検索結果

詳細検索絞り込み

ジャンル

公開日

  • #
  • #

筆者

並び順

検索範囲

検索結果の表示

検索結果 10482 件 / 7771 ~ 7780 件目を表示

連載『消費税の軽減税率を検証する』(税理士/金井恵美子 著)を期間限定で無料公開します!

連載『消費税の軽減税率を検証する』を 期間限定(~12/4)で無料公開します! ※公開期間は終了しました。 来月の税制改正大綱とりまとめへ向け、消費税軽減税率の制度設計について政府内で模索が続いていますが、このたび本年6月から10月にかけ本誌プロフェッションジャーナルで掲載された金井恵美子税理士による連載『消費税の軽減税率を検証する』を、12月4日(金)まで期間限定で無料公開いたします。 ※公開期間は終了しました。 実務家の目線から、この制度について鋭い検証を行った人気連載です。この機会にぜひご覧下さい。 なお、その他の無料公開記事については[こちら]をご覧下さい。

#Profession Journal 編集部
2015/11/25

《速報解説》 金融庁、「平成26年度有価証券報告書レビューの重点テーマ審査及び情報等活用審査の実施結果について」を公表~減損処理等で新規の指摘事項も~

《速報解説》 金融庁、「平成26年度有価証券報告書レビューの重点テーマ審査及び 情報等活用審査の実施結果について」を公表 ~減損処理等で新規の指摘事項も~   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 平成27年11月20日、金融庁は「平成26年度有価証券報告書レビューの重点テーマ審査及び情報等活用審査の実施結果について」を公表した。 有価証券報告書の作成に当たっては、これらに記載されている事項に特に注意する必要があると考えられる。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 実施結果の主な内容 「重点テーマ審査」として、次の項目を取り上げている。 「情報等活用審査」として、適時開示や報道、提供された情報等を勘案し、審査対象会社を抽出している。 1 レビュー結果の概要 「別紙」において、以下のように、有価証券報告書の記載が適切でないと考えられる事例を紹介している。 従来から指摘されている事項のほか、アンダーラインについては、新規に指摘された事項である。 2 レビューの実施方法 財務局等からの質問内容には、以下のような観点も反映しているとのことである。 有価証券報告書などの作成に際しては、以下の観点にも注意が必要であると考えられる。 (了)

#No. 144(掲載号)
#阿部 光成
2015/11/24

プロフェッションジャーナル No.145が公開されました!~今週のお薦め記事~

2015年11月19日(木)AM10:30、 プロフェッションジャーナル  No.145を公開! プロフェッションジャーナルのリーフレットは 全国のTAC校舎で配布しています! -「イケプロが実践するPJの活用術」「第一線で活躍するプロフェッションからPJに寄せられた声」を掲載!-   - ご 案 内 - プロフェッションジャーナルの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》は随時公開します。

