養子縁組を使った相続対策と法規制・手続のポイント 【第22回】「養父母の死亡と親権」
親権は、子どもの身上に関する権利義務(身上監護権)と、子どもの財産についての権利義務(財産管理権)とで構成されており(民820・824)、実子の場合、実父母が共同親権者となる(民818①③)。子が養子であるときは、養親が親権者となる(民818②)。
配偶者のある者が未成年者を養子とするには、配偶者の連れ子を養子とするような場合を除き、配偶者とともに養子縁組しなければならないことから(民795)、養親が夫婦である場合には養父母が共同親権者となる(民818③)。なお、配偶者の連れ子を養子とした場合、養親と配偶者が共同親権者となる(民818③)。
養子縁組を使った相続対策と法規制・手続のポイント 【第21回】「離縁と親権」
甲は前夫と婚姻し、長女乙をもうけたが、数年後、乙の親権者を甲として前夫と離婚、その後、乙が7歳のときに丙と再婚した。丙は乙と普通養子縁組を行い、7年間、生活をともにしたが、甲丙は離婚することとなった。離婚時に乙は14歳であった。
養子縁組を使った相続対策と法規制・手続のポイント 【第20回】「虚偽の嫡出子出生届と養子縁組」
甲は乙と婚姻後、長年、子に恵まれなかったところ、地元紙の片隅に「急募、生まれたばかりの男の赤ちゃんを、わが子として育てる方を求む。某産婦人科医院」との広告を見つけた。早速、甲乙夫婦は某産婦人科医院を訪れ、某医師から赤ちゃん丙の斡旋を受け、甲乙夫婦の子として出生届を提出した。甲乙夫婦は自己の子のようにして丙を育てた。なお、某医師は、子に恵まれない夫婦に実子として赤ちゃんを斡旋するため、出生証明書を偽造していたもので、後にマスコミ等でも大きく取り上げられることとなった。
養子縁組を使った相続対策と法規制・手続のポイント 【第19回】「普通養子縁組から特別養子縁組への転換」
【問題①】
A男とB女とが婚姻し、子Cを授かったが、離婚。その後、B女はD男と再婚した。D男と子Cは養子縁組をしたが、A男が恐喝未遂罪で逮捕されたことから、D男としては、A男との関係を断つべく改めて子Cとの間で特別養子縁組を申し立てたいが認められるか。
養子縁組を使った相続対策と法規制・手続のポイント 【第18回】「遺言とその後の協議離縁」
連れ子を有する配偶者と婚姻した後、連れ子と養子縁組し、その後、離婚したような場合、その連れ子との縁組を解消しない限り、たとえ配偶者と離婚しても、その連れ子との縁組の効力には何ら影響を与えない。
そのため、将来の相続時に、連れ子に相続権が生じないようにするためには、配偶者との離婚とともに、連れ子との養子縁組も解消しておくべきである。
2016年株主総会における実務対応のポイント
2015年5月に改正会社法が施行され、同年6月にコーポレートガバナンス・コードの適用が開始された。2016年株主総会はこれらの改正対応については2年目となって、さらなるブラッシュアップが望まれることとなる。むしろ改正会社法やコーポレートガバナンス・コード対応は今年が本番といえるであろう。
養子縁組を使った相続対策と法規制・手続のポイント 【第17回】「養子と法定相続人(相続税の負担が不当に減少させる結果となる場合)」
相続税の計算を行うに当たり、①基礎控除額、②生命保険金及び死亡退職金の非課税限度額、③相続税の総額の計算については、民法の定める法定相続人の数を基準とする。
事例で検証する最新コンプライアンス問題 【第5回】「傾斜マンション事件-記録マネジメントの重要性」
2014年11月、横浜市都筑区で、鉄筋コンクリート造12階建、全4棟705戸の大規模マンション(本件マンション)の住民が、2つの棟をつなぐ渡り廊下の接合部の高さの差に気づいた。全長56mに対し、手摺で2.4センチ、床面で1.5センチの差であった。2007年12月に完成して、約7年が経過していた。
養子縁組を使った相続対策と法規制・手続のポイント 【第16回】「孫養子の相続税の節税効果」
相続、遺贈、相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得した人が、被相続人の一親等の血族(代襲相続人となった孫(直系卑属)を含む)及び配偶者以外の人である場合には、その者の相続税額にその相続税額の2割に相当する金額が加算され、これを相続税額の2割加算という。2割加算は、上記のような場合には、一世代飛び越すことで相続税の課税を1回分減らすことができることから、その税負担を調整するために設けられた制度である。
養子縁組を使った相続対策と法規制・手続のポイント 【第15回】「養子縁組前の養子の子が養親の直系卑属に当たる場合と代襲相続権」
代襲相続に関しては、民法887条2項但書により、被相続人の子の代襲相続人は、相続権を失った者の子であるとともに、被相続人の直系卑属でなければならないとされている。
その趣旨は、相続人である子が養子である場合に、その養子に被相続人との縁組前に生まれた子があるとき、当該子を被相続人の相続から除外するためとされている。つまり養子縁組時に養子にすでに子がいる場合、当該子は被相続人の直系卑属とはならないからである。