公開日: 2014/03/06 (掲載号:No.59)
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設備投資減税を正しく活用して強い企業をつくる~設備投資における管理会計のポイント~ 【第5回】「「設備投資の経済性計算」を理解する」

筆者: 若松 弘之

設備投資減税を正しく活用して強い企業をつくる

~設備投資における管理会計のポイント~

【第5回】

「「設備投資の経済性計算」を理解する」

 

公認会計士・税理士 若松 弘之

 

〈「設備投資の経済性計算」の理解〉

設備投資の意思決定をレベルアップするためには、管理会計の重要論点である「設備投資の経済性計算」を十分理解しておく必要がある。
この手法の、主なポイントは次のとおりである。

(1) その設備投資によって、収益(またはキャッシュ・インフロー)がいくら増え、費用(またはキャッシュ・アウトフロー)がいくら減るのか

(2) 減価償却費がどのように費用計上され、どの程度、納税額が減少するのか

(3) (1)(2)の結果として、正味のキャッシュ・フローがいくらなのか

(4) 設備投資効果が続く期間にわたり、事業年度別に(3)を算定する

(5) (4)の合計金額の現在価値を算出する

(6) 予定している設備投資額と(5)を比較して投資の可否を決定する

もちろん「設備投資の経済性計算」は絶対的なものさしではなく、最終的な投資可否の判断の有力な一材料であり、その他の影響やリスクを幅広に検討して判断すべきことはいうまでもない。

以下では、上記のポイントについて順に説明していくこととする。

 

〈「利益」概念から「キャッシュ・フロー」概念へ〉

設備投資を検討するうえで必ず理解しておかなくてはならないのは、「投資の採算性はキャッシュ・フローで考える」ということである。
これは企業や事業全体にもいえることであり、結局、事業の成果とは「調達したキャッシュ」(インプット)と「獲得したキャッシュ」(アウトプット)の差額がいくらだったのかという点に尽きる。

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【第5回】

「「設備投資の経済性計算」を理解する」

 

公認会計士・税理士 若松 弘之

 

〈「設備投資の経済性計算」の理解〉

設備投資の意思決定をレベルアップするためには、管理会計の重要論点である「設備投資の経済性計算」を十分理解しておく必要がある。
この手法の、主なポイントは次のとおりである。

(1) その設備投資によって、収益(またはキャッシュ・インフロー)がいくら増え、費用(またはキャッシュ・アウトフロー)がいくら減るのか

(2) 減価償却費がどのように費用計上され、どの程度、納税額が減少するのか

(3) (1)(2)の結果として、正味のキャッシュ・フローがいくらなのか

(4) 設備投資効果が続く期間にわたり、事業年度別に(3)を算定する

(5) (4)の合計金額の現在価値を算出する

(6) 予定している設備投資額と(5)を比較して投資の可否を決定する

もちろん「設備投資の経済性計算」は絶対的なものさしではなく、最終的な投資可否の判断の有力な一材料であり、その他の影響やリスクを幅広に検討して判断すべきことはいうまでもない。

以下では、上記のポイントについて順に説明していくこととする。

 

〈「利益」概念から「キャッシュ・フロー」概念へ〉

設備投資を検討するうえで必ず理解しておかなくてはならないのは、「投資の採算性はキャッシュ・フローで考える」ということである。
これは企業や事業全体にもいえることであり、結局、事業の成果とは「調達したキャッシュ」(インプット)と「獲得したキャッシュ」(アウトプット)の差額がいくらだったのかという点に尽きる。

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連載目次

筆者紹介

若松 弘之

(わかまつ・ひろゆき)

公認会計士 若松弘之事務所 代表
公認会計士・税理士

1995年 東京大学経済学部卒業後、有限責任監査法人トーマツ東京事務所に入所。監査部門にて、国内及び海外上場企業の法定監査業務とともに中小企業等の株式上場準備業務にも従事。
2008年 有限責任監査法人トーマツを退職し、公認会計士若松弘之事務所を独立開業。
各種実務セミナーや企業研修、早稲田大学大学院講師など、会計関連の人材育成に注力。
その他、上場企業等の社外監査役や地方自治体の各種委員をつとめるなど幅広く活動。

【著書】
『こんなときどうする 会社の経理 Q&A』(共著、第一法規)

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