデータ分析に基づく経験則から導かれることになろう。 このように、経験則の推論のような作業は大量データを基礎に構築することが可能なのではなかろうか。近い将来、役員給与・役員退職金の妥当額や範囲などはAI判断を参照することが可能となろう。   Ⅲ 税務行政への影響 利益率、粗利率のような解析がビッグデータを利用して的確になされ、客観的な係数による管理分析ができるようになる。すると、当局にとっては、ディープラーニング(深層学習)によって、人間の行う経理処理上の癖や傾向などを発見するなどして、非違事項や調査選定の機械的抽出が格段に容易となるであろう。 単純な例でいえば、未払金が多額に計上されているケースのうち特定の変数を刺激するデータ分析をAIが行い、株価を下げるための未払役員給与の計上事例を抽出するなどの活用が考えられる。当然ながら、より精緻で的確な分析が瞬時に行われることになろう。 最後に租税法領域に限ったことではないが、予期せぬ法条の空白域や誤謬、法条間の矛盾抵触を立法段階で発見することもできるようになるであろうことを指摘しておきたい。 (了)

#No. 257(掲載号)
#酒井 克彦
2018/02/22

《速報解説》 事業の採算性悪化の初期段階で企業が発する「シグナル」の分析から、再生のための着眼点・再生手法までを整理した研究報告が会計士協会より公表される

《速報解説》 事業の採算性悪化の初期段階で企業が発する「シグナル」の分析から、再生のための着眼点・再生手法までを整理した研究報告が会計士協会より公表される   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 平成30年2月20日、日本公認会計士協会は、「早期着手による事業再生の有用性について」(経営研究調査会研究報告第62号)を公表した。 これは、早期再生についての議論の成果と、金融機関に対して行ったヒアリングにより得られた回答及び日本公認会計士協会の会員に対して実施したアンケートの分析結果を取りまとめたものであり、「早期着手による事業再生」のアドバイザーとして企業の経営支援を行う公認会計士の専門家にとって有用な情報を提供することを目的とするものである。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 主な内容 早期着手による事業再生の有用性について、改めて議論を深め、事業の採算性が悪化した初期の段階で、企業のどのような「シグナル」に気をつけなければならないかを検討するとともに、再生のための着眼点や再生手法について取りまとめている。 主な内容は次のとおりであり、目次を含めて73ページに及ぶものである。 日本公認会計士協会は「事業再生実務と公認会計士の役割」(経営研究調査会研究報告第47号)を公表している。 その後、議論を重ねたところ、企業が、事業の採算性の悪化に気づいた早期の段階で、製品別又は事業別の見直し、経費の削減、不採算事業からの撤退などに着手し、経営改善の取組をスタートさせれば、事業の再生はより容易に進めることができ、過剰債務に陥ることを未然に防ぐことができると考えられた。 そこで、企業のどのような「シグナル」に気をつけなければならないかを検討するとともに、再生のための着眼点や再生手法について取りまとめている。 検討の過程では、再生に着手する段階をより早期に移していくに従って、貸借対照表中心の見方から損益計算書中心の見方へと視点が移動していくのではないかという意見が多数を占めたとのことである(1~2ページ)。 このため、研究報告では、再生に着手するタイミングと、公認会計士が対象企業に対して行う財務分析の視点との関係についても述べている。 2 早期着手による事業再生のタイミング、着眼点、再生手法 早期着手時点として把握すべきターニングポイントは、資金収支の悪化、すなわち、年間キャッシュ・フローのマイナスを生じさせる状況と捉えている(14ページ)。 次のことが重要である。 ケーススタディも記載されているので、実務に資するものと思われる。 (了)

