「従業員の解雇」をめぐる
企業実務とリスク対応
【第7回】
「普通解雇③」
~出勤不良、体調不良による解雇~
弁護士 鈴木 郁子
1 はじめに
~「欠勤の理由は何か?」を確認することから始まる~
欠勤は従業員の権利ではない。欠勤は理由があれば当然に許されると考えている従業員もいるが、誤解である。欠勤が継続すれば、労務提供義務の債務不履行に当たり、普通解雇原因となり得る。とはいえ、欠勤の理由如何によって、解雇しやすさ、会社が現実になすべき対応は、大きく異なってくる。
まず、欠勤は、大きく分けると、
① 無断欠勤・正当な理由のない欠勤
② 正当な理由のある欠勤
また、「正当な理由のある欠勤」の代表的なものは「病欠」であるが、この「病欠」も
① 私傷病による欠勤
② 業務起因の傷病による欠勤
以下、これらのケースに分けて企業側の対応を解説していくが、欠勤の場合、普通解雇だけではなく、懲戒解雇、休職、行方不明退職、有給休暇など他の制度との関係も問題となってくるところ、実務上、その関係や位置づけがよく理解されておらず、混乱しているケースが多々見られるので、それらについても簡単に触れることにしたい。
なお、実際の解雇にあたっては、①解雇制限に違反しないこと、②解雇手続の履践は当然必要となるが、この点については【第4回】を参照されたい。
2 無断欠勤・理由のない欠勤
(1) 解雇事由となり得るか
無断欠勤・理由のない欠勤は、労務提供義務の不履行として普通解雇事由となり、また、職場の秩序維持違反として懲戒事由、場合によっては懲戒解雇事由となり得る。
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