年俸制と裁量労働制
【第1回】
「給与の支払方法(年俸制)と
労働時間管理の方法(裁量労働制)は別物」
なりさわ社会保険労務士事務所 代表
特定社会保険労務士 成澤 紀美
年俸制と裁量労働制の違いを正しく理解する
「うちは年俸制で給与を支払い、裁量労働制を導入しているので残業代を支払っていない」という声をよく耳にする。特に設立間もない企業や、比較的小規模な企業で顕著であるように感じられる。
「年俸制」とは月給制・日給月給制など賃金の支払方法の一つであり、「裁量労働制」は労働時間管理方法の一つである。
年俸制は賃金の支払方法の一つであるために規制はないが、裁量労働制は労働基準法に定められた内容に基づいて運用する必要がある。基本的には、裁量労働制適用者には年俸制を適用するという関連性を持たせてもよいものではあるが、いわゆる固定費=人件費を削減する目的だけで年俸制を導入し、割増賃金が適正に支払われないという状況は避けなければならない。
年俸制でも割増賃金の支払いは必要
年俸制と裁量労働制を組み合わせて導入している場合、勤務時間には社員に裁量性を持たせ、給与額を年額で定めて年俸制として支給し、この年俸額には割増賃金(時間外勤務・深夜勤務・休日出勤)が含まれているとして、年俸額を超えた割増賃金を支給しないケースがある。
この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員登録およびログインが必要です。
すでに会員登録をされている方は、下記ボタンからログインのうえ、ご覧ください。
Profession Journalのすべての記事をご覧いただくには、「プレミアム会員(有料)」へのご登録が必要となります。
なお、『速報解説』については「一般会員(無料)」へのご登録でも、ご覧いただけます。
※他にもWebセミナー受け放題のスーパープレミアム会員などがございます。
会員登録がお済みでない方は、下記会員登録のボタンより、ご登録のお手続きをお願いいたします。