#Profession Journal 編集部
2015/11/19

日本の企業税制 【第25回】「『法人税改革』早期完了への道筋」

日本の企業税制 【第25回】 「『法人税改革』早期完了への道筋」   一般社団法人日本経済団体連合会 常務理事 阿部 泰久     1 はじめに 平成28年度税制改正をめぐっては、消費税の軽減税率導入が最大の焦点ではあるが、以前述べたとおり、法人税改革についても重要な課題となっている。 もともと、平成27年度改正において、法人実効税率を平成27年度に32.11%、平成28年度では31.33%まで引き下げることを決めた上で、「28年度改正においても、課税ベースの拡大等により財源を確保して、28 年度における税率引下げ幅のさらなる上乗せを図る。さらに、その後の年度の税制改正においても、法人実効税率を20%台まで引き下げることを目指して、改革を継続する。」とされていた。 また、本年6月に閣議決定された骨太の方針及び日本再興戦略改訂版では、「現在進めている成長志向の法人税改革をできるだけ早期に完了する」ことが明記されており、平成28年度税制改正においても、法人税改革が課題となっている。   2 財源問題を解決する3つの方策 「28 年度における税率引下げ幅のさらなる上乗せを図る」としても、課税ベース拡大によって、法人税の中からある程度の財源をそろえなければ、実効税率を引き下げることはできない。 問題は「その財源をどこに見出すか」であるが、大きく言って3つしかない。 第1は政策税制(租税特別措置)の見直し、第2は減価償却制度の見直し、第3は法人事業税の外形標準課税のさらなる拡大である。 いずれも、平成29年度税制改正では検討されるはずのことではあったが、平成28年度税制改正に前倒しできるものがはたしてどれだけあるのか。 (1) 政策税制(租税特別措置)の見直し 政策税制(租税特別措置)の見直しは、常に議論となるものではあるが、大部分の租税特別措置には期限が付されており、期限前の縮減・廃止はあり得ない。期限の付されていないものは、租税特別措置法に定められてはいるが、実際には法人税の基本的制度と考えてよいものであり、見直しの対象とすること自体が困難である。 平成27年度末で期限を迎える法人税関係の租税特別措置をすべて合わせても実効税率を有意に下げるほどの財源にはならない。額的に大きなものは、生産性向上設備投資促進税制の縮減を当初予定通りに行うかであり、約1,000億円の財源となる。 【生産性向上設備投資促進税制の縮減】 (2) 減価償却制度の見直し もともと平成29年度改正では、減価償却制度の定額法一本化が大きな課題となる予定であった。しかし、アベノミクスの第2ステージの第1の矢であるGDP600兆円の実現のためには設備投資の持続的な増大が不可欠であり、まさに「官民対話」において民間設備投資の拡大が議論されているところである。 とりわけ機械・装置については、投資コストの回収は企業の競争力に大きな影響を与え、現行定率法の廃止は新規設備投資を抑制する恐れを否定できない。また、船舶・航空機・車両においては、リース定率法の否定は関係産業の存続を脅かすことにもなる。 そこで、見直しの対象となり得るのは建物附属設備及び構築物でしかなく、定額法強制で約1,000億円の財源となる。 【減価償却制度の見直し】 (3) 外形標準課税のさらなる拡大 外形標準課税については、平成27年度税制改正により段階的に拡大される途上にあるが、赤字企業が負担増となることはもちろん、黒字企業でも収益が低ければ負担増となる場合が多い。平成28年度までの拡大の結果を踏まえ、その影響を十分に精査した上でなければ、外形標準課税のさらなる拡充を検討することはできない。 また、資本金1億円以下の法人への適用対象の拡大は、赤字法人が7割を占める中小法人に対する深刻な影響を考えれば、選択肢とはなり得ない。   3 平成28年度にどこまで引き下げられるのか 以上のような状況から、平成28年度税制改正において財源として可能性があるのは合わせて2,000億円程度である。この制約を前提としながら、経団連では財務省主税局、総務省自治税務局との折衝を続けているが、この範囲で確実にできることは、国税の法人税率を23.9%から23.5%まで引き下げ、実効税率で30.88%とすることまでである。 もちろん、財源を拠出する範囲でしか税率が下げられないわけではない。足下では法人税収入は順調に伸びており、平成27年度においても当初見込み10兆9,900億円から少なくとも4,000億円程度は上振れするものと思われる。あえて言えば、平成27年度税制改正における先行減税は、税収の「自然増」を見込んでいたものである。 「官民対話」の中で、経団連は民間設備投資の拡大や、政府からの要請を受け3度目となる賃金引上げのための環境整備として、平成28年度税制改正におけるさらなる法人実効税率の引下げを求めているところである。   4 平成29年度では確実に20%台を いずれにせよ、本当の山場は平成29年度税制改正である。 しかし、平成29年度において、生産性向上設備投資促進税制の完全廃止や、研究開発税制の抜本的見直しをはじめとする政策税制の大規模な整理、さらには減価償却制度のさらなる見直しを行うとしても、実効税率では29%台の後半が視野に入ることにしかならない。また、研究開発税制の縮減や減価償却方法の見直しは、日本企業の競争力を損なうことにもなりかねない。 少なくとも28%程度にまで法人実効税率を引き下げようとするならば、法人事業税の外形標準課税のさらなる拡大を検討しなければならないが、これを検討課題に上げるには、「日本経済の好循環」が本当のものとなっていなければならない。 そのためにも、成長戦略としての法人税改革は、平成29年度までを見通しながらの議論が不可欠である。 【法人税改革の全体像(イメージ)】 ※画像をクリックすると、別ページで拡大表示されます。 (※) (P)=未定 (出典) 経団連資料より (了)  

