金融・投資商品の税務Q&A 【Q54】「証券投資信託の収益の分配金に係る確定申告と分配時調整外国税相当額控除」
外国の株式に投資している日本の証券投資信託を保有していますが、令和2年1月1日以降に支払われる分配金から、外国の所得税と日本の所得税の二重課税が生じないように調整されるようになったと聞きました。
この調整に関して、確定申告をする際に、個人投資家側ではどのような手続きが必要となるのでしょうか。
さっと読める! 実務必須の[重要税務判例] 【第58回】「りんご生産組合事件」~最判平成13年7月13日(集民202号673頁)~
A組合は、りんごの生産等を行うために設立された、民法上の組合である。A組合では、過去の経緯から、「管理者」(非組合員)がりんごの生産指導を行い、雇用された「一般作業員」(多くは非組合員)と、管理者の補助をしつつ一般作業員と共に作業もする「専従者」(組合員)とが、りんごの生産作業を行う体制となっていた。
Xは、A組合の組合員であり、A組合の総会で専従者に選任されていた。なお、管理者及び専従者の労賃は、労務費として計上されていた。
Xは、A組合から受け取った労賃は給与所得に該当するものとして、所得税の確定申告をしたが、Y税務署長は、当該労賃は事業所得に該当するとして、更正処分を行った。Xがこれを争ったのが、本件である。
租税争訟レポート 【第48回】「居住者の認定を巡る無申告加算税・不納付加算税賦課決定処分と納税告知処分(第一審:東京地方裁判所2019(令和1)年5月30日判決、控訴審:東京高等裁判所2019(令和1)年11月27日判決)」
本件は、下記の第1事件及び第3事件について、原告B社及び原告C社が、各納税告知処分及び第1・3事件各賦課決定処分の取消しを求め、第2事件について、原告Aが各通知処分及び第2事件各賦課決定処分の取消しを求める事案である。
原告Aは、自らが所得税法2条1項5号の「非居住者」に該当するとの認識のもと、平成21年分から平成24年分について、いずれも確定申告期限までに所得税の申告をしなかったところ、同項3号の「居住者」に該当するとして所轄税務署長から期限後申告を勧奨されたため、各年分の所得税について期限後申告を行った上で、平成23年及び平成24年分の所得税について更正の請求をしたが、所轄税務署長から、いずれも更正をすべき理由がない旨の通知を受け、さらに、各年分の所得税の無申告加算税に係る賦課決定処分を受けた。
原告Aが代表取締役を務める原告B社及び原告C社は、原告Aに対して支払った役員報酬について、原告Aが同項5号の「非居住者」に該当するとの前提で所得税を源泉徴収して納付していたところ、所轄税務署長から、原告Aが同項3号の「居住者」に該当するとして、平成21年11月から平成24年12月までの各月分の源泉徴収に係る所得税の納税告知処分及び不納付加算税の各賦課決定処分(以下「第1・3事件各賦課決定処分」という。)を受けた。
国外財産・非居住者をめぐる税務Q&A 【第39回】「国外源泉所得について現地で還付があった場合の外国税額控除」
私は日本の居住者ですが、このたび外国に所有している不動産を売却しました。売却時には現地国の税金が源泉徴収され、その分については日本の確定申告で外国税額控除されました。
この源泉徴収された分は、現地で確定申告をすると還付されるそうですが、この還付される税金については、どのように処理をすればいいのですか。現地で還付申告をした年には、外国税額を納付していません。
措置法40条(公益法人等へ財産を寄附した場合の譲渡所得の非課税措置)を理解するポイント 【第20回】「寄附財産が寄附日から2年以内に譲渡されても非課税措置を継続適用できる場合」
譲渡所得の非課税措置を受けるためには、寄附財産が、その寄附日から2年を経過する日までの期間内に寄附を受けた公益法人等の公益目的事業の用に直接供され、又は供される見込みである必要があります。
ただし、この2年の期間内に寄附を受けた公益法人等が贈与を受けた寄附財産を譲渡しても、非課税措置の適用が可能な場合があると聞きました。どのような場合でしょうか。
金融・投資商品の税務Q&A 【Q53】「特定口座で保有する証券投資信託に係る外国所得税の二重課税調整」
外国の株式に投資している日本の証券投資信託を保有していますが、令和2年1月1日以降に支払われる分配金から、外国の所得税と日本の所得税の二重課税が生じないように調整されるようになったと聞きました。具体的にはどのような調整が行われるのでしょうか。
また、その調整に関して、源泉徴収ありの特定口座で証券投資信託を保有する個人投資家側で必要となる手続きはありますか。
さっと読める! 実務必須の[重要税務判例] 【第57回】「借入金利子事件」~最判平成4年7月14日(民集46巻5号492頁)~
Xは、Aから、自己の居住用として本件土地建物を購入し、B銀行から資金を借り入れて、購入代金3,000万円を支払った。資金の借入から51日後に、Xは、本件土地建物を自己の居住の用に供した。Xは、数年の間、B銀行に借入金の分割返済を行い、併せて当該借入金についての利子の支払も行った。
その後、Xは、Cに対し、本件土地建物を売却した。その際の譲渡益につき、所得税の確定申告において、B銀行に支払った借入金利子の全額を取得費に算入した。これに対し、Y税務署長は、取得費に算入できるのは、資金の借入から本件土地建物を自己の居住の用に供するまでの51日間に対応する利子38万円のみであるとして、Xに対し、更正処分をした。そこで、Xが更正処分の取消しを求めて提訴したのが本件である。
国外財産・非居住者をめぐる税務Q&A 【第38回】「国外居住扶養親族を立証するための送金関係書類の該当性」
確定申告書の作成にあたって、外国にいる親族について扶養控除を適用しようと思っています。数人の家族の生活費をまとめて1人の口座に送金し、その支払いの明細書を添付した場合、誰に支払うかは分かりますから、扶養控除も人数分できますか。そんなに大きな金額ではないので、実際には問題にならないようにも思えますが、いかがでしょうか。
措置法40条(公益法人等へ財産を寄附した場合の譲渡所得の非課税措置)を理解するポイント 【第19回】「期限内の公益目的事業供用が困難な場合の「やむを得ない事情」とは」
譲渡所得の非課税措置を受けるためには、寄附財産が、その寄附日から2年を経過する日までの期間内に寄附を受けた公益法人等の公益目的事業の用に直接供され、又は供される見込みである必要があります。
この「2年」という期間について、延長等の例外措置はないのでしょうか。