国際課税レポート

【第21回】
「多国籍企業課税制度と課税ベース」
~ワールドワイドvsテリトリアル~
税理士 岡 直樹
(公財)東京財団上席フェロー
多国籍企業の課税制度(二重課税の排除措置)は、親会社所在国が子会社の所得を課税上どう扱うかという点をめぐって、次の2分法で語られてきた。
- 「ワールドワイド課税」:子会社の所得だが、親会社にとって未実現(まだ配当等されていないため)の所得の親会社段階(親会社居住地国)での合算課税+外国税額控除。
- 「テリトリアル課税」:親会社段階(親会社居住地国)での国外所得免除方式。
(注) いずれの方式でも、子会社所在国では子会社に源泉地国課税が行われる(軽課税とする場合もある)が、親会社所在国での国外所得の取扱いが異なる。
しかし、課税ベースの考え方、実体がある場合のカーブアウト、外国税額控除等の設計によって、現実の各国の制度におけるこれら制度の境界線には“でこぼこ”がある。
以下では、各国の具体的な制度として、米国のSubpart F、日本のタックスヘイブン対策税制(CFC税制)、OECD Pillar 2(IIR)、米国のGILTI及びその後継制度であるNCTI(いわば新GILTI税制)を取り上げ、これら多国籍企業課税ルールの設計について整理し、併せて、本年6月にG7が合意したPillar 2と米国制度の“共存” (※)の多国籍企業課税制度における本質を探ることとする。
(※) 詳しくは、本連載の【第18回】「G7共存システムの具体化とピラー2」参照。
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