税務判例を読むための税法の学び方【44】
〔第6章〕判例の見方
(その2)
立正大学法学部准教授
税理士 長島 弘
1 「判例」の意義
① 判例の基本的意義(裁判所の「判断(又は「判断に基づく意見」)」を指す) 【前回参照】
② 判例の基本的意義(具体的な特定の事件の判断を指す)
前回、「判例」とは、裁判で示された裁判所の「判断」を指すと記した。
では、どのような「判断」を指すのかについて見ていこう。
よく「判例は〇〇説をとっている」というような表現を耳にすることがある。こういう場合の「〇〇説」は抽象的な概念のはずである。しかしながら「判例」とは本来は具体的なものであって、抽象的なものではない。
というのも、前回示した裁判所法第10条第3号には「憲法その他の法令の解釈適用について、意見が前に最高裁判所のした裁判に反するとき」とあった。これは、前にあった「最高裁判所のした裁判」が、具体的な事例として存在していることを意味する。
同じことは民事訴訟規則(最高裁判所規則第5号)及び刑事訴訟規則(最高裁判所規則第8号)の規定からも理解できる。
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