《税理士のための》 登記情報分析術 【第33回】 「所有不動産記録証明制度がスタート」 ~制度の概要と既存制度との比較~ 司法書士法人F&Partners 司法書士 北詰 健太郎 2026年2月2日から法務局において、特定の個人や法人が所有する不動産を一覧的にリスト化した証明書を発行する「所有不動産記録証明制度」(以下、「本制度」という)がスタートした。 本制度は2024年4月1日から相続登記の申請が義務化されたことを受けて、被相続人が所有する不動産の調査を容易にすることを目的としてスタートした制度であるが、活用の余地は広く税理士実務にも影響を与えると思われる。 本稿では、所有不動産記録証明制度の概要や既存制度との比較について解説を行う。 1 本制度の創設理由 所有者不明土地問題の解消のため、2024年4月1日から相続登記の申請が義務化され、相続や遺贈により不動産の所有権を取得した相続人等は、不動産を相続等で取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をする必要がある。正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、10万円以下の過料に処することとされている。 相続登記を漏れなく行うことは意外に難しく、どれだけ不動産調査に力を入れても被相続人が所有する不動産の一部が漏れてしまうことがあり、意図せず期限を徒過してしまう事例も生じうる。そこでできるだけ不動産調査を容易にするために本制度が創設された。 2 他の制度との比較 これまでも不動産調査には様々な制度が利用されてきたが、本制度との比較は次のとおりである。 (1) 名寄帳 本制度とよく似た制度として「名寄帳」の制度がある。これは市町村が固定資産税の課税のために個人や法人が所管の区域内に所有する不動産を取りまとめた帳簿である。名寄帳はあくまで作成した市町村に存在する不動産のみが記載されるのに対して、本制度は日本全国に存在する不動産が対象になるという違いがある。 (2) 固定資産納税通知書 固定資産納税通知書も不動産の調査資料として活用されてきた。毎年市町村の方から郵送がなされるため入手しやすい資料であるといえる。 しかし1月1日時点の所有者に通知がされるため、1月2日以降に取得した不動産は記載がされない。また共有の不動産の場合は、特定の共有者に通知がされ他の共有者には届いていないこともある。これに対して本制度は交付の請求を行い、法務局が検索を行った時点の不動産が記載されることになる。 3 本制度の概要 本制度の利用方法などの概要は、次のとおりである。 (1) 請求ができる者 証明書の交付の請求ができる者は、所有権の登記名義人やその相続人等である(法人を含む)。司法書士に請求を依頼することも可能である。 (2) 請求方法等 証明書の交付の請求は、全ての法務局に対してすることが可能である。請求方法は書面又はオンライン請求で可能であるが、オンライン請求の場合は印鑑証明書等の必要書類もオンラインで提供する必要があり事実上書面によることがほとんどであると思われる。なお、書面にて請求を行う場合は郵送で請求することも可能となっている。 請求から証明書の交付までは一定の期間を要することになるため、個別に請求先の法務局に問い合わせる必要がある。 【証明書交付までの流れ】 (※) 検索条件とは、検索に必要となる住所や氏名等の情報である。現在の住所・氏名だけではなく過去の住所や氏名を検索条件として指定することで、住所等の変更登記が終わっていない不動産でも検索することが可能となる。 法務局では一定のルールのもと検索を行い、検索条件と合致するものについて選定し、証明書に記載する。 (3) 必要書類 証明書の交付の請求を行うにあたって、必要となる書類は次のとおりである。なお、いずれも原則として原本の提出が必要となる。 【所有権登記名義人が請求を行う場合の必要書類】 1―1 印鑑証明書(発行期限なし) 1-2 本人確認書類の写し(運転免許証、マイナンバーカードなど) 2 過去の住所や氏名を検索条件とするときは、その証明となる戸籍証明書や住民票の写しなど 1-1、1-2はいずれか一方が必要となる。ただし、1-2については窓口で原本の提示が必要になる。 所有権登記名義人の相続人等が請求する場合には、上記の【所有権登記名義人が請求を行う場合の必要書類】に加えて次の書類が必要になる。 【相続人その他の一般承継人が請求を行う場合の必要書類】 1 所有権登記名義人との相続関係を証明する戸籍証明書など 2 被相続人等の過去の住所や氏名を検索条件とするときは、その証明となる戸籍証明書等 このほか、代理人によって請求を行う場合は委任状が必要となる。 (4) 手数料 証明書の交付に必要となる手数料は次のとおりである。 (1つの検索条件につき1通当たり) (5) 受領方法 証明書の受領方法は、窓口での受領と郵送による受領が選択できる。郵送による受領の場合は請求の際に返信用封筒と切手の提出が必要となる(オンライン請求を除く)。 【所有不動産記録証明書のひな形】 ※画像をクリックすると、別ページで拡大表示されます。 (了)
