税務判例を読むための税法の学び方【7】
〔第3章〕法令間の矛盾抵触とそれを解決する原埋
(その2)
自由が丘産能短期大学専任講師
税理士 長島 弘
3 特別法優先の原理
形式的効力を同じくする法令間において、ある事柄について一般的に規定した法令がありながら、同じ事柄について特別の「事項、場合、対象、地域など」を限定してその一般的に規定した法令と異なる内容を規定した法令がある場合には、この両者は、一般法と特別法の関係にある(前者が一般法、後者が特別法)という。
特別法の規定があるときには、その特別法の対象となっている事項、場合、対象、地域などに関しては、その特別法の規定が優先的に適用され、この特別法の定めと矛盾抵触しない限度において一般法の規定が適用されることになる。これを特別法優先の原理という。法格言として、「特別法は一般法に優先する。」ともいわれる。
ここで注意すべきことは、一般法、特別法の概念は相対的なものであり、ある法令に対しては一般法であるが他の法令に対しては特別法になる場合もあるという点である。
税法の例でいえば、国税通則法(ただしその名称と異なり通則的内容というよりも手続規定としての性格も強いため、
しかし、租税特別措置法は所得税法や法人税法の特例を定めた法律であるため、租税特別措置法との関係においては、所得税法や法人税法等の個別の税法が一般法、租税特別措置法が特別法ということになる。
4 後法優先の原理
後法優先の原理は、形式的効力を同じくする法令の規定が相互に矛盾抵触する内容のものであるときには、後から制定された法令の規定が、前に制定された法令の規定に優先する(その限りで前に制定された法令の規定は改廃されたものとなる)とする原理をいう。上記特別法優先の原理によって解決できない場合に、この原理が適用される。
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