公開日: 2014/06/05 (掲載号:No.72)
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会社を成長させる「会計力」 【第10回】「終わりなきリスクマネジメントへの取組み」

筆者: 島崎 憲明

会社を成長させる「会計力」

【第10回】

「終わりなきリスクマネジメントへの取組み」

 

島崎 憲明

 

《経営改革に成功した総合商社のリスク管理》

総合商社5社の2014年3期の連結純損益は、

  • 三菱商事 4,447億円
  • 三井物産 4,221億円
  • 伊藤忠商事 3,102億円
  • 住友商事 2,230億円
  • 丸紅 2,109億円

となり、各社のROEも資本コストを大幅に上回る高パフォーマンスとなった。

総合商社が業績を伸ばしてきた背景として、資源・エネルギー関連の収益が大きく寄与していることが指摘されるが、2000年初めからのダイナミックな経営改革の実行により、総合商社の収益力が改善されたことに注目すべきであろう。
つまり、資本コストを意識し、「低リスク低リターン」取引から「高リスク高リターン」取引へ、「リスクのないところにリターンはない」、「リスクとリターンはトレードオフの関係にある」という認識への変化である。

これは、「リスクを回避する経営」から、「リスクを取り、リスクを管理する経営」への転換であった。

総合商社各社はアニュアルレポートにおいて、リスクマネジメントへの取組みについて詳説しており、住友商事では2004年度、2007年度、2013年度のアニュアルレポートでリスクマネジメントの特集を組んでいる。

そのうち2004年度では、高度なリスク管理ができてこそ、複雑かつ多様なビジネスを行う資格があるとして、次のように説明している。

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会社を成長させる「会計力」

【第10回】

「終わりなきリスクマネジメントへの取組み」

 

島崎 憲明

 

《経営改革に成功した総合商社のリスク管理》

総合商社5社の2014年3期の連結純損益は、

  • 三菱商事 4,447億円
  • 三井物産 4,221億円
  • 伊藤忠商事 3,102億円
  • 住友商事 2,230億円
  • 丸紅 2,109億円

となり、各社のROEも資本コストを大幅に上回る高パフォーマンスとなった。

総合商社が業績を伸ばしてきた背景として、資源・エネルギー関連の収益が大きく寄与していることが指摘されるが、2000年初めからのダイナミックな経営改革の実行により、総合商社の収益力が改善されたことに注目すべきであろう。
つまり、資本コストを意識し、「低リスク低リターン」取引から「高リスク高リターン」取引へ、「リスクのないところにリターンはない」、「リスクとリターンはトレードオフの関係にある」という認識への変化である。

これは、「リスクを回避する経営」から、「リスクを取り、リスクを管理する経営」への転換であった。

総合商社各社はアニュアルレポートにおいて、リスクマネジメントへの取組みについて詳説しており、住友商事では2004年度、2007年度、2013年度のアニュアルレポートでリスクマネジメントの特集を組んでいる。

そのうち2004年度では、高度なリスク管理ができてこそ、複雑かつ多様なビジネスを行う資格があるとして、次のように説明している。

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連載目次

筆者紹介

島崎 憲明

(しまざき・のりあき)

1969年住友商事株式会社入社。米国住友商事ニューヨーク駐在、住友商事主計部長を経て1998年取締役就任、2005年より代表取締役副社長執行役員、2009年特別顧問就任、2013年6月退任。2009年1月国際会計基準委員会財団(現IFRS財団)トラスティ就任、2013年6月末辞任。

これまでに経団連資本市場部会長、企業会計部会長、金融庁企業会計審議会委員、金融審議会委員・部会長代理を務める。

現在は、金融庁政策評価有識者会議委員、一般財団法人会計教育研修機構理事、日本証券業協会公益理事・自主規制会議議長などを引続き務める。2013年8月にIFRS財団アジア・オセアニアオフィスアドバイザー、日本公認会計士協会顧問に就任。

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