#No. 256(掲載号)
#阿部 光成
2018/02/20

《速報解説》 会計士協会、監査の品質管理を中心とした自主規制の在り方について研究会報告書を公表~「誰が監査の品質を規制すべきか」に対するアンケート調査結果も~

《速報解説》 会計士協会、監査の品質管理を中心とした自主規制の在り方について 研究会報告書を公表 ~「誰が監査の品質を規制すべきか」に対するアンケート調査結果も~   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 平成30年1月15日付で(ホームページ掲載日は平成30年2月16日)、日本公認会計士協会は、「品質管理を中心とした自主規制の在り方研究会報告書」(品質管理を中心とした自主規制の在り方研究会。以下「研究会」という)を公表した。 これは、日本公認会計士協会の自主規制機能の中核を成す品質管理制度について、既存の制度や建付けにとらわれることなく自主規制の意義・内容などの原点に遡って研究してきたものである。 本文のほか、補足資料として、「Ⅰ『監査の品質管理』に関するアンケート調査結果」、「Ⅱ アンケート調査票(原票)」がある。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 主な内容 調査方法は、演繹的なアプローチではなく、監査現場での声に基づき、ボトムアップで「品質管理を中心とした自主規制」を改善するのに必要な論点を取り上げるという帰納的なアプローチを採用している(5ページ)。 1 「監査の品質」の定義 研究会は、監査の品質を、財務諸表利用者(投資家)の視点をとりわけ重視して以下のように定義し、この定義で示されている監査の品質を監査の有効性と称して、監査事務所が社会に向かって保証し、責任を負う監査の品質の実質を構成するものと位置付けている(7ページ)。 個人会員及び監査事務所は、アンケート調査を通じて、「誰が監査の品質を規制すべきか」という問題に対して、監査の品質を金融庁(公認会計士・監査審査会)による検査に全面的に委ねるという方向を否定するという明確な判断を示していると述べている(監査事務所アンケート調査でも、個人会員アンケート調査でも、同様。9ページ)。 このことは、監査事務所が行う監査業務の品質は自分たちの努力によって改善し高めなければならないという監査プロフェッショナリズムが働いていたことを意味しているとしている。 なお、「監査プロフェッショナリズム」とは、財務諸表を利用して経済的意思決定を行う人々全体の利益(公益)を、限られた資源の下で監査を通じて実現・達成することを職業上の使命とする、職業倫理を基礎においた公認会計士という専門職業の姿勢、職業哲学、行動様式を総称する用語として使用している(3ページ)。 2 提言 研究会の目的は、監査の品質に対して社会が不安を抱き始めている昨今の状況を踏まえ、次の事項について、アンケート調査を通じて明らかにし、最終的には、日本公認会計士協会において、監査事務所において、そして公認会計士個人において、一段と高い品質の監査の実施を実現するために求められる対応等を提言として示すことにあるという(11ページ)。 以下の事項に関する提言(全体的提言、個別的な提言、その他の提言)が述べられている。 (了)

#No. 256(掲載号)
#阿部 光成
2018/02/20

《速報解説》 ASBJ移管に伴い注記事項等を見直した「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」等が確定~各改正項目の適用初年度に関する取扱いに注意~

《速報解説》 ASBJ移管に伴い注記事項等を見直した 「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」等が確定 ~各改正項目の適用初年度に関する取扱いに注意~   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 平成30年2月16日、企業会計基準委員会は、次のものを公表した。 これは、日本公認会計士協会の税効果会計に関する実務指針について、企業会計基準委員会に移管するためのものであり、基本的にその内容を踏襲した上で、必要と考えられる見直しを行っており、主として開示に関する改正である。これにより、平成29年6月6日から意見募集されていた公開草案が確定することになる。 なお、企業会計基準公開草案第60号「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正(案)」等の主なコメントの概要とそれらに対する対応も公表されているので、上記の会計基準等の理解に資するものと考えられる。例えば、早期適用する場合に、税効果会計基準一部改正をすべて適用することとしており、部分的に適用することは想定していないことが記載されている(論点の項目35)。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 主な内容 1 会計処理に関する改正 会計処理に関する改正は次のとおりである。 2 開示に関する改正 開示(表示及び注記)に関する改正は次のとおりである。   Ⅲ 適用時期等 原則として、平成30年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用するが、早期適用できる事項もある。 ※画像をクリックすると、別ページでPDFファイルが開きます。 (出所:企業会計基準委員会の「企業会計基準第28号「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」等の公表」にあたっての「適用時期等」(7ページ)の表を一部加工) (了)

#No. 256(掲載号)
#阿部 光成
2018/02/20

『Q&A 相続空き家の特例と居住用財産の3,000万円特別控除』発刊のお知らせ

本誌掲載の事例を追加した 『Q&A 相続空き家の特例と居住用財産の3,000万円特別控除』発刊のお知らせ

#Profession Journal 編集部
2018/02/16

《速報解説》 会計士協会、効果的なESG情報開示に向けた研究報告「サステナビリティ報告におけるマテリアリティに関する現状と課題」を公表~海外含む企業の開示事例を調査~

