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マイナンバーの会社実務Q&A 【第8回】「就業規則の改定①(全体の流れ)」

マイナンバーの会社実務 Q&A 【第8回】 「就業規則の改定①(全体の流れ)」   税理士・社会保険労務士 上前 剛   〈Q〉 当社の就業規則をマイナンバーに対応したものに改定したいので、改定の手順を教えてください。   〈A〉 改定の手順は、以下の通りである。   〈手順1〉 自社で改定するか、社会保険労務士に委託するか決める 顧問の社会保険労務士がいる場合、社会保険労務士に委託する。顧問の社会保険労務士がいない場合、自社で改定するか、スポットで社会保険労務士に委託するか決める。社会保険労務士に委託するメリットとして、労働法令の改正により陳腐化した条文を改定してもらえる点が挙げられる。   〈手順2〉 就業規則を改定する 次回(【第9回】)以降解説する。   〈手順3〉 労働者代表を選任する 就業規則の作成又は変更については、会社に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない(労基法90条1項)。 また、労働者の過半数を代表する者は、管理監督者でないこと、かつ、投票、挙手等の方法による手続により選出された者でなければならない(労基則6条の2)。例えば、労働組合がなく、管理監督者がいない従業員13名の株式会社〇〇商店の労働者代表を書面決議で選任する場合、労働者代表選任決議書面に過半数の7名の署名・捺印があればよい(図表1参照)。 図表1 労働者代表選任決議書面   〈手順4〉 労働者代表に就業規則の意見を聴取する 労働者代表に就業規則を渡して内容を確認してもらい、意見書に署名・捺印してもらう(労基法90条2項)。通常、図表2のように“特に異義ありません”と記載するが、“反対します”や“~してほしい”といった意見を記載してもかまわない。 図表2 意見書   〈手順5〉 就業規則を労働基準監督署へ提出する 以下の書類を2部ずつ作成(1部提出用、1部会社控用)し、労働基準監督署へ郵送、または、持参により提出する。なお、従業員が10人未満の会社は、労働基準監督署への提出は任意である(労基法89条)。   〈手順6〉 就業規則を従業員へ周知する 労働基準監督署へ提出後、就業規則を従業員へ周知しなければならない(労基法106条)。例えば、担当者が就業規則を机にしまいこむなどして従業員へ周知せずに就業規則の条文を根拠に従業員を解雇しても無効となる可能性がある。 周知の方法としては、就業規則を社内の見やすい場所に掲示する、就業規則を従業員に書面で交付する、就業規則をパソコン上で閲覧できるようにすることなどが挙げられる(労基則52条の2)。 (了)

#No. 165(掲載号)
#上前 剛
2016/04/14

養子縁組を使った相続対策と法規制・手続のポイント 【第22回】「養父母の死亡と親権」

養子縁組を使った相続対策と 法規制・手続のポイント 【第22回】 「養父母の死亡と親権」   弁護士・税理士 米倉 裕樹   問 題 【問題①】 養父母双方が死亡した場合、養子の親権者は誰になるのか。実父または実母が親権者となることはないのか。実父または実母が親権者となることを防ぐ方法はないか。 【問題②】 離婚後に、親権を有する子を持つ実親が死亡した場合、元配偶者が親権者となることはあるのか。それを回避するにはどうすればいいのか。 【問題③】 子の実親と養親が離婚し、子の単独親権者となった養親と子がその後に離縁する場合、後見が開始するのか、実親の親権が復活するのか。   回 答 【問題①】 後見が開始するが、実父または実母への親権者変更等が認められる場合もある。それを回避するには、遺言で未成年後見人として実父母以外の人物を指定する方法が考えられる。 【問題②】 後見が開始するが、元配偶者からの親権者変更等が認められる場合もある。それを回避するには、遺言で未成年後見人として元配偶者以外の人物を指定するほか、子の実親が死亡する前に、再婚して再婚相手と子との間で養子縁組を行うことも考えられる。 【問題③】 実親の親権は復活せず、親権者がいなくなってしまうことから、未成年後見人を選任することになる。ただし、離縁の前に、実親が親権者変更の審判を経て親権者となることは可能である。   解 説 [1] はじめに 親権は、子どもの身上に関する権利義務(身上監護権)と、子どもの財産についての権利義務(財産管理権)とで構成されており(民820・824)、実子の場合、実父母が共同親権者となる(民818①③)。子が養子であるときは、養親が親権者となる(民818②)。 配偶者のある者が未成年者を養子とするには、配偶者の連れ子を養子とするような場合を除き、配偶者とともに養子縁組しなければならないことから(民795)、養親が夫婦である場合には養父母が共同親権者となる(民818③)。なお、配偶者の連れ子を養子とした場合、養親と配偶者が共同親権者となる(民818③)。 実父母のいずれかが死亡したときは、生存する実父、または実母が単独親権者となる。養父母のいずれかが死亡した場合にも、生存する養父、または養母が単独親権者となる。 養父母双方が死亡した場合は、親権を行使する者がいなくなることから、未成年者に対して親権を行う者がないときとして、後見が開始する(民838一)。この考え方は、養子縁組の効果は、養親の死亡によって解消されないとする理論に基づいている。なお、養父母双方と離縁した場合には、実親の親権が復活することとなる(民811)。 [2] 【問題①】について 実父母が子をネグレクトしていたとか、虐待していた等の事情があったような場合、養父母としては、養父母の死亡後に、実父母が親権者となることを回避したいと考えるはずである。 養父母双方が死亡した場合、親権を行使する者がいなくなることから、後見が開始する(民838一)。しかしながら、戸籍上の先例及び実務では、未成年後見が開始する場合であっても、死亡した養父母との離縁手続(家庭裁判所の許可が必要)を経ることなく、実父または実母への親権指定ないし変更が家庭裁判所で認められ届出がなされれば、受理せざるを得ないとされている。 それを回避するためには、まず、遺言で未成年後見人として実父母以外の人物を指定する方法がある(民839①)。その場合、遺言の効力が発生した時点で効力が生じ、指定された者が遺言者の死亡と同時に後見人に就任する。就任した後見人が遺言の謄本を添えて、未成年後見人指定の届を提出することになる。この届出は、報告的届出であり、家庭裁判所の審判は必要ではない。 たとえ遺言で未成年後見人を指定したとしても、指定された者は拒否することもできることから、遺言で指定する未成年後見人に対し事前に実情を説明して引き受けてくれることを確認すべきである。養父母の死後、同未成年後見人が実親の期待に応え、子の監護を尽くし、それが子の福祉に適っているような場合には、たとえ実父または実母から親権者変更の申立がなされたとしても、認められない可能性は高い。 [3] 【問題②】について 離婚後に、親権を有する子を持つ実親が死亡した場合、未成年者に対して親権を行う者がないときとして、後見が開始する(民838一)。しかしながら、実務上、元配偶者からの親権者指定ないし変更の申立が可能であり、申立が認められ届出がなされれば、受理せざるを得ないとされている。 それを回避するためには、【問題①】のように、遺言で未成年後見人として元配偶者以外の人物を指定等するほか、子の実親が死亡する前に、再婚して、再婚相手と子との間で養子縁組を行うことが考えられる。 再婚相手が子と養子縁組を行うことで、仮に実親が死亡した場合であっても、再婚相手である養親が単独親権者となり、元配偶者からの親権者変更の申立は、子の福祉に反する事情等が存在しない限り、認められない。 [4] 【問題③】について 本問では、実親と養親が離婚の際に養親を子の親権者としていることから、その後の離縁によって、実親の親権が当然に復活するかが問題となる。 この点、従来は、養子縁組によって生じた効果は離縁によって消滅することを理由に、離婚の際に養親が親権者と定められていたときは、その養親との離縁によって実親の親権が復活するとして取り扱われていた。 しかし、平成22年に戸籍上の先例が変更され、離婚の際に親権者とならなかった実親の親権は復活しないとされ(平成22年8月19日民一2035号回答)、親権者がいなくなってしまうことから、未成年後見人を選任することとされた。なお、この場合も、離縁の前に、実親が親権者変更の審判を経て親権者となることは可能である。 (了)

