コーポレートガバナンス・コードのポイントと
企業実務における対応のヒント
【第1回】
「はじめに」
~コーポレートガバナンス・コード(原案)の確定と企業への影響~
あらた監査法人 パートナー
公認会計士 小林 昭夫
〔コーポレートガバナンス・コード(原案)の確定〕
2014年12月に金融庁から公表された「コーポレートガバナンス・コードの基本的な考え方(案)コーポレートガバナンス・コード原案~会社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上のために~」(以下「コーポレートガバナンス・コード原案」または「コード」という)が、パブリック・コメント期間を経て、いよいよ最終版として確定することになった。
コーポレートガバナンス・コード原案の策定のために、2014年8月から金融庁と東京証券取引所を共同事務局とする有識者会議が開催されていたが、2015年3月5日に開催された第9回において、コードの最終稿が示されている。
昨年12月から本年1月にかけて実施されたパブリック・コメントでは、国内・海外から合計121の団体・個人からのコメントが寄せられたが、その大部分は肯定的ものであったとのことである。公開草案からは修辞的な修正がいくつか入ったものの、概ね草案どおりの内容のまま確定することになる。
本シリーズでは、コーポレートガバナンス・コード原案のポイントをわかりやすく解説するとともに、企業実務における対応のヒントを全10回シリーズにてご説明したい。なお、文中の意見にわたる部分は筆者の私見であることをお断りしておく。
〔上場制度の整備状況〕
このコードは2014年6月に閣議決定された政府の成長戦略(日本再興戦略 改訂2014)を受けて導入されようとしており、序文にも記載されているとおり、企業の「稼ぐ力」の向上をその狙いの一つとしている。「攻めのガバナンス」という言葉が象徴的に使われているように、経営陣の健全なリスクテイクを後押しすることが期待されている。さらに、企業と投資家との建設的な対話を促進することによって、企業の持続的成長を促すことが意図されている。
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