税理士が知っておきたい 不動産鑑定評価の常識 【第74回】 「売買の対象地が複数の筆の一部にまたがる場合」 不動産鑑定士 黒沢 泰 1 はじめに (資料1)のように、売買の対象地が隣接する他の複数の土地(筆)の一部にまたがり、しかも分筆がされていない状態で売買契約を締結することがあります。また、このような状態を前提(所与)として土地価格を評価することもあります。 (資料1) 売買の対象地が複数の筆(それぞれの一部)にまたがる場合 今回は、このようなケースを前提とする売買契約の考え方を中心に述べ、その場合の評価条件についても言及したいと思います。 2 拠り所となる最高裁判例 判決が下された時期は相当遡りますが、一筆の土地の一部の売買を可能とならしめる考え方の拠り所となるものとして最高裁昭和30年6月24日判決(裁判所ホームページ:裁判例情報、民集9巻919頁)があげられます。 判決の要旨は以下のとおりです。 このような方法が容認される理由として、次のような考え方が背景にあるものと推察されます。 ちなみに、民法第176条には以下の規定が置かれています。 すなわち、一筆の土地の一部であっても、その範囲が特定されていれば、譲渡の意思表示により所有権は買主に移転するという趣旨です。ただし、そのままの状態では物権の取得を第三者に対抗(主張)することはできず、対抗手段としては当該部分を分筆の上、所有権移転登記をしなければならないことはもちろんです(下記条文参照)。 3 過去の判例の推移 参考までに、判例は、古くは一筆の一部についての所有権時効取得を否定していたが(注1)、後にこれを改め(注2)、その後に取得時効以外の取引についても一筆の一部の所有権移転を認めるに至り、最高裁もこれを踏襲することを明らかにしている(注3)との解説があります(注4)。 (注1) 大審院大正11年10月10日判決、民集1巻575頁。 (注2) 大審院連合部大正13年10月7日判決、民集3巻509頁。 (注3) 本稿で紹介している昭和30年6月24日判決。 (注4) 大塚明「一筆の一部の土地の所有権移転請求訴訟 仮処分と本訴と分筆登記との関連」『神戸学院法学』第41巻第3・4号(2012年3月)、105頁~106頁。なお、(注1)から(注3)の出典も当該資料によっています。 4 重要事項説明書や売買契約書の作成にあたって 通常の場合、一筆の土地の一部について売買および所有権移転を行う際には、これに先立って分筆登記が行われます。しかし、なかには本稿で紹介しているようなケースもあります(筆者も実際にこのような取引を経験したことがあります)。 そのため、宅地建物取引業者が作成する重要事項説明書や売買契約書においては、対象物件の表示に関してそれなりの留意が必要となります。 例えば、測量図(ただし、該当部分の測量が済んでいる場合)や概略図面に売買対象土地の範囲を明確に印した上で、かつ、対象物件の表示(所在)の欄に、 というような記載をすることが求められます(またがる筆が複数ある場合は、それぞれの地番につき上記の要領で記載を行います)。(資料2)はその一例です。 (資料2) 売買契約書における記載例 仮に、売買契約後に正確な測量を実施する約定となっている場合には、重要事項説明書や売買契約書に記載した面積と相違が生じた際の売買代金の精算方法を定めておくことも重要です(例えば、契約書に記載された単価を用いて差額を精算する等の方法です)。 なお、既に述べてきたとおり、売買契約前に対象部分の分筆登記を行わず契約手続きを進めることは可能ですが、その流れが煩雑となるほか、所有者の異なる隣接地との境界査定の段階で予期しない紛争が生ずることもあり得ます。 このような事情を踏まえれば、できる限り売買契約の前に分筆登記を済ませ、確定した地番や面積を前提とした上で契約を締結することが望ましいといえます。 5 対象地が複数の筆の一部にまたがる場合の鑑定評価を行う場合 不動産鑑定士が(資料1)のような土地の鑑定評価を行う際には、例えば次のような評価条件(対象確定条件)を付しているのが通常です。 (了)
〈税務ライター・鈴木まゆ子の〉 ここがヘンだよ日本の税制 第2回 法的安定性とは何か? ひんぱんな基礎控除の改正がもたらす弊害とは 税理士・税務ライター 鈴木 まゆ子 2回目のテーマは、前回に引き続き「基礎控除」です。 そうおっしゃる方もいるかもしれません。今回は基礎控除そのもの、というよりも繰り返される基礎控除の改正について扱います。 令和7年度・令和8年度と立て続けに基礎控除が改正されました。税の実務の現場からは「またか・・・」「ソフト対応、大丈夫かな」というため息が漏れます。 しかし、この基礎控除の相次ぐ改正がもたらす弊害は、実はそれだけではないのです。 令和7年度に続いて令和8年度も改正された基礎控除 皆さまがすでにご存じの通り、基礎控除は令和7年度に続いて令和8年度も税制改正の対象となりました。