公開日: 2014/05/15 (掲載号:No.69)
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組織再編・資本等取引に関する最近の裁判例・裁決例について 【第1回】「みなし共同事業要件の濫用(東京地裁平成26年3月18日判決)①」

筆者: 佐藤 信祐

組織再編・資本等取引に関する最近の裁判例・裁決例について

【第1回】

「みなし共同事業要件の濫用(東京地裁平成26年3月18日判決)①」

 

公認会計士 佐藤 信祐

 

連載の目次はこちら

連載に当たって

本連載においては、組織再編・資本等取引に関する最近の裁判例・裁決例について紹介するとともに、それぞれ私見により分析を行う予定である。

組織再編・資本等取引についての書籍・記事は多数存在するが、法人税法132条の2に規定する包括的租税回避防止規定について争われた東京地裁平成26年3月18日判決以前には、裁判例・裁決例について分析を行ったものは多くはないため、このような分析を行っていくことも意義のあることだと考えている。

本連載の第1回目においては、繰越欠損金の引継ぎについて争われた東京地裁平成26年3月18日判決について解説を行うこととする。

 

1 みなし共同事業要件の濫用(東京地裁平成26年3月18日判決)

(1) 判決の概要

新聞報道で有名であるため、その概要を知っている読者も少なくないと思われるが、法人税法132条の2に規定する包括的租税回避防止規定についての最初の裁判例である。

実際に包括的租税回避防止規定が適用されたものとしては、パチンコ店約40グループが適格現物出資を繰り返した行為について租税回避行為として否認された事例(※1)が存在するが、この事例は裁判において争われていないため、今のところ、唯一存在する裁判例が東京地裁平成26年3月18日判決である。

(※1) 平成24年2月12日、読売新聞朝刊

包括的租税回避防止規定の射程範囲として、法人税法132条の射程範囲である「取引が経済的取引として不合理・不自然である場合」だけでなく、「組織再編成に係る行為の一部が、組織再編成に係る個別規定の要件を形式的には充足し、当該行為を含む一連の組織再編成に係る税負担を減少させる効果を有するものの、当該効果を容認することが組織再編税制の趣旨・目的又は当該個別規定の趣旨・目的に反することが明らかであるものも含む」として、買収の2ヶ月前に副社長を送り込んだ行為について、包括的租税回避防止規定の適用対象とすることにより、繰越欠損金の引継ぎを認めなかった更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分を適法と判断した。

原告はこれを不服として、東京高裁に控訴を行っている(※2)

(※2) 新日本法規「検証ヤフー・IDCF事件」T&Amaster 542号4頁

なお、本事件においては、別途、非適格分割により設立された子会社が計上した資産調整勘定についても包括的租税回避防止規定が争われており、同日に原告の子会社が敗訴しているが、本連載において、いずれ解説する予定である。

(2) 事実の概要

  • 原告(以下、「A社」という)の議決権のうち、B社が約42.1%を保有しており、当該B社からC社を買収し、その後、合併を行うことにより繰越欠損金の引継ぎを行っている。なお、当該買収に先立ち、C社は会社分割によりF社を設立し、当該F社もA社が買収を行っている。本件会社分割は非適格分割に該当することから、F社において資産調整勘定が計上されているが、当該資産調整勘定の計上についても別訴において争われている。
  • 本件買収、合併におけるスケジュールは以下の通りである。

  • 本件合併当時、丙氏は、A社の代表取締役でもあるが、B社の取締役でもあった。

(3) 主たる争点

① 法人税法132条の2の意義【争点1】

(ⅰ) 法132条の2にいう「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」(不当性要件)の解釈について

