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平成25年1月1日から改正国税通則法が施行され、1年が経過した。
この改正では、法施行後における税務調査手続等を円滑かつ適切に実施する観点から、その施行前である平成24年10月1日から事前通知、修正申告等の勧奨の際の教示文の交付手続等が「先行的取組」として実施されているが、改正国税通則法に基づく新しい税務調査制度が実施されて以降、税務調査の現場において、税務当局や納税者にどのような影響を及ぼしているのか、2回に分けて検証することとする。

「そうか・・・」
渕崎統括官は、田村上席の報告を静かに聞いている。
内藤建設の実施調査は、田村上席と山口調査官の2人で、3日間行われた。
渕崎統括官の横に置かれている小さなテーブルに、田村上席と山口調査官は、渕崎統括官と向かい合って座っている。
テーブルの上には、田村上席が作成した「検討事項一覧表」がある。
渕崎統括官は、その検討事項一覧表を見ながら、質問を続ける。
「例の・・・大手ゼネコンからの請負工事について、否認するのは無理なのですか?」

本件は、処分行政庁が、原告に対し平成12年5月1日から平成18年4月30日までの6年間にわたる各事業年度の間に、原告の従業員が関係業者からリベートとして受領していた手数料合計9,786万3,000円のうち、
(1) 平成13年4月期において609万9,000円を総勘定元帳の雑収入科目に計上しなかったとして、青色申告承認の取消処分を行い、
(2) 各事業年度において、本件手数料に係る収益を益金の額に算入せず法人税を申告し、
(3) 各事業年度に対応する各課税期間において、本件手数料を課税資産の譲渡の対価の額に算入せずに消費税等を申告した上、
(4) 本件手数料に係る収益を益金の額に算入せず、原告に属する手数料を費消して横領した従業員に対する損害賠償請求権の額を課税資産の譲渡等の対価の額に算入せずに隠ぺい又は仮装したとして更正処分及び各重加算税の賦課決定処分を行った
ところ、原告が、これらの収益は従業員個人に帰属するものであって、隠ぺい仮装を行った事実もないと主張して各処分の取消しを求めたという事案である。

渕崎統括官は少し苛々しながら、壁に掛かっている時計を見た。
午後6時を少しまわっている。
「遅いなあ・・・」
椅子に座りながら、呟く。
田村上席と山口調査官は、税務調査からまだ帰ってこない。
今日は2人で、河内税務署管内にある内藤建設の調査に出かけている。

延滞税及び利子税(以下「延滞税等」という)は、滞納を防止し、期限内に納付した納税者との間の税負担の公平を確保する観点から設けられたもので、債務不履行に対する遅延利息的なものである。
その延滞税及び利子税について、平成25年度税制改正により、平成11年度の税制改正以来、14年ぶりの税率引下げが行われた。併せて国からの還付金等に付される還付加算金についても引下げが行われ、地方税の延滞金、還付加算金についても同様の措置がとられる。今回の改正の背景には、低金利の時勢や納税者の負担軽減という狙いがある。

「そうか・・・蔵本さんも今年が定年で、退職されたのか・・・」
渕崎統括官が椅子にもたれながら、「定期人事異動速報」を見ている。
蔵本は統括官で、この7月の人事異動で退職している。

「この「同意書」を提出していなかったので・・・」
山口調査官は、渕崎統括官に説明する。
山口調査官の右手には、「調査の終了の際の手続に関する納税義務者の同意書」がある。
「そうか・・・それは仕方ないな」

「ということは・・・」
山口調査官は、少し考えながら、言葉を続けた。
「・・・もし、支給者である徴収義務者が受給者に対して源泉所得税を徴収しなかった場合でも、受給者は、本来支払うべき源泉所得税を、確定申告から控除をすることができるんですね」
山口調査官は、田村上席の顔を見て、確認する。

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