確定拠出年金制度の改正をめぐる今後の展望」
【第4回】
「今回改正案に盛られたこと①」
特定非営利活動法人確定拠出年金総合研究所(NPO DC総研)
理事長 秦 穣治
今回からは図表を交えながら、今回改正に盛り込まれた内容を説明していく。また、それぞれの課題についても簡単に触れる。
【第4回】 今回改正案に盛られたこと①(本稿)
1 中小企業対象「簡易型DC制度」創設
2 個人型DCへの「小規模事業主掛金納付制度」の創設
3 拠出限度額の年単位化
4 個人型DCの加入対象拡大と新個人型DC拠出限度額
【第5回】 今回改正案に盛られたこと②(次回)
5 企業型DCの新拠出限度額&自助努力の選択肢
6 制度間のポータビリティの拡充
7 その他の措置
1 中小企業対象「簡易型DC制度」創設
- 対象者
100名以下の小規模企業
- 加入者
国民年金第2号被保険者のみ
- 掛金
低額(月額5,000円以下など)の固定掛金
- 商品数
固定(法令上の最低提供数3に制限など)
- 資産移換
DBや退職金からの移換はできない
通常DCへの資産移換は可能
- 導入時必要書類の簡素化と金融機関等による申請等事務手続きが可能
- 制度固定化による運営コストの削減
- 投資教育の共同実施による負担軽減
企業年金連合会等による投資教育の共同実施
総論としては悪くない内容と思われる。なぜなら、100人以下の小企業の場合、DC制度の新規導入に関し、
- 事業主は事務手続き等の煩雑さで、金銭以外の理由でも躊躇する
- 運営管理機関(運管)も採算的に厳しいため、積極的な営業ができない
というのが実情であり、本来であればできる限り幅広く加入者を増加させるべきDC制度において、一種のブラックホールとなっているからである。
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