(ⅱ) 「その法人の行為又は計算」の意義について

② 法人税法施行令112条7項5号の要件を充足する本件副社長就任について、法132条の2の規定に基づき否認することができるか否か【争点2】

③ 本件更正処分に理由付記の不備があるか否か【争点3】

(4) 本事件における特徴

法人税法上、合併を行った場合において、税制適格要件を満たしたときは、被合併法人の繰越欠損金を合併法人に引き継ぐことが可能である(法法57②)。しかしながら、例えば、本事件のような100%子会社との合併については、合併の直前において、合併法人と被合併法人との間に完全支配関係が成立していれば税制適格要件を満たすことができることから(法令4の3②一、当時の政令では法令4の2②一)、繰越欠損金を有する法人を買収した後に合併を行うような租税回避が考えられるため、特定資本関係(現行法では「支配関係」に名称変更)が生じてから5年を経過しない適格合併については、みなし共同事業要件を満たさない限り、繰越欠損金の引継制限が課されることとなった(※3)(法法57③)。

(※3) 朝長英樹(2001)『企業組織再編成に係る税制についての講演録集』日本税制研究協会94頁

この場合のみなし共同事業要件であるが、以下のからの要件を満たすか、及びの要件を満たした場合に充足することとされている(※4)(法令112③、当時の政令では法令112⑦)。

 事業の相互関連性要件

 事業規模要件

 被合併等事業の同等規模継続要件

 合併等事業の同等規模継続要件

 特定役員引継要件

(※4) 佐藤信祐(2010)『組織再編における繰越欠損金の税務詳解(第3版)』中央経済社、稲見誠一・佐藤信祐(2012)『実務詳解組織再編・資本等取引の税務Q&A』中央経済社においては、事業関連性要件、規模要件、規模継続要件、経営参画要件と表記したが、本稿においては判決文における表現に合わせるものとする。

この場合における特定役員引継要件であるが、特定資本関係発生日以後に特定役員を入れ替えることにより形式的に本要件を満たすような行為については制度趣旨に反することから、特定資本関係発生日前に役員であった者に限定することとしている。

本事件においては、特定資本関係発生日前に合併法人の特定役員を被合併法人の特定役員として送り込むことにより、形式的に特定役員引継要件を満たしており、これに対して、包括的租税回避防止規定が適用された事案である。

奇しくも、本事件は、「組織再編における繰越欠損金の税務詳解(佐藤信祐、中央経済社)」の93-94頁(※5)に記載させていただいた内容に類似したものであり、当時の解説として、

実務上、下請けを合併するような場合や、経営不振に陥っている企業を支援するために合併するような場合には、事前に特定役員を送り込み、ある程度、経営改善の見込みができてから、当該法人の株式を取得するということも行われている。このような経済合理性のある取引を行った結果として、経営参画要件を満たした場合には、包括的租税回避防止規定を適用することは困難である

としたうえで、「送り込んだ特定役員がほとんど何もしていないような場合」には、事実認定により否認される可能性があると指摘させていただいた。

(※5) ここで紹介したのは初版(2007)であるが、第2版(2009)102頁、第3版(2010)105-106頁においても同様の記載をした。

事実、事業上の理由で特定役員を送り込む事案は少なからず見受けられるものであり、結果的に法人税の負担が減少したとしても、事業目的の方が税目的よりも上位にあることから、制度の濫用とも言い難いため、控訴審、上告審において同様の判決となったとしても、判例の射程の範囲外にあり、包括的租税回避防止規定を適用すべき事案にはならないと考えられる。

しかしながら、本事件の特殊性としては、株式譲渡の提案から副社長就任、株式譲渡、合併までの一連の取引が極めて短期間で行われており、事業目的よりも税目的が上位にあるという疑義を抱かせる原因ともなっている。

次回以降は、それぞれの争点における被告、原告の主張についてそれぞれ解説し、本事件においてどのようなことが争われたのかについて分析を行っていく予定である。なお、【争点3】は形式的なものであるため、本連載においては【争点1】【争点2】についてのみ分析を行うこととする。

(了)

