〔知っておきたいプロの視点〕
病院・医院の経営改善
─ポイントはここだ!─
【第9回】
「緩和ケア病棟の魅力」
東京医科歯科大学医学部附属病院
特任講師 井上 貴裕
1 緩和ケア病棟の地域差と充足率
がん対策基本法が制定されるなど、がん医療は今日の医療政策の重点課題であり、今後さらに重要な領域となることが予想される。
かつてはがん医療といえば手術を想起させることが多かったが、今日は集学的治療がその中心である。また、価値観の多様化により、緩和ケアはがん医療にとって不可欠な領域であり、ホスピスによるケアを希望する患者も少なくない。
このような状況で、緩和ケア病棟は地域差が大きく人口当たり病床数及び病院数の最大と最小の都道府県には、それぞれ8.3倍と12倍の差がある(図表1)。
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