#No. 145(掲載号)
#阿部 泰久
2015/11/19

平成28年施行の金融所得一体課税と3月決算法人の実務上の留意点 【第1回】「改正趣旨と公社債等の利子・譲渡損益に対する課税方式の見直し」

平成28年施行の金融所得一体課税と 3月決算法人の実務上の留意点 【第1回】 「改正趣旨と公社債等の利子・譲渡損益に対する課税方式の見直し」   税理士 芦川 洋祐     Ⅰ 改正趣旨の再確認 我が国は、少子高齢化とそれに伴う人口減少の影響により「貯蓄を行う年齢層」に比べて「貯蓄を取り崩す年齢層」の割合が増加する傾向にあり、今後、投資に回る資金が減少することが予測されている。 また、我が国は、先進国の中でも家計金融資産に占める株式や株式投資信託の割合が特に低く、このことが我が国経済の活力を維持するための弊害となると考えられている。 〈家計の資産構成〉 ※画像をクリックすると、別ページでPDFファイルが開きます。 (出典) 「資金循環の日米欧比較」(日本銀行調査統計局、2015年9月30日)p2 そこで、我が国における株式や株式投資信託への積極的な投資を促進するために、平成25年度税制改正において、下記の趣旨を念頭に「金融所得課税の一体化」が決定され、平成28年1月1日から施行されることとなった。   Ⅱ 公社債等の利子・譲渡損益に対する課税方式の見直し 1 課税方式の均衡化 現行の所得税法では、株式等の譲渡益が課税対象となる一方で、公社債の譲渡益は非課税となる等、金融商品の性質によって課税対象や課税方法が異なっている。上記Ⅰの改正趣旨に鑑み、金融商品から生じる所得を一体化して課税することとされた。 2 損益通算の範囲の拡大 特定公社債及び公募公社債投資信託から生じる利子所得及び譲渡損益については、上場株式及び公募株式投資信託から生じる配当所得及び譲渡損益と損益通算できることとされた。 一方、非上場株式及び私募株式投資信託から生じる譲渡損益については、上場株式及び公募株式投資信託から生じる配当所得及び譲渡損益との損益通算ができないこととされた。 3 割引債の課税方式の変更 割引債の償還及び譲渡により生じる所得については特定公社債又は一般公社債の譲渡所得等に区分され、20%(所得税15%、住民税5%)の申告分離課税として課税することとされた。 4 改正内容のイメージ 1~3までの改正内容をまとめると、下図のようになる。 ※画像をクリックすると、別ページでPDFファイルが開きます。 (※1) 所得税15%+住民税5%。この他に復興所得税が課されるため、実質的な税負担は20.315%となる。 (※2) 「特定公社債」とは、国債、地方債、外国国債、公募公社債、上場公社債、平成27年12月31日以前発行の公社債(同族会社発行社債を除く)等の一定の公社債をいう。 (※3) 「一般公社債」とは、特定公社債以外の公社債をいう。 (※4) 源泉徴収が行われているものについては、申告不要を選択することができる。 (※5) 平成28年1月1日以後に譲渡した上場株式等に係る譲渡損益と一般株式等に係る譲渡損益は、原則として損益通算できないこととされた。 (了)

