法人税の解釈をめぐる論点整理
《交際費》編
【第3回】
弁護士 木村 浩之
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5 使途不明金(使途秘匿金)
(1) 使途不明金とは
使途不明金とは、法人の資産が外部に流出しているものの、その支出先を特定することができず、使途が不明であるものをいう。
この使途不明金の処理については、
① 営業費用(単純損金となる経費又は交際費)
② 給与
③ 損失(社外流出)
のいずれかに分類されることになる。
実務上は、使途不明金であっても、何らかの費目で営業費用として処理されることが多いと思われる。この点、たとえ支出先を特定できないとしても、その支出の目的や内容が何らかの形で明らかになる場合には、それは単純な社外流出ではなく、支出先が特定できない営業費用として処理することが認められる(東京高判昭和53年11月30日・税資103号674頁参照)。
また、支出の目的が交際費であったとしても、いわゆる渡切交際費については、支出の内容が具体的に明らかでない以上は、給与として処理することが多いといえる。渡切交際費に限らず、法人から流出した資産を所持していた者がその支出内容を説明できないのであれば、その資産は当該所持者に帰属したものと考えることが合理的であり、その者に対する給与等として処理することが相当と思われる。ただし、実務上は、金銭消費貸借契約書などを作成した上で、貸付処理がなされることも多い。
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