「組織再編・資本等取引に関する最近の裁判例・裁決例について」は、隔週で掲載されます。

組織再編・資本等取引に関する最近の裁判例・裁決例について

【第1回】

「みなし共同事業要件の濫用(東京地裁平成26年3月18日判決)①」

 

公認会計士 佐藤 信祐

 

連載の目次はこちら

連載に当たって

本連載においては、組織再編・資本等取引に関する最近の裁判例・裁決例について紹介するとともに、それぞれ私見により分析を行う予定である。

組織再編・資本等取引についての書籍・記事は多数存在するが、法人税法132条の2に規定する包括的租税回避防止規定について争われた東京地裁平成26年3月18日判決以前には、裁判例・裁決例について分析を行ったものは多くはないため、このような分析を行っていくことも意義のあることだと考えている。

本連載の第1回目においては、繰越欠損金の引継ぎについて争われた東京地裁平成26年3月18日判決について解説を行うこととする。

 

1 みなし共同事業要件の濫用(東京地裁平成26年3月18日判決)

(1) 判決の概要

新聞報道で有名であるため、その概要を知っている読者も少なくないと思われるが、法人税法132条の2に規定する包括的租税回避防止規定についての最初の裁判例である。

実際に包括的租税回避防止規定が適用されたものとしては、パチンコ店約40グループが適格現物出資を繰り返した行為について租税回避行為として否認された事例(※1)が存在するが、この事例は裁判において争われていないため、今のところ、唯一存在する裁判例が東京地裁平成26年3月18日判決である。

(※1) 平成24年2月12日、読売新聞朝刊

包括的租税回避防止規定の射程範囲として、法人税法132条の射程範囲である「取引が経済的取引として不合理・不自然である場合」だけでなく、「組織再編成に係る行為の一部が、組織再編成に係る個別規定の要件を形式的には充足し、当該行為を含む一連の組織再編成に係る税負担を減少させる効果を有するものの、当該効果を容認することが組織再編税制の趣旨・目的又は当該個別規定の趣旨・目的に反することが明らかであるものも含む」として、買収の2ヶ月前に副社長を送り込んだ行為について、包括的租税回避防止規定の適用対象とすることにより、繰越欠損金の引継ぎを認めなかった更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分を適法と判断した。

原告はこれを不服として、東京高裁に控訴を行っている(※2)

(※2) 新日本法規「検証ヤフー・IDCF事件」T&Amaster 542号4頁

なお、本事件においては、別途、非適格分割により設立された子会社が計上した資産調整勘定についても包括的租税回避防止規定が争われており、同日に原告の子会社が敗訴しているが、本連載において、いずれ解説する予定である。

(2) 事実の概要

  • 原告(以下、「A社」という)の議決権のうち、B社が約42.1%を保有しており、当該B社からC社を買収し、その後、合併を行うことにより繰越欠損金の引継ぎを行っている。なお、当該買収に先立ち、C社は会社分割によりF社を設立し、当該F社もA社が買収を行っている。本件会社分割は非適格分割に該当することから、F社において資産調整勘定が計上されているが、当該資産調整勘定の計上についても別訴において争われている。
  • 本件買収、合併におけるスケジュールは以下の通りである。

  • 本件合併当時、丙氏は、A社の代表取締役でもあるが、B社の取締役でもあった。

(3) 主たる争点

① 法人税法132条の2の意義【争点1】

(ⅰ) 法132条の2にいう「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」(不当性要件)の解釈について

(ⅱ) 「その法人の行為又は計算」の意義について

② 法人税法施行令112条7項5号の要件を充足する本件副社長就任について、法132条の2の規定に基づき否認することができるか否か【争点2】

③ 本件更正処分に理由付記の不備があるか否か【争点3】

(4) 本事件における特徴

法人税法上、合併を行った場合において、税制適格要件を満たしたときは、被合併法人の繰越欠損金を合併法人に引き継ぐことが可能である(法法57②)。しかしながら、例えば、本事件のような100%子会社との合併については、合併の直前において、合併法人と被合併法人との間に完全支配関係が成立していれば税制適格要件を満たすことができることから(法令4の3②一、当時の政令では法令4の2②一)、繰越欠損金を有する法人を買収した後に合併を行うような租税回避が考えられるため、特定資本関係(現行法では「支配関係」に名称変更)が生じてから5年を経過しない適格合併については、みなし共同事業要件を満たさない限り、繰越欠損金の引継制限が課されることとなった(※3)(法法57③)。

