〈徹底分析〉
租税回避事案の最新傾向
【第12回】
「支配関係が生じてから5年を経過するまで待つ行為」
公認会計士 佐藤 信祐
14 支配関係が生じてから5年を経過するまで待つ行為
(1) 問題の所在
支配関係発生日から合併事業年度開始の日までの期間が5年未満である場合において、みなし共同事業要件を満たさないときは、繰越欠損金の引継制限・使用制限及び特定資産譲渡等損失額の損金不算入が課される(法法57③④、62の7①)。
そのため、支配関係発生日から合併事業年度開始の日までの期間が5年を経過するまで待ってから適格合併を行うといった事案が考えられる。なぜなら、繰越欠損金は9年間又は10年間の繰越しが認められていることから(法法57①)、最後の4年間又は5年間の時間差を利用して、繰越欠損金を利用することができるからである。
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