#No. 145(掲載号)
#芦川 洋祐
2015/11/19

こんなときどうする?復興特別所得税の実務Q&A 【第39回】「退職者へ追加で支払う給料から源泉徴収する所得税及び復興特別所得税の処理」

こんなときどうする? 復興特別所得税の実務Q&A 【第39回】 (最終回) 「退職者へ追加で支払う給料から源泉徴収する 所得税及び復興特別所得税の処理」   税理士・社会保険労務士 上前 剛   当社は、末日締め翌月末日払いで給料計算をしています。9月分の給料を平成27年10月31日に支払いました。先日、元社員Aより、9月分の残業代2万円を追加で支払うよう連絡がありました。元社員Aは、平成27年9月30日に当社を退職し、平成27年11月1日よりB社に社員として就職しています。 元社員Aの9月分の残業代を確認したところ、当社の計算誤りに気づいたため、11月20日に支払うことにしました。なお、元社員Aは、昨年の年末調整の際、「給与所得者の扶養控除等申告書」を当社へ提出しており、毎月の給料から所得税及び復興特別所得税を甲欄で源泉徴収しています。 退職者へ追加で支払う給料から所得税及び復興特別所得税を甲欄で源泉徴収してよいかご教示ください。   「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出した者が年の中途で退職した場合には、「給与所得者の扶養控除等申告書」は、退職によりその効力を失う。ただし、退職後その年中に退職者に給料等の追加払いをする場合に、退職者が他の給与等の支払者を経由して「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出していなければ、「給与所得者の扶養控除等申告書」が退職後も引き続き効力を有するものとして、所得税及び復興特別所得税の計算をしても差し支えない(所基通194・195-6 )。 今回のケースにおいては、元社員Aが当社に提出した「給与所得者の扶養控除等申告書」は、退職日の9月30日でその効力を失っている。また、元社員Aは、11月1日よりB社に社員として就職していることから、給料を追加で支払う11月20日時点においては、既にB社に「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出しているものと推測される。 したがって、当社は、11月20日に追加で支払う給料から所得税及び復興特別所得税を甲欄ではなく、乙欄で源泉徴収する。 (連載了)

#No. 145(掲載号)
#上前 剛
2015/11/19

商業・サービス業・農林水産業活性化税制の適用・申告のポイント 【第4回】「税額控除の事例と申告書別表6(20)の書き方」

商業・サービス業・農林水産業活性化税制の 適用・申告のポイント 【第4回】 (最終回) 「税額控除の事例と申告書別表6(20)の書き方」   税理士法人オランジェ 代表社員 税理士 石田 寿行   前回は商業・サービス業・農林水産業活性化税制の「特別償却」を選択した場合に作成する付表(7)〈特定中小企業者等が取得した経営改善設備の特別償却の償却限度額の計算に関する付表〉について、具体例をもとにその記載方法を解説した。 最終回となる今回は、本税制の「税額控除」を選択した場合に作成する別表6(20)〈特定中小企業者等が経営改善設備を取得した場合の法人税額の特別控除に関する明細書〉について、次に掲載した実際の記載例を見ながら、記入方法について確認していく(※)。なお前回と同様、事例の前提条件については、主に【第2回】の添付書類の記載内容をもとにしている。 (※) 平成27年度税制改正に伴い、平成27年4月1日以後に終了する事業年度(連結事業年度)分法人税申告書一覧表(平成26年10月1日以後に開始した事業年度(連結事業年度)用)からは、本税制に係る申告書別表番号が改正前の6(19)から6(20)へ変更されている。  ▷記載例 ※画像をクリックすると、別ページでPDFファイルが開きます。 [法人税額の特別控除額の計算]の枠内 [設備の概要] 設備の概要には、その設備が、経営改善設備に該当することの詳細を記載する。 この場合、この欄の記載に代えて次のように、できるだけ「特別償却の償却限度額の計算に関する付表」の所要欄を記載し添付する。  ▷記載例 ※画像をクリックすると、別ページでPDFファイルが開きます。 (連載了)

