公開日: 2013/04/18 (掲載号:No.15)
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〔知っておきたいプロの視点〕病院・医院の経営改善─ポイントはここだ!─ 【第6回】「DPCⅡ群病院の意義」

筆者: 井上 貴裕

〔知っておきたいプロの視点〕

病院・医院の経営改善

─ポイントはここだ!─

【第6回】

「DPCⅡ群病院の意義」

 

東京医科歯科大学医学部附属病院
特任講師 井上 貴裕

 

1 基礎係数による新たな評価

2012年度診療報酬改定によって、DPC/PDPSにおける医療機関別係数に変更が加えられた。

従来の「機能評価係数Ⅰ+機能評価係数Ⅱ+調整係数」による評価から、「機能評価係数Ⅰ+機能評価係数Ⅱ+暫定調整係数+基礎係数」とされた。特に基礎係数という新たな評価が始まったことは新たな一歩を踏み出したことになる。

基礎係数は、病院の基礎体力を評価したものであり、3つの病院群が設定され、各群ごとに係数の設定が行われた。Ⅰ群は大学病院本院であり(全国80病院、基礎係数:1.1565)、Ⅱ群は高診療密度病院群(全国約80病院、基礎係数:1.0840)、その他がⅢ群とされた(全国約1,300病院、基礎係数:1.0422)。このような格付けによる係数設定は、史上初めてのことである。

従来も地域医療支援病院やがん診療連携拠点病院などの評価は存在したが、その承認にあたっては政策的な意味合いもあり地域格差などもあり必ずしも公平なものではなかった。しかし、基礎係数はDPC参加病院が同じフォーマットのデータを提出し、全国一律の基準で評価が行われたことは注目に値する。

 

2 Ⅱ群病院の特徴

2012年度診療報酬改定によるⅡ群とⅢ群の基礎係数は4%程度の違いであり、暫定調整係数も存在するため、必ずしもⅡ群が係数全体で有利になるとは限らない。むしろⅡ群で下の方にいるよりは、Ⅲ群で上位に位置した方が経済的には有利になることもありえる。しかしながら、今後、2018年に向けて暫定調整係数は段階的に廃止されると、基礎係数の重みは増すことが予想される。

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─ポイントはここだ!─

【第6回】

「DPCⅡ群病院の意義」

 

東京医科歯科大学医学部附属病院
特任講師 井上 貴裕

 

1 基礎係数による新たな評価

2012年度診療報酬改定によって、DPC/PDPSにおける医療機関別係数に変更が加えられた。

従来の「機能評価係数Ⅰ+機能評価係数Ⅱ+調整係数」による評価から、「機能評価係数Ⅰ+機能評価係数Ⅱ+暫定調整係数+基礎係数」とされた。特に基礎係数という新たな評価が始まったことは新たな一歩を踏み出したことになる。

基礎係数は、病院の基礎体力を評価したものであり、3つの病院群が設定され、各群ごとに係数の設定が行われた。Ⅰ群は大学病院本院であり(全国80病院、基礎係数:1.1565)、Ⅱ群は高診療密度病院群(全国約80病院、基礎係数:1.0840)、その他がⅢ群とされた(全国約1,300病院、基礎係数:1.0422)。このような格付けによる係数設定は、史上初めてのことである。

従来も地域医療支援病院やがん診療連携拠点病院などの評価は存在したが、その承認にあたっては政策的な意味合いもあり地域格差などもあり必ずしも公平なものではなかった。しかし、基礎係数はDPC参加病院が同じフォーマットのデータを提出し、全国一律の基準で評価が行われたことは注目に値する。

 

2 Ⅱ群病院の特徴

2012年度診療報酬改定によるⅡ群とⅢ群の基礎係数は4%程度の違いであり、暫定調整係数も存在するため、必ずしもⅡ群が係数全体で有利になるとは限らない。むしろⅡ群で下の方にいるよりは、Ⅲ群で上位に位置した方が経済的には有利になることもありえる。しかしながら、今後、2018年に向けて暫定調整係数は段階的に廃止されると、基礎係数の重みは増すことが予想される。

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連載目次

「〔知っておきたいプロの視点〕病院・医院の経営改善─ポイントはここだ!」(全24回)

筆者紹介

井上 貴裕

(いのうえ・たかひろ)

東京医科歯科大学医学部附属病院特任講師、病院長補佐

医療政策学修士(MMA、東京医科歯科大学大学院)、経営学修士(MBA)
医療法人の副理事長、大手監査法人を経て、現在は、長野市民病院、武蔵野赤十字病院、山形県立中央病院、諏訪赤十字病院、君津中央病院等のアドバイザーとして地域中核病院の経営を支えている。
また、東京医科歯科大学医学部附属病院の病院長の経営参謀を勤めている。

【主な著書】
〔清文社〕
・『病院経営』(分担執筆)2010年4月
・『戦略的 病院経営マネジメント~医療の質と経済性の両立をめざす』(編著)2014年6月
〔日本医療企画〕
・『日本の医療関連サービス』2010年5月
・『診療科別・病院経営戦略の理論と実践』、2012年2月
・『診療報酬制度と医業収益』2012年7月
・『だれでもわかる!医療現場のための病院経営のしくみ2』(分担執筆)2011年5月
・『医療経営白書2009年度版~DPC時代の戦略的病院経営~』2009年10月
・『医療経営白書2010年度版~病院グループの戦略的経営』2010年9月
〔メディカ出版〕
・『学び直しのマネジメント基礎科目 国・数・英』2011年12月
・『算定もれ・持ち出しゼロの診療報酬マネジメントBOOK』2012年8月号

 

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