《速報解説》 会計士協会、効果的なESG情報開示に向けた研究報告 「サステナビリティ報告におけるマテリアリティに関する現状と課題」を公表 ~海外含む企業の開示事例を調査~   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 平成30年2月9日、日本公認会計士協会は、「サステナビリティ報告におけるマテリアリティに関する現状と課題-効果的なESG情報開示に向けて-」(経営研究調査会研究報告第61号)を公表した。 これは、投資家による非財務情報への注目の高まりが見られることから、情報開示に当たってのマテリアリティの視点による整理を行い、日本企業のサステナビリティ報告におけるマテリアリティに関する現状と問題点を明らかにし、今後の取組の方向性を探るものである。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 主な内容 1 マテリアリティとは 「マテリアリティ」の用語は様々な意味合いで使われるとのことだが、主要な国際的イニシアティブにおける企業の経営管理や情報開示におけるマテリアリティの具体的な考え方を整理した上で、研究報告では、「マテリアリティ」を「企業が関係する多種多様な事象の相対的な重要度」を意味するものとして一般化して使用している(3ページ)。 マテリアリティに関する記載がある企業64社のうち、重要課題を特定した結果として特定項目を開示している企業について分析されている(13ページ)。 重要課題の特定項目の例が参考として記載されており、例えば、次のようなものがある。 2 調査の方針等 調査は、「適切なコミュニケーションを行うために、企業はマテリアリティを考慮し、ステークホルダーが必要とする重要な非財務情報開示を行っているのだろうか」という問題意識に基づいている(3ページ) 非財務情報の主たる開示媒体であるCSR報告書におけるサステナビリティ情報を対象にし、調査対象とした業種は、日経225 に8社以上含まれる業種であり、対象とした企業は、当該業種において売上上位8社である。 調査の取りまとめ方針は、基本的に、業種を越えた全体的な傾向を示すこととしており、全体的な傾向については、調査データ及び個別定性的な記述によって取りまとめている。 一方、業種別の傾向については、詳細な調査に至ったサンプル企業数が十分ではないため、有意な分析結果が得られないと判断し、基本的には特記すべき事項以外は記述していないとのことである(5~6ページ)。 海外企業の例も紹介されている。 3 今後の改善にむけて 「今後の改善にむけて」として、次の観点から整理されている。 (了)

#No. 256(掲載号)
#阿部 光成
2018/02/15

プロフェッションジャーナル No.256が公開されました!~今週のお薦め記事~

2018年2月15日(木)AM10:30、 プロフェッションジャーナル  No.256を公開! プロフェッションジャーナルのリーフレットは 全国のTAC校舎で配布しています! -「イケプロが実践するPJの活用術」「第一線で活躍するプロフェッションからPJに寄せられた声」を掲載!-   - ご 案 内 - プロフェッションジャーナルの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》は随時公開します。

