税務判例を読むための税法の学び方【70】
〔第8章〕判決を読む
(その6)
立正大学法学部准教授
税理士 長島 弘
連載の目次はこちら
(2 判決をみるポイント)
(② 結果を左右した要素を見極める)
((3) 判決の示した「一般的法命題」は何か)
(承前)
前回【第69回】にて、判決において一般的法命題が示されない場合があり、それを「事例判決」という旨記した。
そこで今回は事例判決の例を見てみよう。
ストックオプションの所得区分に関する最高裁判決(最高裁第三小法廷平成17年1月25日判決)を、裁判所HPの裁判例情報から入手して読んでいただきたい。
判決の理由として、「1」の原審の適法に確定した事実関係の概要、「2」の事案の説明に続き、「3」に判断の根拠を述べている。
そしてこれに続く「4」に結論がきているが、この結論のどこにも一般的法命題は記されていない。
こういう判決を「事例判決」といい、最高裁判決ではあっても判例として機能する部分は極めて限られるものである。一般的法命題がない以上、その射程は判決の事案と同じ内容の事案のみに限られるのである。
そしてこの判決は、以下のように2つの部分に分けられる。
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