(※3) 朝長英樹(2001)『企業組織再編成に係る税制についての講演録集』日本税制研究協会94頁

この場合のみなし共同事業要件であるが、以下のからの要件を満たすか、及びの要件を満たした場合に充足することとされている(※4)(法令112③、当時の政令では法令112⑦)。

 事業の相互関連性要件

 事業規模要件

 被合併等事業の同等規模継続要件

 合併等事業の同等規模継続要件

 特定役員引継要件

(※4) 佐藤信祐(2010)『組織再編における繰越欠損金の税務詳解(第3版)』中央経済社、稲見誠一・佐藤信祐(2012)『実務詳解組織再編・資本等取引の税務Q&A』中央経済社においては、事業関連性要件、規模要件、規模継続要件、経営参画要件と表記したが、本稿においては判決文における表現に合わせるものとする。

この場合における特定役員引継要件であるが、特定資本関係発生日以後に特定役員を入れ替えることにより形式的に本要件を満たすような行為については制度趣旨に反することから、特定資本関係発生日前に役員であった者に限定することとしている。

本事件においては、特定資本関係発生日前に合併法人の特定役員を被合併法人の特定役員として送り込むことにより、形式的に特定役員引継要件を満たしており、これに対して、包括的租税回避防止規定が適用された事案である。

奇しくも、本事件は、「組織再編における繰越欠損金の税務詳解(佐藤信祐、中央経済社)」の93-94頁(※5)に記載させていただいた内容に類似したものであり、当時の解説として、

実務上、下請けを合併するような場合や、経営不振に陥っている企業を支援するために合併するような場合には、事前に特定役員を送り込み、ある程度、経営改善の見込みができてから、当該法人の株式を取得するということも行われている。このような経済合理性のある取引を行った結果として、経営参画要件を満たした場合には、包括的租税回避防止規定を適用することは困難である

としたうえで、「送り込んだ特定役員がほとんど何もしていないような場合」には、事実認定により否認される可能性があると指摘させていただいた。

(※5) ここで紹介したのは初版(2007)であるが、第2版(2009)102頁、第3版(2010)105-106頁においても同様の記載をした。

事実、事業上の理由で特定役員を送り込む事案は少なからず見受けられるものであり、結果的に法人税の負担が減少したとしても、事業目的の方が税目的よりも上位にあることから、制度の濫用とも言い難いため、控訴審、上告審において同様の判決となったとしても、判例の射程の範囲外にあり、包括的租税回避防止規定を適用すべき事案にはならないと考えられる。

しかしながら、本事件の特殊性としては、株式譲渡の提案から副社長就任、株式譲渡、合併までの一連の取引が極めて短期間で行われており、事業目的よりも税目的が上位にあるという疑義を抱かせる原因ともなっている。

次回以降は、それぞれの争点における被告、原告の主張についてそれぞれ解説し、本事件においてどのようなことが争われたのかについて分析を行っていく予定である。なお、【争点3】は形式的なものであるため、本連載においては【争点1】【争点2】についてのみ分析を行うこととする。

(了)

「組織再編・資本等取引に関する最近の裁判例・裁決例について」は、隔週で掲載されます。

連載目次

「組織再編・資本等取引に関する最近の裁判例・裁決例について」(全44回)

【第1回】 みなし共同事業要件の濫用(東京地裁平成26年3月18日判決)① ★無料公開中★

1 みなし共同事業要件の濫用(東京地裁平成26年3月18日判決)

