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[無料公開中]〔Q&A・取扱通達からみた〕適格請求書等保存方式(インボイス方式)の実務 【第1回】「適格請求書発行事業者の登録制度」

筆者:島添 浩

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〔Q&A・取扱通達からみた〕

適格請求書等保存方式(インボイス方式)の実務

【第1回】

「適格請求書発行事業者の登録制度」

 

アースタックス税理士法人
税理士 島添 浩

 

-はじめに-

2018年6月13日、「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」(以下、本連載では『インボイスQ&A』という)及び「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関する取扱通達」(以下、本連載では『インボイス通達』という)が公表され、それに伴う「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関する申請書の様式」も公表された(これらの公表と同時に「消費税の軽減税率制度に関する申告書等の様式の制定について」の一部改正についても公表されている)。

今回公表された「インボイスQ&A」については、平成35年10月1日より施行される適格請求書等保存方式(インボイス方式)の法令等の基本的内容を踏まえ、今回公表された「インボイス通達」により明確になった事項も含めた実務的に重要となる論点をQ&A形式で解説している。

具体的には、適格請求書等保存方式の概要、適格請求書発行事業者の登録制度、適格請求書発行事業者の義務等、適格請求書等保存方式の下での仕入税額控除の要件に区分して解説されており、本連載では、これらの情報により明確化された内容のうち重要な項目について整理・解説を行うこととしたい。

【第1回】は適格請求書発行事業者の登録制度に関する項目を取り上げる。

 

① 登録申請書を提出することができる事業者インボイス通達2-1

適格請求書発行事業者の登録については、課税事業者に限られるのであるが、免税事業者であっても、以下のような場合には申請を行うことができる。

免税事業者が課税事業者となる課税期間の初日から登録を受けようとするときは、原則として、当該課税期間の初日の前日から起算して1月前の日までに登録申請書を提出しなければならない。

(イ) 翌課税期間から課税事業者となる場合

(ロ) 消費税課税事業者選択届出書を提出して課税事業者となる場合

 

② 登録に係る経過措置インボイス通達5-1

免税事業者が登録を受けるためには、原則として、消費税課税事業者選択届出書を提出し、課税事業者となる必要があるが、登録日が平成35年10月1日の属する課税期間中である場合は、課税選択届出書を提出しなくても、登録を受けることができる。

この場合においては、登録を受けた日から課税事業者となることから以下のようになる。

●課税期間の初日から登録日の前日まで:免税事業者

●登録日から課税期間の末日まで:課税事業者

 

③ 適格請求書発行事業者の登録の効力インボイス通達2-4

適格請求書発行事業者の登録は、適格請求書発行事業者登録簿に登載された日(以下「登録日」という)からその効力を有するのであるから、登録等の通知による通知を受けた日にかかわらず、適格請求書発行事業者は、登録日以後に行った課税資産の譲渡等について適格請求書を交付することとなることなる。

ただし、登録日から登録の通知を受けた日までの間に行った課税資産の譲渡等について、既に請求書等の書類を交付している場合には、当該通知を受けた日以後に登録番号等を相手方に書面等(既に交付した書類との相互の関連が明確であり、当該書面等の交付を受ける事業者が同項各号に掲げる事項を適正に認識できるものに限る)で通知することにより、これらの書類等を合わせて適格請求書の記載事項を満たすことができる。

 

④ 新設法人等の登録時期の特例インボイス通達2-2

免税事業者である新設法人の場合、事業を開始した日の属する課税期間の末日までに、消費税課税選択届出書を提出すれば、その事業を開始した日の属する課税期間の初日から課税事業者となることができる。

この場合において、新設法人が、事業を開始した日の属する課税期間の初日から登録を受けようとする旨を記載した登録申請書を、事業を開始した日の属する課税期間の末日までに提出した場合において、税務署長により適格請求書発行事業者登録簿への登載が行われたときは、その課税期間の初日に登録を受けたものとみなされる。

 

⑤ 登録の取りやめインボイス通達2-1

適格請求書発行事業者は、納税地を所轄する税務署長に「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」(以下「登録取消届出書」という)を提出することにより、適格請求書発行事業者の登録の効力を失わせることができる。

なお、この場合、原則として、登録取消届出書の提出があった日の属する課税期間の翌課税期間の初日に登録の効力が失われることとなるが、登録取消届出書を、その提出のあった日の属する課税期間の末日から起算して30日前の日から、その課税期間の末日までの間に提出した場合は、その提出があった日の属する課税期間の翌々課税期間の初日に登録の効力が失われることとなるので注意が必要である。

 

⑥ 適格請求書発行事業者が免税事業者となる場合インボイス通達2-5

適格請求書発行事業者は、その基準期間における課税売上高が1,000万円以下となった場合でも免税事業者とはならない。

 

⑦ 登録番号の構成インボイス通達2-3

登録番号の構成は、以下のとおりである。

(イ) 法人番号を有する課税事業者

「T」(ローマ字)+法人番号(数字13桁)

(ロ) (イ)以外の課税事業者(個人事業者、人格のない社団等)

「T」(ローマ字)+数字13桁(注)

(注) 13桁の数字には、マイナンバー(個人番号)は用いず、法人番号とも重複しない事業者ごとの番号となる。

 

(了)

この連載の公開日程は、下記の連載目次をご覧ください。

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筆者紹介

  • 島添 浩

    (しまぞえ・ひろし)

    アースタックス税理士法人 代表社員
    http://www.earth-tax.com/
    税理士・CFP

    1991年中央大学商学部会計学科卒業。大手生命保険会社、会計事務所での勤務を経て2000年に税理士登録(島添税務会計事務所設立)。事務所の規模を拡大し、2006年アースタックス税理士法人を設立し代表社員に就任。

    現在、一般企業の税務顧問業の他、企業再編や相続事業承継対策など経営コンサルティング業務にも従事し、豊富な実務経験を活かして税法実務セミナーの講演(最近では「消費税法95%ルールの見直しで変わる消費税実務」、「消費税率変更に伴う実務対応ポイント」など)や執筆も数多くこなしている。

    また、1998年より資格の学校TACにて税理士講座、税法実務講座、FP講座にて税法の講師も務めており、実務に役立つ実践的な講義を行っている。

    【著書・論文】
    ・『みんなが知りたかった! 老後のお金』監修(TAC出版)
    ・『税率変更後に留意すべき消費税の実務』(税務研究会)
    ・『Q&A 改正消費税の経過措置と転嫁・価格表示の実務』共著(清文社)
    ・『イギリスの住宅・不動産税制』共著(財団法人日本住宅総合センター)
    ・『所得税入門講義』(TAC)
    ・『やるぞ!年収300万円からの確定申告』(株式会社リオ)
    ・「所得税・住民税の税率変更」『税経セミナー』(2007年3月号)
    ・「消費税法における仕入税額控除の適用要件について」『国士舘法研論集』(第3号)
    など

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