公開日: 2015/06/11 (掲載号:No.123)
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確定拠出年金制度の改正をめぐる今後の展望 【第4回】「今回改正案に盛られたこと①」

筆者: 秦 穣治

確定拠出年金制度の改正をめぐる今後の展望」

【第4回】

「今回改正案に盛られたこと①」

 

特定非営利活動法人確定拠出年金総合研究所(NPO DC総研)
理事長 秦 穣治

 

今回からは図表を交えながら、今回改正に盛り込まれた内容を説明していく。また、それぞれの課題についても簡単に触れる。

【第4回】 今回改正案に盛られたこと①(本稿)

1 中小企業対象「簡易型DC制度」創設

2 個人型DCへの「小規模事業主掛金納付制度」の創設

3 拠出限度額の年単位化

4 個人型DCの加入対象拡大と新個人型DC拠出限度額

【第5回】 今回改正案に盛られたこと②(次回)

5 企業型DCの新拠出限度額&自助努力の選択肢

6 制度間のポータビリティの拡充

7 その他の措置

 

1 中小企業対象「簡易型DC制度」創設

  • 対象者
    100名以下の小規模企業
  • 加入者
    国民年金第2号被保険者のみ
  • 掛金
    低額(月額5,000円以下など)の固定掛金
  • 商品数
    固定(法令上の最低提供数3に制限など)
  • 資産移換
    DBや退職金からの移換はできない
    通常DCへの資産移換は可能
  • 導入時必要書類の簡素化と金融機関等による申請等事務手続きが可能
  • 制度固定化による運営コストの削減
  • 投資教育の共同実施による負担軽減
    企業年金連合会等による投資教育の共同実施

総論としては悪くない内容と思われる。なぜなら、100人以下の小企業の場合、DC制度の新規導入に関し、

  • 事業主は事務手続き等の煩雑さで、金銭以外の理由でも躊躇する
  • 運営管理機関(運管)も採算的に厳しいため、積極的な営業ができない

というのが実情であり、本来であればできる限り幅広く加入者を増加させるべきDC制度において、一種のブラックホールとなっているからである。

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確定拠出年金制度の改正をめぐる今後の展望」

【第4回】

「今回改正案に盛られたこと①」

 

特定非営利活動法人確定拠出年金総合研究所(NPO DC総研)
理事長 秦 穣治

 

今回からは図表を交えながら、今回改正に盛り込まれた内容を説明していく。また、それぞれの課題についても簡単に触れる。

【第4回】 今回改正案に盛られたこと①(本稿)

1 中小企業対象「簡易型DC制度」創設

2 個人型DCへの「小規模事業主掛金納付制度」の創設

3 拠出限度額の年単位化

4 個人型DCの加入対象拡大と新個人型DC拠出限度額

【第5回】 今回改正案に盛られたこと②(次回)

5 企業型DCの新拠出限度額&自助努力の選択肢

6 制度間のポータビリティの拡充

7 その他の措置

 

1 中小企業対象「簡易型DC制度」創設

  • 対象者
    100名以下の小規模企業
  • 加入者
    国民年金第2号被保険者のみ
  • 掛金
    低額(月額5,000円以下など)の固定掛金
  • 商品数
    固定(法令上の最低提供数3に制限など)
  • 資産移換
    DBや退職金からの移換はできない
    通常DCへの資産移換は可能
  • 導入時必要書類の簡素化と金融機関等による申請等事務手続きが可能
  • 制度固定化による運営コストの削減
  • 投資教育の共同実施による負担軽減
    企業年金連合会等による投資教育の共同実施

総論としては悪くない内容と思われる。なぜなら、100人以下の小企業の場合、DC制度の新規導入に関し、

  • 事業主は事務手続き等の煩雑さで、金銭以外の理由でも躊躇する
  • 運営管理機関(運管)も採算的に厳しいため、積極的な営業ができない

というのが実情であり、本来であればできる限り幅広く加入者を増加させるべきDC制度において、一種のブラックホールとなっているからである。

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連載目次

「確定拠出年金制度の改正をめぐる今後の展望」(全6回)

【第1回】 今回改正の背景と全体像

1 改正の背景

2 改正の全体像

【第2回】 今回改正が意味すること①

1 退職給付企業年金(DB)・確定拠出企業年金(DC)共通の問題

2 DCの資産運用に関し追加予定の諸規制

3 DC投資教育に関する新しい整理

【第3回】 今回改正が意味すること②

4 実施のスピード感

5 運営管理機関をはじめとする金融機関の反応

【第4回】 今回法改正案に盛り込まれたこと①

1 中小企業対象「簡易型DC制度」創設

2 個人型DCへの「小規模事業主掛金納付制度」の創設

3 拠出限度額の年単位化

4 個人型DCの加入対象拡大と新個人型DC拠出限度額

【第5回】 今回法改正案に盛り込まれたこと②

5 企業型DCの新拠出限度額&自助努力の選択肢

6 制度間のポータビリティの拡充

7 その他の措置

【第6回】 今後検討されること

1 DB・DC合算での拠出限度額

2 DB・DC共通の給付ルール

3 新DC個人型の問題

4 商品除外問題

5 指定運用方法の設定(デフォルト設定)

筆者紹介

秦 穣治

(はた・じょうじ)

特定非営利活動法人確定拠出年金総合研究所(NPO DC総研)
理事長

1969年4月
旧富士銀行、現みずほ銀行入社
本店営業部・ニューヨーク支店・大阪営業部・国際営業部など、主として大企業及び国際関係ビジネスに携わる。

1998年5月
サンデン(株)入社
経営企画部部長、人事本部部長、総務人事本部本部長歴任。日本における確定拠出企業年金導入の最先発企業となる。

2007年4月
(株)想研取締役
NPO確定拠出年金教育協会専務理事

2008年4月
(株)クライテリア代表取締役
NPO確定拠出年金教育協会専務理事

2013年2月
プルーデント・ジャパン(株)プルーデント退職年金研究所理事長
NPO確定拠出年金総合研究所理事長

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