具体的には次の通りです。 ●基礎控除(所得税法部分) 令和7年度税制改正では、これまで最大48万円の所得控除だったのが10万円加算されて58万円となりました。同時に、所得制限の階段が1つ増えました。 【令和7年度改正後の基礎控除額の図】 これがしばらく続くかと思いきや、令和8年度税制改正で「最大58万円控除」がプラス4万円の「最大62万円控除」となりました。 【令和8年度改正後の基礎控除額の図】 ●基礎控除(租税特別措置法部分) 令和7年度税制改正では、初めて、租税特別措置法(以下「措置法」)に基礎控除の上乗せ部分が定められました。内容は「合計所得金額132万円以下は令和7年分以降ずっと基礎控除が37万円上乗せされる」というもの。それを超えると上乗せ額は減少し、合計所得金額655万円で打ち止めとなります。しかも、合計所得金額132万円超655万円以下については「2年間限定の上乗せ」でした。 令和8年度税制改正では、この措置法による上乗せ部分にもメスが入りました。令和7年分とまとめると、次のようになります。 合計所得金額 基礎控除の上乗せ額 令和7年 令和8年・9年 令和10年以降 132 万円以下 37 万円 42 万円 37 万円 132 万円超 336 万円以下 30 万円 0 円 336 万円超 489 万円以下 10 万円 489 万円超 655 万円以下 5 万円 5 万円 (※) 合計所得金額655万円超は基礎控除の上乗せは0円 2年限定ではありますが、42万円という上乗せが合計所得金額489万円以下なら受けられる、という形になったわけです。 所得税法・措置法それぞれの基礎控除を合わせて図にすると、次のようになります。 【基礎控除(所得税法+措置法) 令和8年・9年】 【基礎控除(所得税法+措置法) 令和10年以降】 このように政治家の方々は誇るわけですが、税務の現場と確定申告をする国民は混乱することが必至です。 そして、令和8年度税制改正大綱には、次のような一文がさらっと書かれていました。 引用元:令和8年度税制改正大綱|自由民主党ほか 要は「長年『38万円』『48万円』で固定されていた基礎控除を今後はこまめに見直していく」ということです。大綱の他の部分に目を向けると「所得税法部分だけでなく、措置法部分も定期的な見直しの対象とする」とあります。 生存権に由来する課税最低限の金額が物価変動の影響を受けることを考えれば至極当然な対応です。しかし同時に、法的安定性の見地から考えると、心配な点がいくつもあります。 法的安定性とは? 目的は「国民の自由と自律」 税務のテーマになると「法的安定性」という用語が出てきます。この法的安定性は、参議院での過去の答弁書の中で、次のように説明されています。 引用元:第193回国会(常会)答弁書第一六五号|参議院 そして現在、法学において、法的安定性は次の4つの側面から分析されています。 構成要素 内容 侵害された場合の状態 明確性 法規範の意味内容が一義的で明瞭であること あいまいで漠然とした法令により国民が不当に萎縮する 予見可能性 自己の行為がどのような法的評価を受けるか、事前に予測できること 突発的な規制強化や解釈変更で不意打ちを食らう 継続性 法秩序が時間的に連続しており、頻繁な変更がないこと 過度な法改正で国民が混乱する、事務負担が過重になる 信頼保護 既存の法に基づく個人の信頼が保護されること 遡及立法による権利はく奪 青色申告を期限内に行わないと65万円・55万円の特別控除が一律10万円になる ⇒ 「じゃあ期限までにがんばって間に合わせよう、そうしたら税金が安くなる」と国民が自ら期限までに自主申告しようとする 税理士法で税理士の独占業務が定められているだけでなく、税理士自身にも品位保持や法令遵守が求められている ⇒ 国民「ここまで法律で業務と違反行為が規定されている税理士なのだから、信頼して相談したり申告を依頼したりできる」 つまり、法令のありようや解釈が安定していることで、国民は自分の国の法体系を信頼するのみならず、自由かつ自律的に経済活動や社会生活を送ることができるというわけです。 しかし、基礎控除が今回立て続けに改正されたということ、そして今後も頻繁に見直されるということは、継続性の観点から法的安定性が担保できなくなるということにつながります。そのため、国民そして税の実務の現場に、次のような混乱が生じると思われます。 基礎控除の相次ぐ改正がもたらす主な弊害 ●還付申告・更正の請求・修正申告で混乱する 「施行当時の法令で申告などは行うもの」と認識しているのは、専門家だけです。一般の国民のほとんどは、そこまでの認識を持っていません。そして、3年前の医療費控除で還付申告しようとするケースも珍しくありません。このとき、現行法令の基礎控除額で間違った還付申告をしてしまうおそれが生じます。会計事務所もうっかりミスをしかねないポイントです。 ●税務署の負荷が増大する 基礎控除が頻繁に改正されれば、当然、確認する側の税務署の負荷も増えます。e-Taxが浸透してきたとはいえ、確認しなければいけない場面がゼロになるわけではないからです。適用時期を間違えれば一発アウトです。 このほか基礎控除が上がることにより、これまで受けていた所得控除を申告しなくなり、結果、住民税が発生して企業の総務や会計事務所、市区町村の窓口への問い合わせが増える可能性があります。 生存権に由来する基礎控除を、生存権を左右する物価変動に合わせてスライドしていくのは一見理想的です。しかし、理想を求めすぎるとかえって国民生活を混乱させるおそれがあります。 混乱させる税制はやがて国民から信頼を失ってゆきます。税制を信頼しなくなれば、国民から法令遵守の意識が薄れてゆきます。 そんな未来だってありうるのです。 基礎控除の相次ぐ改正は総則6項より致命的 そうおっしゃる方もおいでかと存じます。ご指摘はごもっともですが、いずれも基礎控除と決定的に違う点があります。それは「どれだけの多くの国民が深くかかわりをもつか」です。 住宅借入金等特別控除は「借金して家を買う世帯」しか関わりません。しかも初回の確定申告だけ心配していれば済む話です(実際は買った後も気にしないといけませんが)。 総則6項は、法的安定性・予測可能性という点で重要なテーマです。しかし実際に影響を受けるのは一部の富裕層に限られると思われます。 一方、基礎控除は国民全員にかかわりのあるものです。しかも税理士に依頼するまでもない、あるいは依頼するほど資力のない国民にも影響します。結果、相次ぐ改正は国民の混乱を誘発すると考えた方が自然です。 「e-Taxがあるから大丈夫」と思われるかもしれませんが、e-Taxはあくまで作業を簡素にするだけです。国民の税制への理解を簡素にするものではありません。 そして日本の税制は、主権者である国民の理解があってこそのものです。 国民にもっともかかわりの深い制度が頻繁に変えられ、結果、税制が国民のものではなく、ごく一部の為政者のものになってしまう・・・私はこれをもっとも懸念しています。 (了)
《速報解説》 会計士協会、株主総会前の適切な情報提供に関する発出等を受け、 一体書類に対する監査報告書の文例について再度検討を行い、 実務ガイダンス案として新たに取りまとめ 公認会計士 阿部 光成 Ⅰ はじめに 2026年2月17日、日本公認会計士協会は、「監査基準報告書700実務ガイダンス「事業報告等と有価証券報告書の一体書類に含まれる財務諸表等に対する監査報告書に係る実務ガイダンス(2026年版)」(公開草案)」公表し、意見募集を行っている。 これは、2021年8月に公表されたものを改正するものであり、確定版公表は2026年4月下旬を予定しているとのことである。 意見募集期間は2026年3月17日までである。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。 Ⅱ 主な内容 1 適用範囲 実務ガイダンスは、現行の法制度下における一体書類に対する監査報告書の文例について検討し、各種の文例を示している。 一体書類とは、一つの書類により、計算書類、事業報告(これらの附属明細書が含まれるときはこれらの附属明細書を含む)及び連結計算書類並びに有価証券報告書を作成する場合における当該書類をいう(3項)。 2 適用される財務報告の枠組み 一体書類においては、表示及び開示に関する財務諸表等規則等及び会社計算規則の両方が適用されることとなる(4項)。 一体書類に含まれる財務諸表等(財務諸表及び連結財務諸表並びに計算書類(その附属明細書が一体書類に含まれるときは附属明細書を含む)及び連結計算書類をいう)に対して監査を行う場合、監査人は、現行法制度下においては、金融商品取引法及び会社法のそれぞれの財務報告の枠組みが同時に適用されるものと考えている(5項)。 キャッシュ・フロー計算書は、会社法及び会社計算規則において開示対象及び監査対象とされないことから、監査報告書上も、その点が明確になる文例を示している。 3 一体書類に含まれる財務諸表等に対する監査報告書と内部統制監査報告書の一体作成 有価証券報告書提出会社が金融商品取引法及び会社法に基づき一体書類を作成する場合であっても、財務諸表監査に係る監査報告書と内部統制監査報告書を一体的に作成することを妨げる理由が見当たらず、そのため、実務ガイダンスにおいては一体的に作成することとしている(7項)。 (了)
2026年2月12日(木)AM10:30、 プロフェッションジャーナル No.656を公開! - ご 案 内 - プロフェッションジャーナルの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》は随時公開します。
暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務 【第86回】 東洋大学法学部教授 泉 絢也 ケ 日本における状況と国税庁が直面する問題 日本の暗号資産取引や税務執行の現状を踏まえて、国税庁が直面する税務執行上の問題を考察する。 (ア) 暗号資産利用者の増加への対応 一般社団法人日本暗号資産等取引業協会が公表している「暗号資産取引月次データ」によると、暗号資産の国内口座数は、2024年4月までに1,000万(稼働口座は約600万)、2025年5月までに1,200万(稼働口座は約750万)を超えている。 このような暗号資産の国内口座数の増加の背景には、2023年のメルカリ(メルコイン)の参入が大きいようである。 同社によれば、メルカリのビットコイン取引サービスの暗号資産口座数は、口座数を公表している各暗号資産交換業者を超える水準に達している。 さらに驚くべきは、その利用者の約83%が「初めて暗号資産を取引する人」であるということである。つまり、これまで暗号資産に縁がなかった層にも取引が広がりを見せていることになる。 同社のサービスは、メルカリのアプリを使って簡単な操作だけで暗号資産を取引できる仕組みとなっている。 メルカリの暗号資産サービスがこれほどまでに普及している理由は、その「使いやすさ」を含む次のような特徴に起因すると思われる。 これらの特徴により、普段は投資に興味がなかった人や初心者でも、気軽に暗号資産に触れることができる環境が整っている。 さらにいえば、メルカリという「生活密着型」アプリをプラットフォームとすることで、暗号資産が投資家の専有物ではなく、一般生活者にも浸透しつつあるという構造的変化を示している。 メルカリのユーザー層は若年層に限らず幅広い年代にわたっているため、日本全体での暗号資産の裾野が大きく広がったといえよう。 暗号資産の利用が広がるにつれ、見落としてはならないのが税金との関係である。 特に注意すべきは、「これまで確定申告をしたことがなかった者」にも、申告義務が生じる可能性があるという点である。 例えば次のような者が該当する。 こうした者でも、暗号資産の売買によって年間20万円以上の利益が出た場合は、原則として確定申告が必要になる。 そうすると、確定申告に不慣れで、取引の記録を適切に管理できない納税者においては、税金を申告しない、あるいは正しく計算できないといった事態が生じ、税務コンプライアンス違反のリスクが高まることが懸念される。 これに対して、国税庁としては、例えば、米国のForm1040に見られるような暗号資産関係の収入の有無をセルフチェックさせる項目を確定申告書等に設けるほか(※)、暗号資産の税務に関するガイダンス(FAQ等)の充実化、これをベースにしたチャットボットサービスの提供、CEX等への適正申告のための協力要請など、納税者が適正に申告を行うための環境を整備することが考えられる。 (※) このようなチェックボックスによるナッジ的手法は、暗号資産の収入がある納税者が「収入がない」ことを意味する「いいえ」の項目にチェックを入れた場合、その申告漏れを「不注意による見落とし」から「積極的な隠蔽」に変える側面を有する(See Haozheng Jiang & Henry Ordower, Cryptocurrency Public Key Reporting: Using Embedded Technology to Aid Tax Compliance, 185 TAX NOTES FED. 2119, 2125 (2024))。 加えて、このような「納税者の認知・行動の転換」を促す手法は、税務行政のDX(デジタル・トランスフォーメーション)とも整合的であり、単なる申告誘導を超えて、制度的・心理的なコンプライアンス環境の構築に資するものである。 〈参考〉Form1040の一部抜粋(赤囲み線は筆者による) (了)
〔令和8年3月期〕 決算・申告にあたっての税務上の留意点 【第1回】 「「中小企業者等の法人税の軽減税率の特例の延長」 「中小企業投資促進税制の見直しと延長」」 公認会計士・税理士 新名 貴則 令和7年度税制改正における改正事項を中心として、令和8年3月期の決算・申告においては、いくつか留意すべき点がある。 【第1回】は「中小企業者等の法人税の軽減税率の特例の延長」及び「中小企業投資促進税制の見直しと延長」について解説する。 1 中小企業者等の法人税の軽減税率の特例の延長 中小企業者等において、800万円までの課税所得に適用される軽減税率は本来19%だが、令和7年3月期決算申告までは、特例措置により15%に引き下げられていた。 この措置は令和7年3月31日までに開始する事業年度が対象であったが、令和7年度税制改正により2年間(令和9年3月31日までに開始する事業年度まで)延長された。したがって、中小企業者等においては令和8年3月期決算申告においても、15%が適用される。 ただし、税負担の公平性を確保する観点から、中小企業者等であっても下記に該当する法人に対しては、見直しが行われている。 