公開日: 2013/05/16 (掲載号:No.19)
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国外財産調書に関する通達の発遣について

筆者: 小林 正彦

国外財産調書に関する

通達の発遣について

 

税理士法人トーマツ
パートナー
税理士 小林 正彦

 

1 はじめに

国税庁は、平成25年3月29日付け「内国税の適正な確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律(国外財産調書関係)の取扱いについて(法令解釈通達)」(以下「本通達」)を発遣した。

国外財産調書制度とは、平成24年度税制改正により導入された制度であり、各年の12月31日に5,000万円を超える国外財産を保有する居住者(非永住者を除く)に対して、翌年3月15日までに、保有する国外財産の内容を記載した報告書を所轄税務署長に提出することを義務付けるものであり、平成26年1月1日以降提出すべき調書から適用となる。

なお、本制度の詳細については、拙稿「「国外財産調書制度」の実務と留意点」(全8回)を参照いただきたい。

【参考】 「平成26年1月から施行される「国外財産調書制度」の実務と留意点」

【第1回】
【第2回】
【第3回】
【第4回】
【第5回】
【第6回】
【第7回】
【第8回】

本稿では以下、本通達の内容のうち、留意すべき点を中心に解説する。

【注】 平成25年度送金等法改正との関係
社債・株式等有価証券に係る所在の判定については、平成24年改正においては発行法人の所在によるとしていたため、外国法人の発行した社債や株式は国内の金融機関の営業所で保管されていても国外財産として報告する必要があったが、平成25年改正において、国内にある金融機関の営業所の振替口座簿に記載され又はその口座に保管の委託がされているものについてはその営業所等の所在によることとされたため、報告の必要がなくなった(送金等令10②、平成26年1月1日施行)。この改正に対する取扱いについては、本通達では「別途定める」としている。

 

2 財産等の定義

(1) 対象となる「財産」の定義

「財産」とは「金銭に見積もることができる経済的価値のある全てのものをいう。」とされた。

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国外財産調書に関する

通達の発遣について

 

税理士法人トーマツ
パートナー
税理士 小林 正彦

 

1 はじめに

国税庁は、平成25年3月29日付け「内国税の適正な確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律(国外財産調書関係)の取扱いについて(法令解釈通達)」(以下「本通達」)を発遣した。

国外財産調書制度とは、平成24年度税制改正により導入された制度であり、各年の12月31日に5,000万円を超える国外財産を保有する居住者(非永住者を除く)に対して、翌年3月15日までに、保有する国外財産の内容を記載した報告書を所轄税務署長に提出することを義務付けるものであり、平成26年1月1日以降提出すべき調書から適用となる。

なお、本制度の詳細については、拙稿「「国外財産調書制度」の実務と留意点」(全8回)を参照いただきたい。

【参考】 「平成26年1月から施行される「国外財産調書制度」の実務と留意点」

【第1回】
【第2回】
【第3回】
【第4回】
【第5回】
【第6回】
【第7回】
【第8回】

本稿では以下、本通達の内容のうち、留意すべき点を中心に解説する。

【注】 平成25年度送金等法改正との関係
社債・株式等有価証券に係る所在の判定については、平成24年改正においては発行法人の所在によるとしていたため、外国法人の発行した社債や株式は国内の金融機関の営業所で保管されていても国外財産として報告する必要があったが、平成25年改正において、国内にある金融機関の営業所の振替口座簿に記載され又はその口座に保管の委託がされているものについてはその営業所等の所在によることとされたため、報告の必要がなくなった(送金等令10②、平成26年1月1日施行)。この改正に対する取扱いについては、本通達では「別途定める」としている。

 

2 財産等の定義

(1) 対象となる「財産」の定義

「財産」とは「金銭に見積もることができる経済的価値のある全てのものをいう。」とされた。

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連載目次

「平成26年1月から施行される「国外財産調書制度」の実務と留意点」(全8回)

筆者紹介

小林 正彦

(こばやし・まさひこ)

デロイト トーマツ税理士法人 東京事務所
移転価格サービス
パートナー/税理士

1957年生まれ
長野県松本市出身

【職歴】
・1980年4月東京国税局採用
・1980年から2006年まで、国税庁、東京国税局調査部、東京国税局管内税務署において移転価格・相互協議、APA審査、法人税調査、所得税調査、源泉税調査事務等国際課税関係事務を中心に幅広い国税に関する実務を経験
・2006年7月税大研究部教授を最後に国税庁を退官、税理士法人トーマツに入社
・2008年7月パートナー就任
・現在、移転価格サービス所属パートナー、租税争訟支援サービスチームのヘッドとして、移転価格を含む税務調査対応、不服申立て、移転価格プランニング、APA申請、相互協議等に幅広い分野に関するコンサルティング業務に従事

【著書】
・『平成25年1月施行の実務に対応!税務調査のすべてQ&A』共著(清文社)

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