公開日: 2021/03/08
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《速報解説》 株式報酬の見直しに係る改正法人税法等政省令が公布される~改正会社法の施行に伴い関連規定を整備~

筆者: 川瀬 裕太

《速報解説》

株式報酬の見直しに係る改正法人税法等政省令が公布される

~改正会社法の施行に伴い関連規定を整備~

 

太陽グラントソントン税理士法人 ディレクター
税理士 川瀬 裕太

 

令和元年の会社法改正に伴い、令和2年度税制改正において株式報酬に関する税制上の取扱いについて見直しが行われている。

このたび令和3年2月25日付け官報第439号において、この株式報酬の見直しに関する改正政省令(「法人税法施行令等の一部を改正する政令(政令第39号)」及び「法人税法施行規則及び租税特別措置法施行規則の一部を改正する省令(財務省令第4号)」)が公布された。

本稿ではこの改正政省令の概要について解説を行う。

 

1 会社法の改正

まず、今回の改正政省令に関係する改正会社法(令和元年法律第70号)の改正事項をまとめると、以下の通りである。

(1) 金銭でない報酬等に係る株主総会の決議による定め

取締役の報酬等を決定する手続等の透明性を向上させるため、取締役の報酬等として自社の株式又は新株予約権を付与しようとする場合には、定款又は株主総会の決議により、株式又は新株予約権の数の上限等を定めなければならないこととされた(会社法361①三・四)。

(2) 出資の履行を要しない報酬等としての株式の付与

業績に連動した報酬等を円滑に取締役に付与できるように、上場会社は、取締役の報酬等として株式の発行又は自己株式の処分をするときは、募集株式と引換えにする金銭の払込み又は現物出資財産の給付を要しないこととされた(会社法202の2)。

(3) 増加する資本金の額等

取締役等の報酬等として金銭の払込み等を要しないで株式を発行した場合に増加する資本金の額等についての規定が整備された(会社計算規則42の2、42の3、54の2)。

事前交付型の規定(取締役等が株式会社に対し割当日後にその職務の執行として募集株式を対価とする役務を提供する場合)、事後交付型の規定(取締役等が株式会社に対し割当日前にその職務の執行として募集株式を対価とする役務を提供する場合)、株式引受権に関する規定が定められている。

(4) 株式引受権

株式引受権とは、取締役等がその職務の執行として株式会社に対して提供した役務の対価としてその株式会社の株式の交付を受けることができる権利(新株予約権を除く)をいう(会社計算規則2③三十四)。

 

2 株式報酬の見直しに関する政令

改正政令(法人税法施行令等の一部を改正する政令(政令第39号))における改正事項は以下の通りである。

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~改正会社法の施行に伴い関連規定を整備~

 

太陽グラントソントン税理士法人 ディレクター
税理士 川瀬 裕太

 

令和元年の会社法改正に伴い、令和2年度税制改正において株式報酬に関する税制上の取扱いについて見直しが行われている。

このたび令和3年2月25日付け官報第439号において、この株式報酬の見直しに関する改正政省令(「法人税法施行令等の一部を改正する政令(政令第39号)」及び「法人税法施行規則及び租税特別措置法施行規則の一部を改正する省令(財務省令第4号)」)が公布された。

本稿ではこの改正政省令の概要について解説を行う。

 

1 会社法の改正

まず、今回の改正政省令に関係する改正会社法(令和元年法律第70号)の改正事項をまとめると、以下の通りである。

(1) 金銭でない報酬等に係る株主総会の決議による定め

取締役の報酬等を決定する手続等の透明性を向上させるため、取締役の報酬等として自社の株式又は新株予約権を付与しようとする場合には、定款又は株主総会の決議により、株式又は新株予約権の数の上限等を定めなければならないこととされた(会社法361①三・四)。

(2) 出資の履行を要しない報酬等としての株式の付与

業績に連動した報酬等を円滑に取締役に付与できるように、上場会社は、取締役の報酬等として株式の発行又は自己株式の処分をするときは、募集株式と引換えにする金銭の払込み又は現物出資財産の給付を要しないこととされた(会社法202の2)。

(3) 増加する資本金の額等

取締役等の報酬等として金銭の払込み等を要しないで株式を発行した場合に増加する資本金の額等についての規定が整備された(会社計算規則42の2、42の3、54の2)。

事前交付型の規定(取締役等が株式会社に対し割当日後にその職務の執行として募集株式を対価とする役務を提供する場合)、事後交付型の規定(取締役等が株式会社に対し割当日前にその職務の執行として募集株式を対価とする役務を提供する場合)、株式引受権に関する規定が定められている。

(4) 株式引受権

株式引受権とは、取締役等がその職務の執行として株式会社に対して提供した役務の対価としてその株式会社の株式の交付を受けることができる権利(新株予約権を除く)をいう(会社計算規則2③三十四)。

 

2 株式報酬の見直しに関する政令

改正政令(法人税法施行令等の一部を改正する政令(政令第39号))における改正事項は以下の通りである。

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筆者紹介

川瀬 裕太

(かわせ・ゆうた)

太陽グラントソントン税理士法人 ディレクター
税理士

京都大学大学院経営管理教育部卒業。大手税理士法人勤務を経て、2015年7月より現職。
日系企業、外資系企業への申告書作成業務やM&A、グループ企業内再編案件の税務アドバイザリー業務、海外進出企業の税務アドバイザリー業務に従事。オーナー系企業の事業承継対策、納税資金対策や自社株対策を中心としたコンサルティング業務も行うなど幅広く活動している。

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