#No. 145(掲載号)
#石田 寿行
2015/11/19

組織再編・資本等取引に関する最近の裁判例・裁決例について 【第39回】「その他の裁判例②」

組織再編・資本等取引に関する最近の裁判例・裁決例について 【第39回】 「その他の裁判例②」   公認会計士 佐藤 信祐   今回、解説する事件は、適格現物出資に該当するデット・エクイティ・スワップを行った場合において、債務者たる内国法人において債務消滅益として益金の額に算入すべきであるとして争われた事件である。 なお、本事件は、第37回で解説したように、TAINSにて非公開裁決事例として紹介されているため、興味のある読者はそちらも参照されたい。   24 デット・エクイティ・スワップ (1) 平成21年4月28日東京地裁判決(TAINSコード:Z259-11191) ① 事件の概要 本事件の争点は以下の3つである。 このうち、本稿では、【争点2】及び【争点3】についてのみ取り上げることとする。 ② 【争点2】 (ⅰ) 原告の主張 DESは、1個の取引行為として資本等取引(法人の資本等の金額の増加又は減少を生ずる取引)に該当するので、DESによって債務が消滅しても、債務消滅益は発生しない。 そもそも、混同は事実であって取引ではないので、損益取引には該当しない。 DESの場合、被現物出資法人は資産又は資産及び負債を取得しておらず、自己の負債の移転がされたにすぎないから、法人税法62条の4第1項の適用はない。 (ⅱ) 被告の主張 旧商法には債務の株式化を直接認めた規定はなく、会計処理としては、現物出資の制度にのっとり、現物出資により債権の受入れがされ、受け入れた債権が債務との混同により消滅するのであるから、債務の株式化は、会社のバランスシートにおける結果的な姿を表現したものにすぎない。 混同による債務の消滅は税法上は損益取引に該当し、これに伴う債務消滅益を益金の額に算入することについて何ら違法な点はない。 (ⅲ) 裁判所の判断 法令上、DESを直接実現する制度について何らの規定が設けられていない以上、株式会社の債務(株式会社に対する債権)を株式に転化するためには、既存の法制度を利用するほかなく、既存の法制度を利用する以上、既存の法制度を規律する関係法令の適用を免れることはできないというべきである。そして、我が国の法制度の下において、DESは、①会社債権者の債務者会社に対する債権の現物出資、②混同による債権債務の消滅、③債務者会社の新株発行及び会社債権者の新株の引受けという各段階の過程を経る必要があり、それぞれの段階において、各制度を規律する関係法令の規制を受けることとなる。 本件現物出資は適格現物出資に該当するので、法人税法62条の4第1項により、本件貸付債権を直前の帳簿価額により譲渡したものとして、事業年度の所得の金額を計算することとなるから、混同により消滅した本件貸付債務の券面額とその取得価額(直前の帳簿価額)1億6,200万円との差額につき、債務消滅益が発生したものと認められる。 法人税法22条2項の規定の性質上、同項の「資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受け」は「取引」の例示であり、同項の「その他の取引」には、民商法上の取引に限られず、債権の増加又は債務の減少など法人の収益の発生事由として簿記に反映されるものである限り、人の精神作用を要件としない法律事実である混同等の事件も含まれると解するのが相当である。 本件DESにおいても、本件貸付債権がCから原告へ現物出資により移転し、本件貸付債権及び本件貸付債務が同一人である原告に帰属したため混同により消滅したのであるから、本件貸付債権という資産が原告に移転したことは明らか(である。) ③ 【争点3】 (ⅰ) 原告の主張 本件自己株式の譲渡取引当時、原告は財務体質を改善させ、自己の債務を全額支払うに足りる十分な能力があったことは、本件自己株式の譲渡取引当時の貸借対照表に照らしても明らかであって、その重要な証左として、原告が本件自己株式の譲渡取引直前の平成15年11月28日、三井住友銀行から5億円にものぼる融資を受けた事実があり、名実ともに譲渡の対価は3億2,470万円であった。 契約は両当事者の合意により決せられるものであり、これは、民商法の大原則である。譲渡契約における譲渡対価の額は、当事者の合意により定まるものであり、譲渡対価の額は本件自己株式の簿価である3億2,470万円である。 自己株式の譲渡の対価が債権の時価であるとしても、相続財産評価に関する基本通達〔昭和39年4月25日付け直資56、直審(資)17〕204によれば、貸付金債権等に係る利息の価額は、課税時期現在の既経過利息として支払を受けるべき金額(券面額)で評価されるから、本件利息債権は券面額である3億2,470万円と評価されることになる。 