決算短信の訂正事例から学ぶ実務の知識 【第14回】「「本人⇒代理人」の訂正がインフレ下で意味すること」
「収益認識に関する会計基準」が適用されてから、4年が経過しました。
公表された当初は“極めて難解”という印象が強かったこの会計基準も、今ではすっかり実務に定着したかのようです。
それでも、この会計基準が扱っている論点に関して、時折、誤処理が発生し、決算短信が訂正になるケースがみられます。
しかも、そうした論点のなかには、「収益認識に関する会計基準」が公表された当時においては予想されていなかった経済環境の変化により、新たな意味合いを帯びてきたものもあります。
その「経済環境の変化」とは、インフレです。
そして「新たな意味合いを帯びてきた論点」とは、本人と代理人の区別です。
リース会計基準を学ぶ 【第8回】「貸手のリースの会計処理①」
貸手の会計処理については、IFRS第16号「リース」及びTopic 842ともに抜本的な改正が行われていないため、次の点を除いて、基本的に、「リース取引に関する会計基準」(企業会計基準第13号)及び「リース取引に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第16号)の定めを踏襲している(リース会計基準BC13項、BC53項、リース適用指針BC98項)。
2025年3月期決算における会計処理の留意事項 【第5回】~米国の相互関税による会計処理等への影響~
2025年4月2日に米国のドナルド・トランプ大統領は、相互関税に関する大統領令を公表した。決算に当たって、当該大統領令による影響を検討する必要があるため、本解説では、相互関税による会計処理等への影響を解説する。
リース会計基準を学ぶ 【第7回】「借手のリースの会計処理③」-短期リース、少額リースなど-
「短期リース」とは、リース開始日において、借手のリース期間が12か月以内であり、購入オプションを含まないリースをいう(リース適用指針4項(2))。
借手は、短期リースについて、リース会計基準33項の定めにかかわらず、リース開始日に使用権資産及びリース負債を計上せず、借手のリース料を借手のリース期間にわたって原則として定額法により費用として計上することができる(リース適用指針20項、BC37項)。
リース会計基準を学ぶ 【第6回】「借手のリースの会計処理②」-借手のリース期間-
前回(第5回)に続き、借手のリースの会計処理について解説する。
今回は、借手のリース期間について解説する。
決算短信の訂正事例から学ぶ実務の知識 【第13回】「株主資本変動時の外形標準課税に注意」
会計処理を間違う取引には、共通点があります。
その1つが「非資金取引」という性質です。
非資金取引とは、おカネの出入りを伴わない取引という意味です。
おカネの出入りを伴う取引の場合は、比較的容易に間違いに気づきます。帳簿に記録された取引の金額が実際の入出金額と異なれば、預金等について、帳簿残高と預金等残高(実際の残高)の不突合が生じるからです。
一方で、非資金取引にはそのようなチェックをする機会がありません。したがって、会計処理の誤りが起こりやすいといえます。
ところが、なかにはお金の出入りがあるにもかかわらず、間違ってしまう取引もあります。
今回取り上げるのは、そのような取引の1つです。
2025年3月期決算における会計処理の留意事項 【第4回】
配当や自己株式の取得は、債権者保護の観点から、分配可能額を超えて行うことができないとされている(会社法461①)。しかし、昨今、分配可能額を超えた剰余金の配当や自己株式の取得が行われている事例が発生している。そのため、ここでは分配可能額の算定について、解説する。
計算書類作成に関する“うっかりミス”の事例と防止策 【第48回】「うっかりミスが何度も繰り返される箇所を要チェック②」~事業報告の「財産及び損益の状況」~
今回も前回に引き続き、うっかりミスの内容や原因ではなく、それが発生した場所に注目します。特に事業報告において、うっかりミスが繰り返し発生している箇所を整理していきたいと思います。
2025年3月期決算における会計処理の留意事項 【第3回】
本改正では、その他の包括利益に対して課税される場合の法人税等の計上区分、グループ法人税制が適用される場合の子会社株式等の売却に係る税効果の取扱いについて、改正が行われている。
リース会計基準を学ぶ 【第5回】「借手のリースの会計処理①」-使用権資産及びリース負債の計上額、借手のリース料、使用権資産の償却-
リース会計基準は、IFRS第16号と同様に、借手のリースの費用配分の方法について、リースがファイナンス・リースであるかオペレーティング・リースであるかにかかわらず、使用権資産に係る減価償却費及びリース負債に係る利息相当額を計上する単一の会計処理モデルを採用している(リース会計基準BC39項)。
このため、現行の「リース取引に関する会計基準」(企業会計基準第13号)に基づき、オペレーティング・リース取引として会計処理しているリース取引についても、リース会計基準では、基本的に、使用権資産及びリース負債を計上することになる。