(1) 判決の概要

(2) 事実の概要

(3) 主たる争点

(4) 本事件における特徴

【第2回】 みなし共同事業要件の濫用(東京地裁平成26年3月18日判決)②

(5) 法人税法132条の2の意義【争点1】についての当事者の主張

① 被告の主張

② 原告の主張

③ 総括

【第3回】 みなし共同事業要件の濫用(東京地裁平成26年3月18日判決)③

(6) 施行令112条7項5号の要件を充足する本件副社長就任について、法132条の2の規定に基づき否認することができるか否か(争点2)についての当事者の主張

① 被告の主張

② 原告の主張

③ 総括

【第4回】 みなし共同事業要件の濫用(東京地裁平成26年3月18日判決)④

(7) 裁判所の判断

① 法人税法132条の2の意義【争点1】

② 法人税法施行令112条7項5号の要件を充足する本件副社長就任について、法132条の2の規定に基づき否認することができるか否か【争点2】

③ 総括

【第5回】 みなし共同事業要件の濫用(東京地裁平成26年3月18日判決)⑤

(8) 評釈

① 法人税法132条の2の意義【争点1】

(ⅰ) 判決文の構成

(ⅱ) 法132条の2の趣旨

(ⅲ) 法132条の2が適用される場面

【第6回】 みなし共同事業要件の濫用(東京地裁平成26年3月18日判決)⑥

(ⅳ) 斉木論文の概要

(ⅴ) 私見

【第7回】 みなし共同事業要件の濫用(東京地裁平成26年3月18日判決)⑦

② 法人税法施行令112条7項5号の要件を充足する本件副社長就任について、法132条の2の規定に基づき否認することができるか否か【争点2】

(ⅰ) 施行令112条7項5号の趣旨

(ⅱ) 施行令112条7項5号に係る法132条の2の適用の在り方

【第8回】 みなし共同事業要件の濫用(東京地裁平成26年3月18日判決)⑧

(ⅲ) 本件組織再編成における不当性要件の充足の有無

【第9回】 資産調整勘定の計上(東京地裁平成26年3月18日判決)①

2 資産調整勘定の計上(東京地裁平成26年3月18日判決)

(1) 判決の概要

(2) 事実の概要

(3) 主たる争点

(4) 本事件における特徴

【第10回】 資産調整勘定の計上(東京地裁平成26年3月18日判決)②

(5) 当事者間の主張(【争点2】のみ)

① 被告の主張

② 原告の主張

③ 総括

【第11回】 資産調整勘定の計上(東京地裁平成26年3月18日判決)③

(6) 裁判所の判断(【争点2】のみ)

(7) 評釈

【第12回】 2つの東京地裁平成26年3月18日判決の総括①

3 2つの東京地裁平成26年3月18日判決の総括

(1) 平成23年10月28日付鑑定意見書

【第13回】 2つの東京地裁平成26年3月18日判決の総括②

(2) 平成24年5月14日付鑑定意見書

① 概要

② 完全支配関係継続要件における「継続することが見込まれている」の解釈

③ 法人税法132条の2の解釈

【第14回】 2つの東京地裁平成26年3月18日判決の総括③

④ グループ内合併による繰越欠損金の引継ぎ

【第15回】 2つの東京地裁平成26年3月18日判決の総括④

(3) 平成24年7月12日付鑑定意見書

① 概要

② 法人税法132条の2の解釈

③ 本件の全体像

④ 原告の主張に対する見解

【第16回】 日本IBM事件①

4 日本IBM事件(東京地裁平成26年5月9日判決)