法人 見直しの内容 その事業年度の所得が年10億円を超えた法人 800万円までの課税所得に適用される軽減税率を15%から17%に引上げ 通算法人 軽減税率15%の適用対象から除外(19%を適用) これにより、令和7年4月1日から令和9年3月31日までに開始する事業年度においては、中小企業者等に適用される法人税率は以下の通りである。 【中小企業者等の法人税率】 法人 年800万円までの 課税所得 年800万円超の 課税所得 中小企業者等(下記以外) 15% 23.2% 所得が年10億円超の法人 17% 23.2% グループ通算制度適用法人 19% 23.2% 適用除外法人(※) 19% 23.2% (※) 前3事業年度の平均所得が年15億円を超える法人 令和8年3月期の決算申告においては、当該改正が適用されるので注意が必要である。 2 「中小企業投資促進税制」の見直しと延長 「中小企業投資促進税制」とは、青色申告書を提出している中小企業者等が、特定の機械装置などを取得等して、指定事業に供用した場合に、その事業の用に供した事業年度において、30%の特別償却又は7%の税額控除を認める制度である。 特定中小企業者等(※) 特別償却 30% 又は 税額控除 7 % 上記以外の中小企業者等 特別償却 30% (※) 資本金又は出資金3,000万円以下の中小企業者等 適用対象となる事業は次の通りである。 (※1) 料亭、バー、キャバレー、ナイトクラブその他これらに類する事業にあっては、生活衛生同業組合の組合員が行うものに限る (※2) 映画業以外の娯楽業は対象外 適用対象となる設備は次の通りである。 種類 適用対象 機械及び装置 指定なし ➢ 1つ160万円以上 工具 一定の測定工具及び検査工具 ➢ 1つ120万円以上、または、1つ30万円以上かつ複数合計120万円以上 車両及び運搬具 貨物運搬用の普通自動車 ➢ 車両総重量3.5トン以上 船舶 内航船舶 ➢ 取得価額の75%が対象 ソフトウェア 一定のソフトウェア ➢ 1つ70万円以上、または、複数合計70万円以上 令和7年3月31日までに取得等をして事業供用した資産が対象であったが、これが2年延長され、令和9年3月31日までに取得等して事業供用した資産が対象とされた。したがって、令和8年3月期の決算申告においては適用が継続される。 また、適用対象外となる「みなし大会社」の判定において、農地法に規定する農地所有適格法人が判定対象となる場合について、令和7年度税制改正により判定方法の見直しが行われている。 (了)
社長からの無理難題の 断り方・かわし方 第2回 決算直前の駆け込み経費(前払費用・未払金) 〈JUN税会〉 税理士 中川 諒一 * * 解 説 * * 1 事実関係の把握 社長へのヒアリングと現状確認により、以下の事実が確認されました。 2 法的論点の整理 (1) 債務確定基準 税務上、経費(損金)として計上できる時期は、現金支払いの有無にかかわらず、「債務が確定しているかどうか」で判断されます(法法22③)。 具体的には、以下の「債務確定の3要件」をすべて満たす必要があります(法基通2-2-12)。 (2) 短期前払費用の特例 前払費用を支払った期の経費として処理するには、以下の要件をすべて満たす必要があります(法基通2-2-14)。 これは、企業会計上の「重要性の原則」を税務上も認める趣旨で設けられた例外規定です。 【法人税と所得税の比較】 項目 法人税法 所得税法 債務確定基準 22条3項 (各事業年度の所得の金額の計算) 基本通達 2-2-12 (債務の確定の判定) 37条1項 (必要経費) 基本通達 37-1 (必要経費に算入すべき費用の債務確定の判定) 短期前払費用 基本通達 2-2-14 (短期前払費用) 基本通達 37-30の2 (短期前払費用) 3 本件事例への当てはめ (1) 決算料の前払い(否認リスク高) 事実関係を法的要件に当てはめて判定します。 結論として、たとえ現金を当期に支払ったとしても、当期の損金として計上することは認められません。 また、税理士報酬は「等質・等量のサービス」ではないため、短期前払費用の特例も適用できません。 (2) 家賃の年払い(損金算入可) 結論として、短期前払費用の特例を適用し、当期の損金に算入することが可能です。 (3) ホームページ制作費(損金算入可) 結論として、請求書の到着や支払いが翌期であっても、「未払金」として当期の損金に計上します。 4 実務上の処理と留意点 (1) 決算料を無理に支払う場合の処理 社長の要望通りにキャッシュを支払う場合でも、税務上は「前払金(仮払金)」として資産計上し、翌期の申告完了時に経費へ振り替える処理となります。 無理に当期の「支払手数料」等として処理すれば、税務調査での否認リスク(期ズレ指摘)が極めて高くなります。 (2) 家賃年払いの留意点(資金繰り) 特例を適用する場合、翌期以降も同様に決算月に1年分を支払う必要があります(資金繰りの固定化)。 これを止めると、その期は経費計上額がゼロになる点に留意が必要です。 当期のみ突発的に利益が出ており、翌期以降は通常に戻るような場合には、資金繰りの観点から慎重な判断が求められます。 (3) 未払外注費の証拠保存 決算作業を行う際、実際の「納品日」と「検収日」を必ず確認します。期ズレを指摘されることに備えて、納品完了メールや検収書等の証拠資料を保存しておくことが不可欠です。 なお、今回のホームページの変更はデザイン修正等であるため「広告宣伝費」や「修繕費」として一括損金処理が可能ですが、新たな機能追加(プログラム開発)を伴う場合は「ソフトウェア」として資産計上が必要になるケースもあるため、作業内容の確認も重要です。
