〔検証〕
適時開示からみた企業実態
【事例6】
株式会社シャープ
「ストック・オプション(新株予約権)の割当てに関するお知らせ」
(2016.5.12)
事業創造大学院大学 准教授
鈴木 広樹
1 今回の適時開示
今回取り上げる適時開示は、シャープ株式会社(以下「シャープ」という)が平成28年5月12日に開示した「ストック・オプション(新株予約権)の割当てに関するお知らせ」である。
台湾の鴻海精密工業の子会社となる予定であるシャープについては(平成28年2月25日開示「第三者割当による新株式の発行並びに親会社、主要株主である筆頭株主及び主要株主の異動に関するお知らせ」参照)、現時点でシャープ自体による開示はないものの、鴻海精密工業の意向による人員削減が行われるようであるという報道がなされている(例えば、平成28年5月14日付日本経済新聞では「シャープに人員削減要求-鴻海が3000人規模、士気低下も」という記事が掲載されている)。
そのように今後どうなるかわからない状況のなか、人材の流出が進んでいるようであり、平成28年4月29日に開示した「B種種類株式の取得及び役職員向けインセンティブプログラムの導入方針に関するお知らせ」において、「当社の再生・成長に必要な人材の維持・獲得のため、株式を活用したインセンティブプログラムを導入する方針を決議しました」としていた。
その株式を活用したインセンティブプログラムが、今回取り上げる適時開示で示されているストック・オプションである。
2 目的は?
シャープが導入することにしたストック・オプションは、新株予約権(会社から株式を取得することができる権利)を利用するものであり、「新株予約権の発行要領」ではその新株予約権の特徴が以下のように示されている。
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