(1) 判決の概要

(2) 事実の概要

① 当事者の概要

② 原告(有限会社アイ・ビー・エム・エイ・ピーホールディングス)による日本IBM株式の取得

③ 自己株式の取得について

(3) 主たる争点

(4) 本事件における特徴

【第17回】 日本IBM事件②

(5) 当事者の主張

① 被告の主張

(ⅰ) 法人税法132条1項の射程範囲について

(ⅱ) 本事件への当てはめ

② 原告の主張

(ⅰ) 法人税法132条1項の射程範囲について

(ⅱ) 本事件への当てはめ

③ 総括

【第18回】 日本IBM事件③

(6) 裁判所の判断

① 法人税法132条1項の射程範囲について

② 原告をあえて日本IBMの中間持株会社としたことに正当な理由ないし事業目的があったとはいい難いか否かについて

③ 本件一連の行為を構成する本件融資は、独立した当事者間の通常の取引とは異なるものであるか否かについて

④ 本件各譲渡を含む本件一連の行為に租税回避の意図が認められるか否かについて

(7) 評釈

【第19回】 旧商法時代の子会社株式消却による払戻金①

5 子会社株式消却による払戻金(東京地裁平成24年11月28日判決)

(1) 判決の概要

(2) 事実の概要

① 減資等

② 払戻し

③ 消却すべき株式の数の決定

(3) 主たる争点

(4) 本事件における特徴

【第20回】 旧商法時代の子会社株式消却による払戻金②

(5) 当事者の主張

① 被告の主張

② 原告の主張

(6) 裁判所の判断

(7) 評釈

【第21回】 裁決例①

6 平成18年9月8日裁決

(1) 事件の概要

(2) 原処分庁の主張

(3) 請求人の主張

(4) 国税不服審判所の判断

(5) 評釈

【第22回】 裁決例②

7 平成24年8月15日裁決

(1) 事件の概要

(2) 原処分庁の主張

(3) 請求人の主張

(4) 国税不服審判所の判断

(5) 評釈

【第23回】 裁決例③

8 昭和61年1月13日裁決

(1) 事件の概要

(2) 原処分庁の主張

(3) 請求人の主張

(4) 国税不服審判所の判断

(5) 評釈

【第24回】 裁決例④

9 昭和46年8月13日裁決

(1) 事件の概要

(2) 原処分庁の主張

(3) 請求人の主張

(4) 国税不服審判所の判断

(5) 評釈

【第25回】 裁決例⑤

10 昭和55年3月31日裁決

(1) 事件の概要

(2) 原処分庁の主張

(3) 請求人の主張

(4) 国税不服審判所の判断

(5) 評釈

【第26回】 裁決例⑥

11 平成15年12月5日裁決

(1) 事件の概要

(2) 原処分庁の主張

(3) 請求人の主張

(4) 国税不服審判所の判断

(5) 評釈

【第27回】 裁決例⑦

12 昭和63年10月7日裁決

(1) 事件の概要

(2) 原処分庁の主張

(3) 請求人の主張

(4) 国税不服審判所の判断

(5) 評釈

【第28回】 裁決例⑧

13 平成12年6月21日裁決

(1) 事件の概要

(2) 原処分庁の主張

(3) 請求人の主張

(4) 国税不服審判所の判断

(5) 評釈

【第29回】 裁決例⑨

14 平成23年7月7日裁決

(1) 事件の概要

(2) 原処分庁の主張

(3) 請求人の主張

(4) 国税不服審判所の判断

(5) 評釈

【第30回】 非公開裁決事例①

15 平成25年8月30日裁決(TAINSコード:J92-3-14)

(1) 事件の概要

(2) 【争点1】の当事者の主張

① 原処分庁の主張

② 請求人の主張

(3) 【争点2】の当事者の主張

(4) 国税不服審判所の判断

(5) 評釈

【第31回】 非公開裁決事例②

16 平成25年7月22日裁決(TAINSコード:F0-2-542)

(1) 事件の概要

(2) 原処分庁の主張

(3) 請求人の主張

(4) 国税不服審判所の判断

(5) 評釈

【第32回】 非公開裁決事例③

17 平成25年7月19日裁決(TAINSコード:J92-3-13)

