平成26年1月から施行される
「国外財産調書制度」の実務と留意点
【第4回】
税理士法人トーマツ
パートナー
税理士 小林 正彦
(第1章 制度の概要・1-3 制度創設の背景)
((3) 国外財産報告制度の実効性の裏付けとなる他制度の整備)
ロ 国外送金調書の提出対象範囲の拡大
税務当局にとって、国外に所在する財産に関する情報を把握することは困難であるが、国外で財産を購入するためには何らかの形で資金を国外に送金する必要があり、資金が国外に出た情報を把握することによって、その後の調査における申告漏れ国外財産把握の端緒とすることは可能である。
我が国では、平成9年に国外送金調書の提出が義務化され、当初は1回200万円超の送金が対象であったが、平成21年4月以降は100万円超に範囲が拡大された。1回当たり100万円を超える国外送金をすると、送金を依頼した金融機関から国税当局へ国外送金調書が提出される。
国外送金調書だけでは、送金した後に国外において何に使われたのかは分からないが、所得税や相続税の調査の際に、それが課税漏れ所得や課税漏れ財産を把握する端緒になり得る。
金融機関から提出された送金調書の記載により、送金した金額や送金先口座名義人は明らかであるから、質問された者は何のための送金か、また、もし自分の口座や親族への送金であれば答えなくてはいけない。
回答がない場合や回答の信憑性に疑義がある場合には、送金先の相手国が租税条約相手国や情報交換協定相手国である場合は、国税当局は相手国当局に調査を依頼することができる。
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