なお、原告は、【争点2】と同様に、デット・エクイティ・スワップに伴ってそもそも債務消滅益は生じない旨の主張をしているが、同一の論点であるため、ここでは解説を省略する。 (ⅱ) 被告の主張 法人が自己株式を譲渡した場合には、譲渡対価の額から当該自己株式の当該譲渡の直前の帳簿価額を減算した金額を資本積立金額とすることとされている(法人税法2条17号ロ)。譲渡対価の額は、時価を意味し、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われた場合に通常成立する価額、すなわち、客観的な交換価値をいうものと解されるところ、本件貸付債権は、平成16年1月26日付けで、Eがいわゆる第三者であるドイツ銀行から2億5,663万2,756円で取得したもので、その取得に当たって取引価額を左右するような条件や見合いの取引も見当たらないことにかんがみれば、当該金額をもって同日における時価とみるのが合理的である。 そして、Eは、同年4月6日に原告から本件貸付債権のうち1億4,461万0,500円の弁済を受けた上、同月30日に残余の本件貸付債権を原告に譲渡したものであるところ、Eが本件貸付債権を取得してから原告に譲渡するまでの期間が極めて短いことにかんがみれば、原告が取得した本件貸付債権の同日における時価は、当初の第三者間における取引価額である2億5,663万2,756円から、その後の弁済額1億4,461万0,500円を差し引いた1億1,202万2,256円となる。 (ⅲ) 裁判所の判断 ドイツ銀行が平成16年1月26日付けでEに譲渡した本件利息債権(残高4億6,931万0,500円)の譲渡代金は2億5,663万2,756円であったのであるから、特段の事情がない限り、平成16年1月26日当時の本件利息債権の時価は2億5,663万2,756円であったものと認めるのが相当であり、Eが時価と異なる価格で本件利息債権を取得したことをうかがわせる特段の事情の存在を認めるに足りる証拠はない。 原告は、Eがドイツ銀行から本件利息債権を取得してから間もない平成16年4月6日に、Eに対し、本件利息債権の返済として1億4,461万0,500円を支払い、同月30日に、その残額3億2,470万円の本件利息債権を取得したものであるから、本件自己株式の譲渡対価である同日当時の本件利息債権の時価は、2億5,663万2,756円から1億4,461万0,500円を控除した残額である1億1,202万2,256円と認めるのが相当である。 (2) 平成22年9月15日東京高裁判決(TAINSコード:Z260-11511) 東京高裁における裁判所の判断はほとんど東京地裁判決を踏襲している。また、控訴人は上告受理の申立てを行ったが、受理されなかった(平成23年3月29日最高裁決定・TAINSコード:Z261-11656)。 (3) 評釈 このように、第37回で解説した国税不服審判所の裁決事例と同様に、原処分庁が勝訴する結果となった。 上記のうち、【争点3】に対する原告の主張はやや分かりにくいものとなっている。非適格現物出資に該当するという主張であれば、平成18年税制改正前の事件であることから、現物出資法人では時価で処理し、被現物出資法人では券面額で処理することも可能であったため、これに基づいた主張であるとは思えない。そうなると、時価が券面額と等しいという主張であると解さざるを得ないが、この主張が正しいとすれば、現物出資法人が債権を取得した時点で受贈益を認識していないと成り立たず、第三者から債権を取得した本事件においてそのような主張は認められにくいであろう。そのため、本事件に対する裁判所の判断は妥当であったと考えられる。 また、【争点2】についても、第37回で解説した国税不服審判所の裁決事例と同様に、裁判所の判断は妥当であったと考えられる。原告の「混同は事実であって取引ではない」という主張に対し、裁判所は「『その他の取引』に含まれる」と判示し、「自己の負債の移転がされたにすぎない」という主張に対し、「本件貸付債権がCから原告へ現物出資により移転」したと判示しており、DESにおける当時の実務慣行からしても妥当な判断であったと考えられる。 本事件は、適格現物出資であったが、平成18年度税制改正により、非適格現物出資に該当するDESを行った場合においても、被現物出資法人において以下のように債務消滅益が発生することとされたため、ご留意されたい。なお、下記の仕訳は、本事件のように外部から債権を取得したのではなく、当初の債権者が現物出資を行った場合を前提としている。 【現物出資法人の仕訳】 【被現物出資法人の仕訳】 ① 現物出資による受入れ ② 混同による消滅  (了)

