〈平成29年度改正対応〉
所得拡大促進税制の実務
【第1回】
「制度の基礎を理解する」
公認会計士・税理士 鯨岡 健太郎
1 はじめに
平成25年度の税制改正で所得拡大促進税制(雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除)が導入されてから既に4年が経過した。同税制は、日本経済をめぐる積年の課題である「デフレ脱却からの安定的な経済成長の達成」のために、特に雇用環境及び個人所得水準の改善を通じた経済活性化を促すために創設されたものである。
本税制の特徴は、経済活性化対策の一環として、一層の賃上げを促進すべく毎年のように改正が行われたことから、年度によって本税制の適用要件等が微妙に異なっているという点にある。また、賃上げの促進については継続的な取り組みが必要との認識から、制度創設当初、本税制の適用は3年間とされていたところ、翌年度(平成26年度)の税制改正において早速、適用期限が2年延長されたというのも特徴的である。
かねてより筆者は本誌において、本税制をテーマとした連載記事のほか、税制改正や新たな通達等の発遣の都度、速報解説記事も執筆してきた。その結果、本税制に関する情報は、おおむね、これまでの執筆記事に反映されていると確信しているが、記事が分散しているため検索が煩雑になっているという指摘もある。
そこで本連載では、最新の税制改正の状況も踏まえ、本税制に関する過去の記事を統合し全体的に見直しを行うこととした。
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