「従業員の解雇」をめぐる企業実務とリスク対応 【第5回】「普通解雇①」~能力不足、適格性欠如による解雇~
他の従業員より勤務成績が低く能力不足で任せられる仕事がないとして、従業員を解雇することができるだろうか。
従業員は、会社に対し労務提供義務を負っているのであり、能力不足や適格性欠如により雇用契約において想定された業務を全く履行できないというのであれば、雇用契約上の債務不履行として、普通解雇の解雇原因となりうる。
マイナンバーの会社実務Q&A 【第14回】「就業規則の改定⑦(「特別休暇」の条文の追加)」
〈Q〉社員が平日に市区町村役場にマイナンバーカードを取りに行けるようにしたいのですが、特別休暇の条文を新たに追加するのと現在の年次有給休暇の条文で対応するのとどちらがよいでしょうか。
現在の年次有給休暇の条文は、以下の通りです。
「従業員の解雇」をめぐる企業実務とリスク対応 【第4回】「普通解雇をする際のチェックポイント」~解雇の可否と解雇手続~
今回は、普通解雇のうち、従業員側に原因のある通常の普通解雇(会社の経営状態に理由のある整理解雇については別稿を予定)を行う際に、会社側がどのような点をチェックしなければならないか、網羅的に論じる。
基本的に、会社が従業員を解雇する際には、①その解雇が法的に可能な事案か否かを検討し、解雇できる事案であれば、②法に従った解雇手続を行うことになる。
マイナンバーの会社実務Q&A 【第13回】「就業規則の改定⑥(「守秘義務」の条文の改定)」
〈Q〉当社の「守秘義務」の条文の改定について教えてください。現在の条文は、以下の通りです。
「確定拠出年金等改正法」の成立について
厚生労働省は、公的年金制度の見直し等に合せて企業年金制度の改正を目指し、2013年10月に社会保障審議会企業年金部会を立ち上げ、計15回に及ぶ部会審議の後に、2015年4月に「確定拠出年金法等の一部を改正する法律案」を提出した。
しかしながら、以前に成立した同種の法案同様、今回も国会審議が捗らず継続審議扱いとなっていたが、今年5月24日に衆議院にて再可決成立し6月3日に公布された。日頃より気を揉んでいた多くの関係者は一様に安堵したわけだが、ここからいよいよ改正法の具体化の問題が発生する。
「従業員の解雇」をめぐる企業実務とリスク対応 【第3回】「解雇紛争の手続」~解雇紛争はどのように争われるのか~
前回説明したように、解雇の有効・無効をめぐっては、最終的には訴訟において①復職、②バックペイ及び遅延損害金の支払いの有無に帰着することになるが、実務的には、解雇に一旦踏み切ったとしても、それまでの間に、従業員と会社の間に何らかの金銭支払等の合意ができ、解決されるケースが大半である。一度こじれた会社・従業員間の関係が復職により修復することは事実上困難だからである(会社と従業員の解雇の問題はその意味で夫婦の離婚に似ている)。
マイナンバーの会社実務Q&A 【第12回】「就業規則の改定⑤(「損害賠償」の条文の改定)」
〈Q〉当社の「損害賠償」の条文の改定について教えてください。現在の条文は、以下の通りです。
「従業員の解雇」をめぐる企業実務とリスク対応 【第2回】「解雇の有効・無効」~解雇することが正しいのか~
会社が解雇を実行するにあたっては、違法・無効な解雇とならないよう留意することは当然である。しかしそもそも、解雇することが全体的見地から正しい判断といえるのだろうか。
解雇の有効・無効の判断は総合考慮(連載【第1回】参照)により決まり、裁判官により判断が分かれることも多いが、解雇の是非を判断するにあたっては、解雇が万が一無効となった場合に会社はどのような法的リスクを負わなければならないのか、解雇が無効となるとどうなるのかということを正確に把握する必要がある。
マイナンバーの会社実務Q&A 【第11回】「就業規則の改定④(「懲戒」の条文の改定)」
〈Q〉当社の「懲戒」の条文の改定について教えてください。現在の条文は、以下の通りです。
違法な長時間労働に関するブラック企業に対し、初の「企業名公表」へ~リスク回避に向けて企業ができること~
厚生労働省は、長時間労働対策をより一層推進するため、平成26年9月に「長時間労働削減推進本部」を新設し、「過重労働等撲滅チーム」等を編成して、過重労働の撲滅に向けたさまざまな取組みを行ってきた。その取組みの1つが今回の「企業名公表」である。