事例でわかる[事業承継対策] 解決へのヒント 【第73回】 「同族会社への無利息貸付」 太陽グラントソントン税理士法人 (事業承継対策研究会) パートナー 税理士 西田 尚子 相談内容 私は、以前経営していた会社をM&Aにより他社に売却して40億円(所得税支払い後)の現預金を保有しています。まだ50代なので仕事は続けたいため、不動産賃貸業を始めようと考えています。 そこで、資本金100万円の会社を設立し、その会社に40億円を貸し付け、会社がその資金をもって賃貸不動産を購入することを考えています。 理由としては、貸付金であれば法人で余剰資金が出た際に、随時、私が返済を受けることができるので、配当や給与として受け取るよりも私個人の税効率が良いと考えたためです。そして、顧問税理士からは、オーナーから法人への貸付は無利息であっても税務上のリスクはない旨のコメントを得ています。 このまま進めて問題ないでしょうか。 ■ □ ■ □ 解 説 □ ■ □ ■ [1] 同族会社等の行為又は計算の否認等(所法157①) 同族会社等においては、会社を支配する株主等の所得税の負担を不当に減少させるような行為又は計算が行われやすいことから、税負担の公平を維持するために、こうした行為又は計算が行われた場合には、これを正常な行為又は計算に引き直して株主等に係る所得税の更正又は決定を行う権限が税務署長に認められています。 そして、「所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」とは、同族会社の行為又は計算のうち、経済的かつ実質的な見地において不自然、不合理なもの、すなわち経済合理性を欠くものであって、所得税の負担を減少させる結果となるものと解されます。 [2] 国税不服審判所の裁決事例 個人から同族会社への無利息貸付について、同族会社等の行為又は計算の否認規定が適用され、利息相当額について所得税が課税された裁判事例としては、最高裁平成16年7月20日判決(平和事件)が有名ですが、平和事件以降、裁決事例などは公表されていなかったことから、平和事件は巨額の貸付で特殊な事例であり、巨額でなければ個人からの無利息貸付については税務上のリスクは無いと一般的に言われていました。 しかし、最近、以下のような国税不服審判所の裁決事例が出ています。 いずれの事例も、無利息、無担保、無期限での貸付であり、貸付契約が経済的合理性を欠くものかどうかについて争われました。 経済的合理性の判断においては、貸付の目的、金額、期間等の融資条件と、無利息又は低金利であることの理由等の諸事情を総合的に考慮して判断されます。いずれも独立かつ対等で相互に特殊関係のない第三者間で通常行われる取引とは大いに異なり、合理的な理由や目的があったとは認められないとして、課税庁の処分が適法であると判断されました。 今後、同族会社への多額の無利息貸付が課税当局から認められるためには、その貸付がなければ法人の倒産のおそれがあるなど、やむを得ない理由が必要になると考えられます。 [3] 利息が認定される場合の課税関係 税務調査で、個人から同族会社への無利息貸付について、同族会社等の行為又は計算の否認規定により、適正利息相当額が認定される場合の課税関係は次のとおりです。 [4] 結論 上記のとおり、昨今、オーナーから同族会社への無利息・低利息の貸付について、税務当局の処分を支持する裁決事例が頻出していますので、今後、同族会社への貸付を行う際は、適正な利息をとって貸し付けるか、資本金として出資・増資するかの検討が必要です。 また、金利が上昇している現在、すでに無利息融資を受けている状態の法人においては、利息が認定課税されるリスクを検討したうえで、利息を授受するかDESにより借入金を資本とするか、金融機関からの借入に切り替えるかなどの対策が必要となるでしょう。 実行に際しての具体的な対策については顧問税理士にご相談ください。 (了)