#No. 145(掲載号)
#佐藤 信祐
2015/11/19

《編集部レポート》 東京税理士会・東京税理士政治連盟が報道関係者との懇談会(2015・秋)を開催~消費税率は単一税率の維持を求める~

《編集部レポート》 東京税理士会・東京税理士政治連盟が 報道関係者との懇談会(2015・秋)を開催 ~消費税率は単一税率の維持を求める~   Profession Journal 編集部   東京税理士会、東京税理士政治連盟は平成27年11月16日、「報道関係者との懇談会2015・秋」を開催し、各報道関係者に対し平成28年度税制改正を視野に入れた会の取組み状況や意見発表を行った。 意見発表に先駆け、神津信一日本税理士会連合会会長・東京税理士会会長から、「今回は特に、なぜ税理士会がここまで頑なに単一税率の維持を求めているのかを知ってほしい」旨の挨拶があった。 1つ目のテーマとして、坂田覚東京税理士政治連盟政策委員長より、同連盟による「平成28年度税制改正に関する要望」から主に次の重点要望事項2点について説明があった。 特に①については、複数税率(軽減税率)にした場合の逆進性の問題、対象品目の選定が困難である点、小規模事業者の事務負担増大といった点を紹介したうえで、給付付き税額控除制度が有用な制度であるとした。さらに消費税率の引上げに伴い納税義務の判定に関する問題や免税制度・簡易課税制度についての問題の影響が大きくなる点について指摘があった。報道関係者からは、すでにEUにおいては長年制度が運営されている複数税率やインボイス制度を問題視する点について疑問が寄せられ、土屋栄悦東京税理士会調査研究部長からは、EUは政治上の理由でやむを得ず複数税率になった経緯があり、実際に適用税率をめぐって係争へ発展する事案が多いこと、日本の単一税率制度は海外から高い評価を受けているとの回答があった。 次に宮本雄司東京税理士会規制改革・納税環境整備等対策室長からは、税理士会によるマイナンバー制度への取組みについて説明があった。具体的には、日本税理士会連合会が公表した事業者向けリーフレット等を用いてクライアントへの周知活動を行っている点、東京会の会員向けに来年3月まで定期的にマイナンバー制度対応の電話相談を実施しており、「特定個人情報の取扱いに関する覚書」を交わす際の印紙の取扱いなど実務上の質問が寄せられ研修を受けた相談員が対応に当たっている状況について、実際の質問概要を交えて紹介された。 最後に、BEPS等を契機とした国際税務への意識の高まりを受け、国際税務に関する税理士会の考え方について、田尻吉正東京税理士会国際部長から発表があった。日税連の提唱で1992年に設立したアジア・オセアニアタックスコンサルタント協会(AOTCA)の活動状況について10月に大阪で開催された会議の内容が紹介され、また各国との情報交換や協議(韓国のインボイス制度へのヒアリング等)を行っており、今後は開催国や加盟国だけではなくヨーロッパ税務連合(CFE)や他の国際税務関係機関との交流を通じ広く情報交換していくとの発表があった。 (了)

