老コンサルタントが出会った『問題の多い相続』のお話 【第2回】「二次相続人が複雑!」~生前の妻の居宅売却がベストか否か?~
本件はご本人が私の「相続講演会」に参加され、自分の相続対策が遅れていると自覚し、事前相談に来られたことがきっかけとなりました。
ご本人は高齢(90歳)で、かつ、推定相続人は妻(84歳)、故長女(代襲相続人2人・いずれも成人)、長男、故二男(代襲相続人2人・いずれも未成年者)と、合計6名の複雑な係累でした。
〈小説〉『所得課税第三部門にて。』 【第17話】「航空機リース事件」
「あの・・・中尾統括官・・・所得税では所得の区分について、納税者と課税庁の間で多くの争いがありますよね・・・」
浅田調査官は、昼休みに新聞を読んでいる中尾統括官のところにやって来て、声をかける。
「所得の・・・区分か・・・」
中尾統括官は紙面から顔を上げ、渋い顔をしながら浅田調査官の顔を見る。
〈小説〉『所得課税第三部門にて。』 【第16話】「非居住者からの不動産売買」
「しかし、これは・・・なかなか難しい問題だな・・・」
浅田調査官は、腕を組んで、頸を傾げている。
「・・・何をひとりでつぶやいているんだ?」
昼食から戻った中尾統括官は、爪楊枝を加えながら、浅田調査官に尋ねる。
「はあ・・・非居住者から不動産を購入したときに、買主は売主に対して、源泉徴収をしなければならないという規定なんですけど・・・」
浅田調査官は中尾統括官を見る。
老コンサルタントが出会った『問題の多い相続』のお話 【第1回】「二次相続対策が進まない・・・」~自宅が小規模宅地特例不適用の危機に~
そんなコンサル業務の心構えの「原点」は、かつて銀行のコンサルタント時代に聞いた、当時の社長からの財務コンサルタントへの訓示でした。
それからの私はコンサルタントとして業務を行う際に、常に意識してその訓示を心がけてきました。そして、指導者として銀行の新任財務コンサルタントの研修の際には、必ずこの話を披露してきました。
〈小説〉『所得課税第三部門にて。』 【第15話】「修正申告と更正等予知前」
「統括官も・・・税務調査をされるんですか?」
浅田調査官は同情的な眼差しを向ける。
「・・・そうだ。統括官も年間2~3件ぐらいの税務調査をしなければならない。中間管理職は大変だ・・・」
中尾統括官は、ため息をつく。
「・・・もっとも、今から調査に行く納税者は、既に修正申告書を提出しているが・・・」
中尾統括官は苦笑する。
「えっ、税務調査が始まっていないのに・・・もう、修正申告書を出したのですか?」
浅田調査官は、呆れた顔をする。
〈小説〉『所得課税第三部門にて。』 【第14話】「内縁の妻と配偶者控除」
「統括官・・・どうして内縁の妻は、所得税法で配偶者控除の適用はないのでしょうか?」
浅田調査官は、中尾統括官に尋ねる。
昼休みで、今日も所得課税第三部門には2人しかいない。
「・・・配偶者控除の規定か・・・」
中尾統括官は、そう言いながら、税務六法を開く。
〈小説〉『所得課税第三部門にて。』 【第13話】「重加算税と延滞税」
「それで・・・納税者には修正申告を勧奨したの?」
中尾統括官は税務六法を手に取り、国税通則法74条の11第3項をみる。
〈小説〉『所得課税第三部門にて。』 【第12話】「土地・建物の一括譲渡の価額区分」
「中尾統括官、これって・・・どのように区分すれば合理的といえるのでしょうか・・・」
浅田調査官は、中尾統括官に尋ねる。
昼休みで、所得課税第三部門は2人以外、誰もいない。
新聞を読んでいた中尾統括官は、顔を上げる。
浅田調査官はすかさず契約書を差し出して説明する。
「これなんですが・・・売買価額は5億円と記載されているのです・・・」
〈小説〉『所得課税第三部門にて。』 【第11話】「サラリーマンと特定支出控除」
「中尾統括官、私はサラリーマンにも確定申告を認めればよいのではと・・・以前から思っていたのですが・・・これについて、どう思われますか?」
浅田調査官は中尾統括官に尋ねる。
所得課税第三部門は、皆、調査に出ているため、2人しかいない。
「・・・???・・・サラリーマンに・・・確定申告は認められているだろう?」
中尾統括官は怪訝そうな顔をする。
〈小説〉『所得課税第三部門にて。』 【第10話】「人生100年時代と賦課方式」
「中尾統括官・・・賦課方式って・・・なんですか?」
浅田調査官は遠慮がちに中尾統括官に尋ねる。
昼休みで新聞を読んでいた中尾統括官は顔を上げる。
「年金制度の・・・賦課方式のことかい・・・?」