消費税の軽減税率を検証する
【第5回】
「軽減税率による減収と
さらなる標準税率の引上げ」
税理士 金井 恵美子
平成26年6月11日の税制調査会会議においては、ほとんどの委員、特別委員が、軽減税率の導入に反対する発言をし(※1)、7月2日には、日本経済団体連合会、日本商工会議所、経済同友会、日本百貨店協会、日本チェーンストア協会、日本スーパーマーケット協会、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会、全国商店街振興組合連合会の9団体は、連名で「消費税の複数税率導入に反対する意見」を公表し、「複数税率制度は導入せず、単一税率を維持すべきである」と主張した。
(※1) 平成26年6月11日第9回税制調査会議事録。ただし、現税制調査会には、消費税の税率構造についての答申はない。
また、平成26年12月30日の27年度与党大綱の公表を受け、同日、日本商工会議所の三村会頭は「導入すべきでない。」(※2)、日本経済団体連合会の榊原会長は「慎重に検討することが必要」(※3)とコメントした。
(※2) 「平成27年度与党税制改正大綱について(三村会頭コメント)」(日本商工会議所)
(※3) 「平成27年度与党税制改正大綱に関する榊原会長コメント」(日本経済団体連合会)
これらの理由は、軽減税率の導入は、消費税の公平、中立、簡素という良い特徴を後退させるからである。
軽減税率の問題点は、次のように指摘することができる。
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