#No. 145(掲載号)
#Profession Journal 編集部
2015/11/19

〔開示事例からみた〕IFRS任意適用企業の「減価償却方法の変更」をめぐる動向

〔開示事例からみた〕 IFRS任意適用企業の 「減価償却方法の変更」をめぐる動向   仰星監査法人 公認会計士 松浦 宏樹   1  はじめに 近年、日本企業において、減価償却方法を「定率法」から「定額法」へ変更する企業が増えている。 日本では、多くの企業が定率法を採用しているが、IFRS適用時には減価償却方法を定率法から定額法に変更する会社が多いと言われている。近年増加している日本基準における減価償却方法の変更は、IFRSの適用を見据えた動きとも考えられる。 我が国における国際会計基準(IFRS)の強制適用は依然として延期されているものの、IFRS任意適用企業数は平成27年8月には68社となり、年々増加傾向にある。 このような考察の下、本稿ではIFRS導入において特に論点となる減価償却方法の選択について、IFRS任意適用企業が実際に選択した減価償却方法、IFRS適用前後の減価償却方法の変更動向について調査分析する。   2 減価償却方法に係る日本基準とIFRSの比較 日本の有形固定資産の減価償却方法は、法人税法に基づく会計処理が実務慣行として採用されてきた。企業は、定率法や定額法など法人税法に定められた減価償却方法を選択し、その後は毎期計画的、規則的に減価償却を実施している。 減価償却方法として、定額法か定率法のいずれかが採用されることが多いが、使用開始当初により多くの減価償却費を損金計上できるという税務メリットを享受する観点から、定率法を採用している企業も多い。減価償却方法の選択については、日本の会計基準では記載されておらず、定額法、定率法など、各企業が任意に選択を行っている。 一方IFRSでは、資産の将来の経済的便益が企業によって消費されるパターンを反映する方法として、常に経済実態を反映したものであることが求められている。 ここで、「将来の経済的便益」とは、現金獲得や費用削減に貢献する能力のことである。 企業は有形固定資産を使用することで現金を獲得(もしくは費用を削減)する。しかし、それと引き換えに有形固定資産は現金獲得(費用削減)能力を失っていく。つまり、減価償却はその失われた能力を適切に反映するように行う必要がある。 常に経済実態を反映させる必要があるため、少なくとも各事業年度末には減価償却方法について再検討を行い、もし予測に重要な変更があった場合には、会計上の見積りの変更として処理する必要がある(IAS第16号51項、同第61項)。   3 IFRS任意適用企業の減価償却方法 (1) 採用された減価償却方法 2015年8月現在のIFRS適用済企業の減価償却方法を調べた結果、すべての企業が、IFRS適用年度の減価償却方法について定額法を採用していた。 【採用した減価償却方法】   (2) 定額法を採用した理由 定額法を採用した理由については、「定額法が資産によって生み出される将来の経済的便益の消費の想定パターンに最も近似していると考えられるため」(楽天(株)、マネックスグループ(株))、「資産から得ることができる将来の経済的便益の消費パターン(収益と費用のより適切な対応)を反映した方法として主として定額法を適用」(富士通(株))などが記載されていた。 IFRSでは定額法の他に定率法、生産高比例法も例示されている(IAS第16号62項)が、IFRS任意適用企業における減価償却方法としては、定額法をより適切な方法と判断している企業が多い。 しかし、必ずしも定額法に限定せずに、「主として定額法」を採用する企業も16社みられた。 トーセイ(株)では、「主として定額法により計算しております。また、定率法による減価償却が、当該資産から生じる将来の経済的便益が消費されるパターンをより良く反映する場合には、定率法を採用しております。」としており、原則は定額法が資産の将来の経済的便益が企業によって消費されるパターンを反映すると考えられるものの、資産によっては定率法の採用も明示している。   4 IFRS任意適用企業の減価償却方法の変更動向 (1) 変更したタイミング 上記の通り、IFRS任意適用企業は減価償却方法として定額法を採用しているが、以下のように57社のうち34社(約60%)が、IFRS適用年度以前に減価償却方法を定率法から定額法へ変更している。 【対象企業の動向(57社)】 (2) 変更した理由 IFRS任意適用前に減価償却方法を定率法から定額法へ変更した企業の変更理由は、以下のようになっている。 IFRS導入を見据えた減価償却方法の変更であると考えられるが、IFRS任意適用前の変更であるため、日本の会計基準内で会計方針の変更として減価償却方法を変更している。 【主な変更理由の動向】 (※) 複数の理由は、別に集計している。 会計方針変更の理由の正当な要件を満たせば減価償却方法を見直すことが考えられるが、併せてIFRS導入を見据えながら変更時期による影響を分析することが重要である。 IFRS導入前に定額法へ変更する場合、定率法による税務メリットは受けられなくなる。しかし、IFRS導入の前段階からグループの減価償却方法が統一され、IFRS導入作業に係る負担を軽減することができる。 減価償却方法の見直しは、多面的に考えて取り組むべき課題であり、IFRS導入を予定している企業では特に早い時期から慎重に検討することが重要である。 (了)

#No. 145(掲載号)
#松浦 宏樹
2015/11/19
#