#Profession Journal 編集部
2018/02/15

日本の企業税制 【第52回】「法案から見た法人税等の電子申告の義務化」

日本の企業税制 【第52回】 「法案から見た法人税等の電子申告の義務化」   一般社団法人日本経済団体連合会 経済基盤本部長 小畑 良晴   1月22日に召集された第196回国会では、2月1日には、平成29年度補正予算が政府案どおり可決成立した。翌日の2月2日には、国際観光旅客税法案、所得税法等の一部を改正する法律案が提出され、また、翌週の2月6日には、地方税法等の一部を改正する法律案が提出された。 国際観光旅客税法案は、観光先進国の実現に向けた観光基盤の拡充・強化を図るための財源を確保する観点から、国際観光旅客等の出国1回につき 1,000 円の負担を求める国際観光旅客税を創設するものである。なお、本法案が成立すると、平成 31 年1月7日以後の出国に適用(同日前に締結された運送契約による国際旅客運送事業に係る一定の出国を除く)されることとなる。 一方、所得税法等の一部を改正する法律案、地方税法等の一部を改正する法律案では、個人所得課税改革、賃上げ・生産性革命のための法人課税の見直し、事業承継税制の10年間の特例、たばこ税の見直し、などさまざまな内容が盛り込まれている。 この中で、今回の改正の1つの柱である納税手続きの電子化の一環として、大企業に関する申告の電子化が義務化される(法人税、地方法人税、消費税、法人事業税、法人住民税、地方消費税)とともに、申告の簡素化等が行われる。税制改正大綱では様々な措置が盛り込まれているが、今回提出された法案から読み取れるのは次の事項である。   〇電子申告の義務化 大企業(「特定法人」)は、各事業年度の所得に対する法人税の申告については、申告書記載事項又は添付書類記載事項を電子情報処理組織を使用する方法により提供すること等(添付書類光ディスクも可)により行わなければならないこととする。つまり、電子申告が義務付けられる。 もっとも、電子情報処理組織を使用することが困難であると認められるときは、税務署長の承認を受けて、納税申告書等により申告を行うことができる(法人税法第3条、第75条の3、第75条の4、第81条の 24の2、第81条の24の3、消費税法第3条、第46条の2、第 46条の3)。 地方税(法人住民税、法人事業税、地方消費税)においては、地方税関係手続用電子情報処理組織を使用して行う方法による提出を義務付けることとする(地方税法第53条、第321条の8、第72条の32、第72条の89の2、附則第9条の5)。 義務化の対象となる「特定法人」とは、 電子申告の義務化は、平成32年4月1日以後に開始する事業年度の所得に対する法人税について適用する(改正附則第31条、第36条)。消費税については、平成32年4月1日以後に開始する課税期間について適用する(改正附則第45条)。   〇納税事務の簡素化 (1) 代表者等の自署押印制度の廃止 法人税・地方法人税の申告における、代表者等の自署押印制度を廃止することとする(旧法人税法第151条、第161条、旧地方法人税法第30条、第35 条)。この改正は平成30年4月1日以後に終了する事業年度から適用する(改正附則第19条)。法人事業税についても同様である(地方税法第72条の35、 第72条の36)。 (2) 連結子法人の個別帰属額の届出の不要化(電子申告の場合)等 連結親法人が電子情報処理組織を使用する方法により申告を行った場合において、その申告に係る連結子法人の個別帰属額等及び添付書類に記載すべきものとされている事項を電子情報処理組織を使用する方法等により提供したときは、連結子法人が個別帰属額等の届出及び添付書類を提出したものとみなす。この改正は、平成32年4月1日以後に終了する連結事業年度に係る個別帰属額等を記載した書類について適用する(改正附則第37条)。 個別帰属額等に異動があった場合の届出等について、修正申告書の提出により異動があった場合に限る。この改正は、平成32年4月1日以後に個別帰属額等に異動があった場合におけるその異動に係る書類について適用する(改正附則第37条)。 (3) 法人事業税の添付書類の省略(電子申告の場合) 資本金1億円超の普通法人(つまり外形標準課税が適用される法人)又は収入金額課税法人が、法人税の申告を電子情報処理組織を使用する方法により行った場合において、当該申告と併せて貸借対照表及び損益計算書に記載すべきものとされる事項を電子情報処理組織を使用して行う方法により提供したときは、 法人事業税の申告においてこれらの書類を事務所又は事業所所在地の道府県知事に提出したものとみなすこととする(地方税法第72条の25、第72条の26)。 (4) 第三者作成書類の保存義務化 従来、添付書類の1つとされてきた一定の(収用・換地等)第三者作成書類について、添付することに代えて保存していることを制度適用要件とする(租税特別措置法第64条、第64条の2、第65条、第65条の2、第65条の3、第65条の4)。この改正は平成30年4月1日以後に終了する事業年度に適用する(改正附則第97条、114条)。 (了)

