税務判例を読むための税法の学び方【40】
〔第5章〕法令用語
(その26)
立正大学法学部准教授
税理士 長島 弘
14 不確定概念と宥恕規定
④ 基本的な宥恕規定「『正当な理由』、『やむを得ない理由』と『やむを得ない事情』」
第37回では、宥恕規定の例をいくつか示したが、今回は、この宥恕規定の基本的な表現である「正当な理由」、「やむを得ない理由」と「やむを得ない事情」について、それぞれ見ていこう。
(1) 「正当な理由」
「正当な理由」の「正当」とは何であろうか。
「正当」は、正しいこと、道理にかなっていることで、「適法」が法令にかなっていることを表す概念なのに対し、「正当」は、一般的な正しさや、正当性を指すものといえる。
前々回「不当」は、通常形式的には法令に違反しないが、その内容が実質的にみて妥当ではないことを表すときに使われると書いた。すなわち、通常は、違法ではないが正当ではない「不当」という領域が存在することになる(前回「「不当」ではあるが「違法」ではない領域がある」と書いたのはこの意味である)のであるから、これを裏返せば、単に違法ではないのみならず、正当性が問われることになる。
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