〈適切な判断を導くための〉 消費税実務Q&A 【第17回】 「無形固定資産に係る輸入消費税について」 税理士 石川 幸恵 【Q】 当社は台湾の製造業者から商品を輸入しています。この商品には特定の商標が付されており、その商標権使用料(以下「ロイヤルティ」といいます。)は製造業者ではなくアメリカの法人に支払っています。 このロイヤルティは売手である製造業者に支払ったものではなく、商品の製造委託契約とは別の契約に基づき支払われています。また、通関時にこのロイヤルティを課税価格に含めて輸入消費税を納付したとしても、その輸入消費税は仕入税額控除の対象となるため、結果的に税負担は生じません。 このような場合、ロイヤルティは輸入消費税の課税価格に含めずに申告してよいでしょうか。 【A】 ロイヤルティを関税や消費税の課税価格に含めるかどうかは、「輸入貨物に係る取引の状況その他の事情からみて当該輸入貨物の輸入取引をするために買手により直接又は間接に支払われるもの(関税定率法4①四)」であるか否かにより判断が異なります。具体例については、【解説】で見ていきます。 なお、「仕入税額控除により結果的に税負担が生じないから」という理由で、課税価格に含めなくてよいものではありません。 ◆ ◆ 解 説 ◆ ◆ 1 輸入消費税の課税価格 保税地域から引き取られる課税貨物に係る消費税の課税標準は、当該課税貨物につき関税定率法第4条から第4条の8までの規定に準じて算出した価格に当該課税貨物の保税地域からの引き取りに係る消費税以外の消費税等及び関税の額に相当する金額を加算した金額とされている(消法28④)。 また、輸入貨物の課税価格の決定方法は、輸入取引がされた時に買手より売手に対し、又は売手のために、当該輸入貨物につき現実に支払われた又は支払われるべき価格に、その含まれていない限度において、当該貨物が輸入港に到着するまでに要する運賃・保険料等の額、当該輸入貨物に係る商標権等の使用に伴う対価で輸入取引の条件として買手により直接又は間接に支払われるもの等を加えた価格によることを原則としている(関税定率法4①)。 以下では、輸入貨物に係るロイヤルティについて、課税価格に含めるかどうかの判断基準を具体例により確認する。 2 ロイヤルティの支払いに関する事例 輸入取引の売手以外に支払うロイヤルティが輸入消費税の課税価格に含まれるかどうかは、「輸入貨物に関連しているか」、その支払が「輸入取引をするための条件」となっているか否かで決まる。以下、結論が異なる事例2つと裁決事例を紹介する。 (1) ロイヤルティを課税価格に含める場合 ① 取引の概要 図のように、買手は商標権者A社とのライセンス契約に基づき、商標の使用許諾を受け、A社の子会社である売手から当該商標が付された靴を輸入している。ロイヤルティはA社に、貨物の代金は売手にそれぞれ支払われている。 ② 取扱い 売手と特殊関係にある商標権者に支払うロイヤルティは課税価格に含める。 ③ 理由 ロイヤルティは輸入貨物に付されている商標の使用の対価であることから輸入貨物に係るものである。また、そのロイヤルティは売手の親会社である商標権者に対して支払われており、支払いがなければ売手は貨物を買手に販売しないものと解される。このため、このロイヤルティは輸入取引をするために買手により支払われるものと認められるためである(関税定率法基本通達4-13(4)ハ)。 (2) 課税価格に含めない場合 ① 取引の概要 図のとおり、買手であるB社は、商標権者L社とのロイヤルティ契約に基づいてロイヤルティを支払っている。このロイヤルティ契約により、商標権の使用許諾に加え、経営上のノウハウの利用や社会的信用の向上、競業者に対する優位性という経済的利益を得られる。 一方、B社は、売手であるS社からL社の商標が付された商品を輸入している(商標の使用については上記のロイヤルティ契約に基づくものである。)が、売手はB社がロイヤルティを支払っていることを認識していない。また、B社は売手をS社以外でも自由に選択することが可能である。 ロイヤルティの支払額は、商標を使用するか否か、輸入か国内調達かにかかわらず一定である。 ② 取扱い このロイヤルティは課税価格に含めない。 ③ 理由 この課税貨物は商標を付したものであり、ロイヤルティは輸入貨物に係るものであると認められる。 一方、商標権者L社は輸入取引及び輸入貨物の製造・管理には関与しておらず、ロイヤルティの支払いやその金額は輸入の有無によって変動しない。このことから、このロイヤルティは「輸入取引をするために買手により支払われるもの」には該当しないと認められるためである。 (3) 裁決事例 やや古いものではあるが、平成13年にロイヤルティが消費税の課税標準(関税課税価格)に含まれると認められるのが相当であると判断された裁決事例がある(TAINSコード:F0-5-125)。本件では売手は商標権者と特殊関係になかったので、(1)のケースには該当しないものの、課税価格に含まれると判断されたところが特徴である。 買手は商標権者から商品の製造権及び日本での販売権を取得し、その対価としてロイヤルティを支払う義務を負っていた。 また、実態として、商標権者は輸出者の実態を十分に把握しており、製品の製造過程や輸入取引について商標権者の立場から相当程度管理又は支配していたと認められた。 これらの事情を総合的に勘案し、ロイヤルティは「輸入取引をするために支払われるもの」に該当するとして、課税価格に算入すべきと判断されている。 (了)