#No. 256(掲載号)
#小畑 良晴
2018/02/15

組織再編税制の歴史的変遷と制度趣旨 【第25回】

組織再編税制の歴史的変遷と制度趣旨 【第25回】   公認会計士 佐藤 信祐   (《第2章》 平成13年度税制改正) 2 平成13年版改正税法のすべて(その他の税目) 本稿では、『平成13年版改正税法のすべて』に記載されている法人税以外の項目について解説を行う。なお、前回まで解説を行った法人税法と同様に、租税特別措置法の内容については、その後の改正・廃止が著しいことから、解説を行わないため、ご了承されたい。 (1) 所得税法 所得税法においては、株主のみなし配当課税や株式譲渡損益課税が問題となる。そのため、基本的には、法人税法について行った解説と大きく変わらない。 強いて言えば、『平成13年版改正税法のすべて』29頁以下で、交付金銭等に係る告知・支払調書制度について解説されている点が挙げられる。平成13年度税制改正により、みなし配当が生じない場合やみなし配当とされない部分の金額(株式等譲渡損益課税の対象とされる金額)も告知・支払調書制度の対象になることが記載されている。 (2) 登録免許税法 平成13年度税制改正前から、合併を行った場合には軽減税率が認められていた。 平成13年度税制改正では、①会社分割による会社の設立・増資に係る登記について、分割の前後で資本金の総額が増加しない部分については、合併並みの税率とする措置、②会社分割による不動産の所有権移転登記について、5年間の措置として、合併並みの税率とする措置がそれぞれ設けられた。 このうち、後者②については、本稿校了段階では廃止されている。本来であれば、不動産の所有権移転登記についても、恒久的に軽減税率を認めるべきであったように思われるが、『平成13年版改正税法のすべて』484頁では、「分割による移転登記又は登録については、売買等の場合と同じく、分割会社という旧所有者が存在し、この登記を行うことに『第三者対抗要件の具備』という利益がある」ことを理由として、売買と同じ税率にすべきであると説明されている。そして、時限的に軽減税率を設けたのは、政策的な理由であったとしている。現在の会社法制度の下では、会社分割が事業の移転のみならず、事業用資産の移転も認めていることからも、妥当な結論であったと思われる。 そのほか、登録免許税法5条13号に規定されている非課税措置について、 と改められた。 さらに、根抵当権の会社分割による移転登記について、登録免許税法別表第1第1号(七)にて、税率が1,000分の2に改められた。 (3) 消費税法 平成12年に公表された「会社分割・合併等の企業組織再編成に係る税制の基本的考え方」では、 と記載されている。 これを受けて、『平成13年版改正税法のすべて』511-512頁では、「会社分割制度による資産の移転が消費税法上の『資産の譲渡等』に該当するかどうかは、正に法解釈の問題であり、今回の改正事項ではありません」としながらも、法解釈として、会社分割による資産の移転が、「法律上当然に生じる包括承継」であることを理由として、「資産の譲渡等」に該当しないとしている。 さらに、同書504-505頁では、平成12年までの制度と同様に、分社化による納税義務の判定の特例に対して、会社分割制度の導入に伴い、制度を改組したと記載されている。 そのほか、合併があった場合の納税義務の免除の特例の改正、資産の譲渡等の時期の特例の改正、課税期間の特例の届出に関する改正、各種の税額控除の特例等に関する改正、簡易課税制度の改正、中間申告の改正、質問検査権に関する改正についても記載されている。 (4) 国税通則法・国税徴収法 平成12年に公表された「会社分割・合併等の企業組織再編成に係る税制の基本的考え方」では、 と記載されている。 これを受けて、法人の分割に係る連帯納付責任制度が導入された(国税通則法9の2)。そして、分割承継法人が連帯納付責任を負う場合に限り、不服申立人の地位を承継することができることとされた(国税通則法106②)。ただし、営業の全部を承継させる会社分割であっても、「租税の納付義務の新設・吸収法人への承継」については設けられなかった。 そのほか、適格合併により繰越欠損金を合併法人に引き継げるようになったことに伴い、合併法人の所得金額や税額が変わらない場合であっても、被合併法人の修正申告や更正をできるようなった(国税通則法2六ハ)。さらに、分割後の更正等により、分割法人等の税額が変動したことに伴い、分割承継法人等の税額が変動する場合には、当該分割承継法人等の更正決定等は、通常の除斥期間を経過した後であっても、6ヶ月の猶予が認められることになった(国税通則法71②)。 (5) 地方税法 地方税法でも、国税の改正により影響を受ける部分については同時に改正されている。さらに、地方税法特有の論点として、不動産取得税がある。 『平成13年版改正税法のすべて』549頁では、会社分割を行った場合には、包括承継であるという意味で、合併類似の性格を有することとしている。その結果、不動産取得税の非課税措置が設けられたとしている。 しかし、具体的な要件について、①金銭等不交付要件、②按分型要件、③主要資産等引継要件、④事業継続要件、⑤従業者引継要件が定められており、このうち、③~⑤が導入された趣旨として、 と解説されている。 おそらくこの記述には、担当者の誤解があるように思われる。当時の商法下であっても、③主要資産等引継要件、④事業継続要件、⑤従業者引継要件は、会社分割の要件とは言い難い。さらに、現行会社法では、事業単位の移転は要求されていない。実際にその後の運用を見てみると、本記述はほとんど参考にされておらず、むしろ、事業継続要件及び従業者引継要件は、法人税法よりも柔軟に解釈されているという実態が見受けられる。 不動産取得税については、角田晃「都道府県税関係 会社分割における従業者要件の判定:不動産取得税の課税・非課税をめぐって(ここが知りたい最新税務Q&A)」税68巻2号71頁(平成25年)が、極めて実務上重要な解説を行っているため、本連載のどこかで触れる予定である。 *   *   * 次回以降では、ヤフー・IDCF事件(平成28年2月29日最高裁判決:TAINSコードZ888-1983、1984)で、国側の立場で朝長英樹氏が書かれた鑑定意見書を参考に、平成13年当時の制度趣旨を探っていく予定である。 (了)