(1) 事件の概要

(2) 原処分庁の主張

(3) 請求人の主張

(4) 国税不服審判所の判断

(5) 評釈

【第33回】 非公開裁決事例④

18 平成22年9月1日裁決(TAINSコード:F0-2-401)

(1) 事件の概要

(2) 原処分庁の主張

(3) 請求人の主張

(4) 国税不服審判所の判断

(5) 評釈

【第34回】 非公開裁決事例⑤

19 平成22年2月8日裁決(TAINSコード:F0-2-500)

(1) 事件の概要

(2) 原処分庁の主張

(3) 請求人の主張

(4) 国税不服審判所の判断

(5) 評釈

【第35回】 非公開裁決事例⑥

20 平成24年5月25日裁決(TAINSコード:F0-2-494)

(1) 事件の概要

(2) 原処分庁の主張

(3) 請求人の主張

(4) 国税不服審判所の判断

(5) 評釈

【第36回】 非公開裁決事例⑦

21 平成20年2月25日裁決(TAINSコード:F0-2-311)

(1) 事件の概要

(2) 原処分庁の主張

(3) 請求人の主張

(4) 国税不服審判所の判断

(5) 評釈

【第37回】 非公開裁決事例⑧

22 平成19年6月21日裁決(TAINSコード:F0-2-288)

(1) 事件の概要

(2) 原処分庁の主張

(3) 請求人の主張

(4) 国税不服審判所の判断

(5) 評釈

【第38回】 その他の裁判例①

23 みなし配当に係る源泉徴収義務

(1) 平成23年3月17日大阪地裁判決(TAINSコード:Z261-11644)

① 事件の概要

② 原告の主張

③ 被告の主張

④ 裁判所の判断

(2) 平成24年2月16日大阪高裁判決(TAINSコード:Z262-11882)

① 控訴人の主張

② 被控訴人の主張

③ 裁判所の判断

(3) 評釈

【第39回】 その他の裁判例②

24 デット・エクイティ・スワップ

(1) 平成21年4月28日東京地裁判決(TAINSコード:Z259-11191)

① 事件の概要

② 【争点2】

(ⅰ) 原告の主張

(ⅱ) 被告の主張

(ⅲ) 裁判所の判断

③ 【争点3】

(ⅰ) 原告の主張

(ⅱ) 被告の主張

(ⅲ) 裁判所の判断

(2) 平成22年9月15日東京高裁判決(TAINSコード:Z260-11511)

(3) 評釈

【第40回】 その他の裁判例③

25 最初連結親法人事業年度開始の日を合併期日とする適格合併(平成21年11月27日東京地裁判決・TAINSコード:Z259-11337)

(1) 事件の概要

(2) 原告の主張

(3) 被告の主張

(4) 裁判所の判断

(5) 評釈

【第41回】 その他の裁判例④

26 事業協同組合員の死亡脱退の払戻請求権(平成20年7月15日東京地裁判決・TAINSコード:Z888-1409)

(1) 事件の概要

(2) 原告の主張

(3) 被告の主張

(4) 裁判所の判断

(5) 評釈

【第42回】 その他の裁判例⑤

27 合併無効判決の遡及効

(1) 平成14年5月31日大阪地裁判決(TAINSコード:Z252-9127)

① 事件の概要

② 原告の主張

③ 被告の主張

④ 裁判所の判断

(2) 平成14年12月26日東京高裁判決(TAINSコード:Z252-9254)

(3) 評釈

28 その他の裁判例・裁決例

【第43回】 ヤフー・IDCF事件

29 ヤフー・IDCF事件控訴審判決

(1) ヤフー事件控訴審判決(TAINSコード:Z888-1889)

(2) IDCF控訴審判決

(3) 総括

【第44回】 日本IBM事件

30 日本IBM事件控訴審判決(TAINSコード:Z888-1926)

