『IFRS適用レポート』を受けて
「IFRSの適用と会計システムの影響」を再考する
公認会計士 坂尾 栄治
公認会計士 小田 恭彦
▷「IFRS適用レポート」の公表を受けて
2014年6月24日に閣議決定された「『日本再興戦略』改訂2014」において、「IFRSの任意適用企業がIFRS移行時の課題をどのように乗り越えたのか、また、移行によるメリットにどのようなものがあったのか、等について、実態調査・ヒアリングを行い、IFRSへの移行を検討している企業の参考とするため、『IFRS適用レポート(仮称)』として公表するなどの対応を進める。」とされたことを受けて、2015年4月15日に金融庁より「IFRS適用レポート」が公表されました。
当該レポートでは、IFRSの任意適用企業(適用予定企業を含む)69社へのアンケート(回答企業は65社)および28社に対してのヒアリングに基づくIFRSへの移行に際しての課題や対応へのメリットについてとりまとめられていますので、レポートの内容を受けて、以前に本誌上で連載した「IFRSの適用と会計システムの影響」の内容を再考してみようと思います。
「IFRSの適用と会計システムへの影響」(全5回)
▷IFRSを適用するメリット ⇒レポートP4
「IFRSの適用と会計システムの影響」【第1回】では、「IFRSをめぐる現状」としてIFRSを適用するメリットについて大きくは以下の3つがあると考えられる旨記述しました。
1.グローバルマネーの呼び込み
2.自社に有利な会計処理の適用
3.連結財務諸表作成やグループ経営管理の効率化
「IFRS適用レポート」では、IFRSの任意適用を決定した理由又は移行前に想定していた主なメリットについて以下の項目から選択する形で解答を求めており、IFRSの任意適用を決定した理由又は移行前に想定していた主なメリットとして1位に順位付けした項目別の回答数は以下のようになります。
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