本連載では、個別の会計不正に関する調査報告書について、その内容を検討することを主眼としているが、本稿では、「第三者委員会ドットコム」が公開している情報をもとに、各社の適時開示情報を参照しながら、2021年において設置が公表された調査委員会について、調査の対象となった不正・不祥事を分類するとともに、調査委員会の構成、調査報告書の内容などを概観し、その特徴を検討したい。

カンセキの取締役常勤監査等委員である髙﨑勝彦氏(報告書上の表記は「甲」。以下「髙﨑常勤監査等委員」と略称する)は、2021年8月末頃、カンセキの連結子会社であるバーンに対する内部監査を行い、同社の現金につき、実際の残高が帳簿上の残高より720万円少ないことを把握した。

ものづくりの現場で日常的に用いられる工具や備品のなかには、高価で長期の使用に耐えるものが多くあります。これらは消耗品とは異なり、日常で継続的に用いられる資産として、会社の財務諸表に計上して管理します。また、工具や備品に留まらず、商品や製品については、たとえ破損しても、それが経済的な取引価値を持つ限り、資産として管理することをおろそかにはできません。

北弘電社は、2021年7月、2022年3月期第1四半期決算の確定作業において、工事進行基準を適用している太陽光発電所建設工事に関わる案件について、工事原価総額の見積りを見直したところ、設備の設計変更による工事原価740百万円の増加が見込まれ、また、同年6月25日の外注先との協議では、内訳や金額の妥当性については不明確ながらも、土木工事費総額が予算から792百万円超過する可能性があることが判明したため、同年8月6日、会計監査人である新日本監査法人から、工事原価総額の見積変更の適時性についての疑義(高山案件疑義)が示されることとなった。

社内体制のなかで起きる不正を防ぐためのさまざまな工夫やルールを事例に基づいて読者の皆さんにご紹介し、まもなく1年が経過しようとしています。不正や誤謬(誤り)を牽制し、より適切な社内体制を構築するためには、成功事例を語るより、むしろ失敗事例を取り上げて検討を加えることの方が、より近道のように考えられます。なぜなら、失敗事例からは多くの学びと教訓が得られると考えられるからです。

OKKは、会計監査人である新日本監査法人から、仕掛品残高の費用処理に関する問題点、具体的には、滞留仕掛品の売上原価による費用処理について、その適正性について検証が必要である旨の指摘を受け、調査を行った結果、仕掛品残高の確定につき、過去の会計処理に誤りがある可能性を確知し、2021年5月21日、会計監査人との協議の上、当該事実の解明については社内調査委員会による調査が必要であると判断し、速やかに専門性を有する有識者からなる社内調査委員会を設置して調査を行った。

長引くパンデミックの影響から、筆者の周囲には、地方の実家に戻って自然を満喫し、テレワークを続けるといった人も出始めています。こうした生活様式、働き方の変貌を見るにつけ、ITの利便性を実感しますが、他方で相応のリスクも見え隠れしています。

AMNは、2021年12月期から会計監査人に就任したかなで監査法人による2021年12月期第1四半期レビュー手続の中で、不適切な会計処理があることを指摘されたことを契機として、当該指摘の内容を確認したところ、AMNの取締役である石動力氏(調査報告書上は、「取締役A」と記載。以下、「石動取締役」と略称する)による資金流用の疑義(本件疑義)を認識するに至った。

東京オリンピックは今までにないメダルラッシュとなりました。大きな声援が送られた一方で、新型コロナウイルスによるパンデミックがとどまることはなく、残念なことに感染者の増加もみられました。そうしたなか、経済活動と感染予防策について、オリンピック中も繰り返し報道がされていたのは、みなさんご存じの通りです。オリンピックを円滑に運用して成功に導くために、これ以上感染の広がりを防ごうとすれば、酒類の提供を禁止し、営業活動を制限するなどして経済を犠牲にせざるを得ません。

本件は、ショーエイの大阪本社営業部長であるs1氏が、2021年3月29日、執行役員であるs2氏に対し、B社から3月末に入金予定であった売掛金が未回収となる報告を行ったことから発覚したものであり、s1氏の報告により、ショーエイは、A社代表取締役a氏が主導する架空循環取引に巻き込まれていたことが明らかになったものである。
ショーエイは、社内における事実確認の結果、ステークホルダーに対して、正確かつ迅速で透明性がある説明を行い、安心と信頼を得るためには、ショーエイと利害関係のない外部専門家の関与により調査の客観性及び信頼性を確保しつつ、本件循環取引の全容解明を期するとともに、類似取引の有無等を把握することが必要と判断して、2021年4月30日、外部調査委員会の設置を取締役会において決議し、調査を開始した。

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