税務判例を読むための税法の学び方【43】
〔第6章〕判例の見方
(その1)
立正大学法学部准教授
税理士 長島 弘
1 「判例」の意義
① 判例の基本的意義(裁判所の「判断(又は「判断に基づく意見」)」を指す)
本連載の第1回「第1章「法(法源)の種類」-5「不文法の種類」-②「判例法」」において、判例とは、先例として機能する裁判例のことで、ある事件に対し下された判決の中で示された一般的規準が先例として規範化され、その後の同種の事件においても同じ内容の判決が下されるようになることから、この一般的に承認されるに至った判決(裁判所の判断)を判例(法)という旨記した。
そして続けて、判例は他の裁判官の法解釈を拘束することになり、一種の法規範として事実上法源性を有することから、単なる裁判例は区別して呼ぶ必要がある旨も記した。
そこで示しているように、判決(裁判所の判断)の中で、一般的に承認されるに至ったものを「判例」、そのような法源性を持たないものを「裁判例」と分けるべき旨記したが、一般的にこの区別は明確にはなされていない。
さらにこの法源性を有するに至った判決(裁判所の判断)を指すにしても、それがその判決全体を指すのか、判決の理由として示された判断を指すのか、裁判所の基本的な法律的な考え方を指すのか、明らかではない。
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