社外取締役の教科書
【第1回】
「社外取締役制度のねらいとは何か?(目的論)」
クレド法律事務所
駒澤大学法科大学院非常勤講師
弁護士 栗田 祐太郎
1 はじめに
最近の新聞や経済誌の見出しを眺めてみると、「社外取締役」という言葉を目にする機会が非常に多い。
しかし、
- その具体的内容は何か?
- なぜ社外取締役の導入が声高に叫ばれているのか?
- 「社外」の取締役とはどのような立場の者か?
等々、漠然としたイメージだけでは答えの出ない問題も多い。
社外取締役を巡る現状は、ここ数年で目まぐるしい変化・発展を重ねている。
本連載では、すでに複雑なものとなっている社外取締役制度について一通りの知識を体系的に整理し、ビジネスパーソンあるいは会社と関わりが深い士業にとっての「教科書」となることを目標に解説したい。
なお、本連載において今後予定している項目は次の通りである。
(1) 社外取締役制度の狙いとは何か?-導入の目的 (今回)
(2) 「社外」取締役になれるのは誰か?-要件論
(3) 社外取締役の職務・活動内容
(4) 社外取締役をどう確保するか?-人材確保・マッチング
(5) 社外取締役の法的責任・賠償責任-著名事件の紹介
(6) 責任限定契約・会社役員賠償責任保険(D&O保険)について
(7) 社外取締役に士業が就任する場合の注意点
(8) 今後の動向について
2 社外取締役制度の“ねらい”とは何か? -導入の目的
解説の出発点として、そもそも「社外取締役」とは何を目指すものなのかを簡単に確認したい。
結論を先に述べれば、その目的は、
- 「ガバナンスの強化」
- 「社外のノウハウ・知見の取り入れ」
という2点に集約できる。
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