《速報解説》
国税庁、令和7年分の路線価を公表
~コロナ禍以降のインバウンド需要等で全国平均路線価は上昇傾向~
Profession Journal編集部
令和7年7月1日付けで国税庁は、相続税及び贈与税の算定基準となる令和7年分の路線価(1月1日時点)を公表した。
全国平均路線価は前年に比べて2.7%のプラスとなり、昨年の2.3%のプラスを上回った。コロナ禍を背景に下落となった令和3年分以降、4年連続の上昇となっている。
標準宅地の平均上昇率は東京都の8.1%が最も大きく、全国平均(2.7%)と比べても大きな伸び率となった。上昇の背景としては、海外や地方からの人口流入に伴うマンション需要や海外マネーによる投資増などがあげられる。なお、東京都の地点別の路線価最高額は、今年も中央区銀座5丁目の「鳩居堂」前で、1平方メートルあたり4,808万円を記録し、40年連続全国路線価トップとなっている。
〈参考:各局が公表した最高路線価(別表)のページ〉
【沖縄国税事務所】
【熊本国税局】
【福岡国税局】
【高松国税局】
【広島国税局】
【大阪国税局】
【名古屋国税局】
【金沢国税局】
【東京国税局】
【関東信越国税局】
【仙台国税局】
【札幌国税局】
また、全国平均路線価の上昇についても海外の影響が大きい。
コロナ禍後のインバウンド(訪日客)需要が拡大し、伸び率が大きいエリアとして、長野県白馬村(32.4%プラス)、北海道富良野市(30.2%プラス)、東京都浅草(29%プラス)など、有名別荘地や観光地などの上昇が顕著となっている。一方で、その恩恵が受けられていないエリアについては路線価の下落が続くなど、二極化がますます鮮明となった。
そのほか、昨年の調査(令和6年1月1日時点)では、能登半島地震の影響が反映されておらず、調整率表の公表がされていたところ、今年の調査では初めて影響が反映されることとなった。その結果、石川県全体では0.7%の上昇となったものの、地震による大きな被害を受けた輪島市朝市通りはマイナス16.7%と下落率が大きくなっている。
(了)