税務判例を読むための税法の学び方【49】
〔第6章〕判例の見方
(その7)
立正大学法学部准教授
税理士 長島 弘
③ 民事訴訟と刑事訴訟
裁判の種類といった場合、最も一般的な分類が、刑事訴訟(刑事裁判)と民事訴訟(民事裁判)に分類するものであろう。
そこで今回は、この分類について説明する。
なお「裁判」と「訴訟」の差異はあまり意識されていないが、まず「裁判」は、日常用語としては、裁判所で行われる手続自体を「裁判」ということが多い。しかし法律用語としては、裁判所が法定の形式に従い、当事者に対して示す判断(又はその判断を表示する手続上の行為)をいうものである。
また訴訟は、紛争について国家等の司法権を有する第三者を関与させ、その判断を仰ぐことで紛争を解決すること、又はそのための手続のことである。したがって裁判所で行われたとしても、当事者の話し合いで解決を図る調停や仲裁、和解などとは区別される。
したがって「訴訟」はこの「裁判」を含む手続全体、「裁判」は「訴訟」における裁判所が主体となっている部分を中心とした概念ということになろうか。しかしその差異について明確にすることに実益はないので、ほぼ同義語として、民事訴訟と刑事訴訟の分類を、民事裁判と刑事裁判の分類と同義として進めていく。
では、まず民事訴訟と刑事訴訟といった分類は、裁判(訴訟)の何による分類なのかについてである。
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