「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法」を活用するポイント 【第1回】「特例の内容と効果」
この無期転換ルールに対する特別な措置として、「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法(有期雇用特別措置法)」が公布され、平成27年4月から施行されている。
5年を超えるプロジェクトで有期契約の高度専門職を雇用する企業や定年後5年を超えて継続雇用を行う企業にとっては、この法律の施行がどのような影響を与えるのか、興味のあるところと思われる。
非正規雇用の正社員化における留意点と労務手続 【第5回】「正社員登用後の就業規則の留意点と正社員化の助成金」
正社員登用制度を導入し、非正規社員を正社員として雇い入れを行った時には、前回紹介した書式を用いて手続を行っていくこととなるが、その他に当該従業員向けの就業規則を整備しておく必要があると考える。
最終回となる今回は、正社員登用し無期転換となった従業員のための就業規則の整備の必要性と留意点、正社員登用する際の助成金制度を紹介する。
確定拠出年金制度の改正をめぐる今後の展望 【第3回】「今回改正が意味すること②」
厚生労働省は今回の改正を“企業年金制度の大改革”と明言しているが、その理由は、【第1回】及び【第2回】をお読みの読者はご了解いただけたことと思われる。筆者がこの部分に相当数のページを割いて説明したのは、まさにそのことをご理解いただきたいためである。
今回改正は小手先のものではなく大改正なのだ、ということをしっかりご理解いただくと今までの延長線上にはない次世代企業年金制度が見えてくる。しかしながら、法改正案に盛り込まれた内容だけではわかりづらいのも事実で、今回あえてしつこく記述させてもらった。
中小企業事業主のための年金構築のポイント 【第5回】「老齢基礎年金の繰上げ」
老齢基礎年金の支給開始年齢は65歳であるが、受給資格期間を満たしている60歳以上65歳未満の者(任意加入被保険者を除く)は、65歳に達していなくても老齢基礎年金の請求をすることができる。これを「繰上げ受給」という。
ただし、請求時の年齢により一定率の割合で計算した額が「減額」される。
なお、減額率は月単位で1ヶ月に0.5%の割合である。
非正規雇用の正社員化における留意点と労務手続 【第4回】「正社員登用手続と関連書式・登用規定の確認」
非正規社員をめぐる法改正が進む中、多くの企業が非正規社員の正社員化に踏み切っている。前回は正社員登用の転換を行っている企業の事例をもとに、その特徴と、実際に正社員登用するにあたっての留意事項をお伝えしたが、今回はさらに具体的な手続や関連書式、正社員登用規程のひな形を紹介する。
中小企業事業主のための年金構築のポイント 【第4回】「老齢基礎年金の額」
老齢基礎年金の額は、20歳から60歳までの間がすべて保険料を支払った期間(納付済期間という)があれば、満額の780,100円(平成27年度)が支給される。
つまり、加入期間のうち保険料の未納期間等があれば、年金額が減額されることになる。
確定拠出年金制度の改正をめぐる今後の展望 【第2回】「今回改正が意味すること①」
今まで企業年金は、適年、厚生年金基金、DB、DCとそれぞれ独立した法律の建付けで運営されてきた。【第1回】でも述べたが、やりたい企業が好きに制度を選択して導入すればよい、いわば、労使合意のもと「やりたいようにやってください」というものだったわけである。
このような労使合意に基づく“自由な設計”という考え方は、退職一時金制度を源泉とする日本の企業年金制度の世界において発足以来綿々と生き続けてきた。結果として、企業年金を持つ余裕があり、社員の老後まで面倒を見たい大企業が推進の中心となっていったのだが、大企業の社員は、全労働者からみればほんの一部に過ぎない。このままでは非常に拙いことになるのは目に見えている。
非正規雇用の正社員化における留意点と労務手続 【第3回】「企業の正社員化へ向けた取組み状況と正社員登用制度運営時のポイント」
① 正社員登用制度の目的を明確にする
非正規社員が安易な気持ちで、安定を求めて正社員希望をすることもある。その前提として、自社の正社員登用制度は、どのような目的において導入されたのか、正社員となってどういう働きをしてほしいのかを明確に定め、非正規社員に周知しておく。
確定拠出年金制度の改正をめぐる今後の展望 【第1回】「今回改正の背景と全体像」
厚生労働省は、公的年金制度の見直し等にあわせて企業年金制度の改正を目指しており、2013年10月には社会保障審議会企業年金部会を立ち上げ、計15回に及ぶ部会審議の後に、今年4月に「確定拠出年金法等の一部を改正する法律案」を提出した。
「法律案」に盛られた内容は、部会で審議されたもののすべてを含んではおらず、特に税制関連項目に関しては今後財務省との交渉を踏まえてより深化していくものと期待される。税制上の課題はいずれ述べるが、少なくとも「企業年金部会等を通して厚生労働省が企業年金を今後どのような方向に改正させていきたいのか」という姿が見えてきた。
中小企業事業主のための年金構築のポイント 【第3回】「老齢基礎年金を受給するための要件」
厚生年金保険に加入している人は、保険料の滞納がない。加入期間がそのまま受給資格期間になる。したがって、厚生年金保険に25年加入すれば受給資格期間を満たすことができる。
昭和31年4月1日以前に生まれた人は、共済年金及び厚生年金保険の年金の加入期間が20年から24年以上(単独、合算いずれも可)あれば、公的年金の加入期間が25年以上なくても、受給資格期間を満たすことができる。