税務判例を読むための税法の学び方【55】
〔第7章〕判例の探し方
(その2)
立正大学法学部准教授
税理士 長島 弘
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2 判例集の紹介と蔵書検索
次に裁判例が公開されている判例集やサイトについて紹介する(民間企業によるものは必要最小限に留める)。
なお前回、判例の検索項目について解説する関係上、最高裁判所判例集等について紹介したが、本来はここで紹介すべきであるため、改めて取り上げることとする。
① 公的(準公的)な判例集、裁判集
(1) 『最高裁判所判例集』:『最高裁判所民事判例集』『最高裁判所刑事判例集』
最高裁判所判例委員会が重要な判例として選んだものが掲載されている。過去に同種の判断を下した判例であっても担当した法廷が異なる場合等は掲載される。また、新しく任命された裁判官が初めて少数意見を述べた判例は掲載されることになっている。
『最高裁判所判例集』自体は月刊の1つの冊子であるが、民事(行政事件を含む)と刑事の二部に分かれており、各々を『最高裁判所民事判例集』『最高裁判所刑事判例集』として、通常の図書館では分けて製本されている。通常、雑誌等で引用を示す場合には、『最高裁判所民事判例集』を「民集」、『最高裁判所刑事判例集』を「刑集」と略称を用いる。発行は昭和22年からである。
CiNii(サイニィ。国立情報学研究所が運営する学術論文、図書、雑誌などの術情報データベース)によれば、現在293大学の図書館に所蔵されている(下記リンク参照)。
また当然ながら、最高裁判所図書館で閲覧可能である。最高裁判所図書館の蔵書検索は、最高裁判所図書館のページ内の「蔵書検索システム」(以下「裁判所図書館蔵書検索頁」)より可能である。
なおこの最高裁判所図書館の蔵書検索においては、上にあるように「資料区分」として「図書」「雑誌」「製本雑誌」「視聴覚資料」があり、判例集が「図書」「雑誌」「製本雑誌」のいずれになるかという点で注意が必要である。検索結果の例を以下に示したが、それを見ると分かるように、判例集の製本されたものの資料区分が「図書」、最近のもの(未製本のものと思われる)は「雑誌」となっている。
判例集の製本されたものは、「製本雑誌」や「雑誌」とは思っても、通常「図書」とは思わないであろうから、このように「図書」に分類されていることは注意しておく必要がある。
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