税務判例を読むための税法の学び方【45】
〔第6章〕判例の見方
(その3)
立正大学法学部准教授
税理士 長島 弘
2 「判例」の範囲
① 法律的判断の態様
前回、判決の結果を導いた論点に対する法律的判断の核心部分が「判例」である旨記した。
では、具体的にどのようなものが、この「判例」に含まれる法律的判断になるのであろうか。
この法律的判断は、通常は当事者の主張に答えるという形で述べられるか、あるいは裁判所自ら取り上げた問題点(論点)について述べられる。そして、その場合は結論だけでなく理由付けも詳細に示されることが多いことから、このように意識的に論点とされたものについて述べられた法律的判断だけが判例であるように思われやすい。
例えば刑事事件において被告人の行為に一定の法条を適用することは、まさにその事実がその法条に該当するという法律的判断を示したものにほかならない。これは税法も同様であり、例えば納税者のある事物や行為を課税するということは、その事物や行為がその法条に該当することから課税要件として課税物件に該当するという法律的判断を示したものにほかならない。
そこに特段の説明が付されていない場合もあり、特段意識されないこともあるが、これも1つの法律的判断として「判例」となりうる。
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