筆者紹介

佐藤 信祐

(さとう・しんすけ)

公認会計士・税理士、法学博士
公認会計士・税理士 佐藤信祐事務所 所長

平成11年 朝日監査法人(現有限責任あずさ監査法人)入所
平成13年 公認会計士登録、勝島敏明税理士事務所(現 デロイトトーマツ税理士法人)入所
平成17年 税理士登録、公認会計士・税理士佐藤信祐事務所開業
平成29年 慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程修了(法学博士)

【主な著書】
・『ケース別に分かる企業再生の税務』(共著、中央経済社)
・『企業買収・グループ内再編の税務─ストラクチャー選択の有利不利判定─』(共著、中央経済社)
・『組織再編税制 申告書・届出書作成と記載例』(共著、清文社)
・『制度別逐条解説 企業組織再編の税務』(共著、清文社)
・『組織再編における株主課税の実務Q&A』(共著、中央経済社)
・『組織再編における包括的租税回避防止規定の実務』(中央経済社)
・『債務超過会社における組織再編の会計・税務』(共著、中央経済社)
・『グループ法人税制における無対価取引の税務Q&A』(共著、中央経済社)
・『組織再編・グループ内取引における消費税の実務Q&A』(共著、中央経済社)
・『実務詳解 組織再編・資本等取引の税務Q&A』(共著、中央経済社)
・『これだけ!組織再編&事業承継税制』(共著、中央経済社)
・『無対価組織再編・資本等取引の税務』(中央経済社)
・『グループ法人税制・連結納税制度における組織再編成の税務詳解』(共著、清文社)
・『消費税 個別対応方式の実務 プラス 100Q&A』(共著、清文社)
・『組織再編による 事業承継対策』(共著、清文社)
・『組織再編の会計と税務の相違点と別表四・五(一)の申告調整』(共著、清文社)
・『中小企業のための組織再編・資本等取引の会計と税務』(共著、清文社)
・『条文と制度趣旨から理解する 合併・分割税制』(清文社)
・『事業承継M&Aの実務』(共著、清文社)
・『組織再編税制大全』(清文社)
・『新版 サクサクわかる! 超入門 中小企業再編の税務』(清文社)
・『サクサクわかる! 超入門 合併の税務』(清文社)
・『サクサクわかる!M&Aの税務』(清文社)
・『サクサクわかる!株主対策の税務』(清文社)
・『ドリル式 組織再編成の確定申告書 別表四・五(一)徹底攻略』(清文社)
・『不動産M&Aの税務』(日本法令)
・『みなし配当の税務』(日本法令)

その他M&A、グループ内再編、事業再生及び事業承継に関する書籍多数。

        

関連書籍

組織再編税制ガイドブック

太陽グラントソントン税理士法人 税理士 川瀬裕太 著

中小企業の事業承継

税理士 牧口晴一 著 法学博士・税理士 齋藤孝一 著

合併・分割・株式交換等の実務

公認会計士 髙谷晋介 監修 仰星監査法人 編著

実務必須の重要税務判例100

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プロフェッショナル グループ通算制度

公認会計士・税理士 足立好幸 著

詳解 組織再編会計Q&A

公認会計士 布施伸章 著

サクサクわかる! M&Aの税務

公認会計士・税理士 佐藤信祐 著

法人税の損金経理

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〔目的別〕組織再編の最適スキーム

公認会計士・税理士 貝沼 彩 著 公認会計士・税理士 北山雅一 著 税理士 清水博崇 著 司法書士・社会保険労務士 齊藤修一 著

組織再編税制大全

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税法基本判例 Ⅰ

谷口勢津夫 著

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詳解 グループ通算制度Q&A

デロイト トーマツ税理士法人 稲見誠一・大野久子 監修

税法みなし規定の適用解釈と税務判断

税理士 野田扇三郎 著 税理士 山内利文 著 税理士 安藤孝夫 著 税理士 三木信博 著
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