#No. 256(掲載号)
#佐藤 信祐
2018/02/15

〔平成30年3月期〕決算・申告にあたっての税務上の留意点 【第4回】「「役員給与等の見直し」及び「欠損金の繰越控除限度額の見直し」」

〔平成30年3月期〕 決算・申告にあたっての税務上の留意点 【第4回】 (最終回) 「「役員給与等の見直し」及び 「欠損金の繰越控除限度額の見直し」」   公認会計士・税理士 新名 貴則   平成29年度税制改正における改正事項を中心として、平成30年3月期の決算・申告においては、いくつか留意すべき点がある。【第3回】は、所得拡大促進税制の見直し、及び中小企業向け租税特別措置の適用制限について解説した。 【第4回】は、役員給与等の見直し、及び欠損金の繰越控除限度額の見直しについて、平成30年3月期決算申告において留意すべき点を解説する。   1 役員給与等の見直し 法人税法上、役員給与が損金に算入されるためには、次の3つのいずれかに該当する必要がある。 (※) 平成29年度税制改正により「利益連動給与」から改称 これらの詳細について、平成29年度税制改正において主に次のように見直しが行われているため、平成30年3月期の決算申告においては注意が必要である。 ① 定期同額給与 支給の「額面」が同額である給与が対象とされていたが、平成29年度税制改正により、税金や社会保険料等を控除後の「手取額」が同額である給与も、定期同額給与に該当することとされた。この改正は、平成29年4月1日以後に支給する役員給与から適用される。 ② 事前確定届出給与 確定した「金額」を支給する給与が対象であったため、金銭での支給が対象であった。しかし、平成29年度税制改正により、確定した「数」の株式や新株予約権を交付する給与も、事前確定届出給与の対象に加えられた。 (※) 平成29年10月1日以後の決議で支給・交付する給与から適用(決議がない場合は平成29年10月1日以後の支給・交付) ③ 業績連動給与 平成29年度税制改正により、使用可能な指標を追加する、支給対象に株式や新株予約権を追加するといった改正が行われている。またこれにより、「利益連動給与」から「業績連動給与」に改称された。 (※) 平成29年10月1日以後の決議で支給・交付する給与から適用(決議がない場合は平成29年10月1日以後の支給・交付) ④ 役員退職給与 役員退職給与については、不相当に高額な部分を除いて損金に算入されていた。しかし、平成29年度税制改正により、利益その他の指標を基礎として算定される役員退職給与については、業績連動給与の要件を満たさないものは損金不算入とされた。 ⑤ 新株予約権による役員給与 新株予約権の交付による役員給与は、税制非適格であれば、原則として権利行使の日の属する事業年度の損金に算入されていた。しかし、平成29年度税制改正により、事前確定届出給与又は業績連動給与に該当しないものは損金不算入とされた。 ④及び⑤の改正は、平成29年10月1日以後の決議で支給・交付する給与(決議がない場合は平成29年10月1日以後の支給・交付)から適用される。   2 欠損金の繰越控除限度額の見直し 平成27年度税制改正において、中小法人等を除き、欠損金の繰越控除限度額は繰越控除前所得の50%相当額にまで、段階的に引き下げられることとされた。また、平成28年度税制改正においてさらに改正が行われ、より細かい段階を経て50%相当額まで引き下げられることとされた。そのため、平成30年3月期決算申告においては、控除前所得の55%が控除限度となる。 ただし、中小法人等については、引き続き繰越控除前所得の100%相当額を繰越控除限度額とし、引き下げは行われていない。 また、平成31年3月期からは、中小法人等を除き、控除前所得の50%が控除限度(中小法人等は100%)となり、繰越期間は9年から10年に延びる。 (※1) 資本金1億円以下の法人(資本金5億円以上の大法人の完全子会社を除く) (※2) 繰越期間は欠損金の発生年度ごとに決定される。平成30年3月期に発生した欠損金は9年間、平成31年3月期に発生した欠損金は10年間繰り越される。 (連載了)

#No. 256(掲載号)
#新名 貴則
2018/02/15
#