#No. 165(掲載号)
#米倉 裕樹
2016/04/14

〔新規事業を成功に導く〕フィージビリティスタディ10の知恵 【第1回】「そもそもフィージビリティスタディ(F/S)とは何か」

〔新規事業を成功に導く〕 フィージビリティスタディ10の知恵 【第1回】 「そもそもフィージビリティスタディ(F/S)とは何か」   中小企業診断士 西田 純   ▷ フィージビリティスタディ(F/S)とは、新規投資案件に関する「仮説検証プロセス」 サラリーマンとして企業の中で働いていると、会社から新規事業の提案を求められることは珍しいことではないと思います。あるいは中間管理職として、自らの部課が少しでも社業に貢献できるよう、新規事業提案を検討されているという例も多いことでしょう。 他方で、 提案書を上役に見せたところ、そんなふうに言われて壁にぶつかる例も少なくないのではないでしょうか。 ここで上役に求められたF/Sって、いったい何のことでしょう? 答えは表題にあるとおり、新規事業を「投資案件」とみなした時に、どのようにしたらうまくいくのかという仮説とその検証結果をまとめたもの、のことです。 以下ではもう少し詳しく、その中身を説明しましょう。   ▷ 「仮説」とは条件さえ整えば新規事業が儲かって会社が発展するという見通し あなたが仮にいま、日本国内のみを市場としてトラクターや耕運機など農業機械の製造を行う民間企業に勤務していて、営業部門の中間管理職だとしましょう。国内の農業は、少子高齢化やTPPの影響などもあって頭打ちの状況が長く続いています。市場的には今後も大きく伸びる可能性はあまり高くないと言われる中、なんとか会社を潰さず成長させていくために、新規事業の提案を求められる立場にいるとします。 一人で考えていても、出てくるアイディアは限られると思ったあなたは、部下にも提案について考えるよう指示を出しました。そうすると、部下の中には、 というアイディアを考える人が出てくるかもしれません。 でも、一言に海外と言っても対象があまりに広いので、もう少し具体的な考えにならないと議論のしようがありませんね。向け先の国や地域がどこになるのか、輸出を考えるのか、あるいは現地生産を志向するのか。いずれの場合にしても事業として十分な収益は見込めるのか。 さしあたり、ネットや書籍などで得られる情報をもとに、この国のこの地域なら、農業生産高はこれくらいで人口伸び率がこのくらいあるから、市場性は期待できるのではないか?という向け先をいくつか選びだし、それぞれの短所長所をまとめるくらいの基礎的な調査分析は行うのが当たり前、ではないかと思います(ちなみに、「当たり前」という概念が広く通用する事業環境は日本くらいなもので、海外では丁寧な説明が求められる場合が多いということを認識しておいていただけると、海外進出に伴って経験するカルチャーショックが多少なりとも緩和されるかもしれません)。 加えて、会社の新規事業であるならば当然のこと、事業収益性の検討もなされなくてはなりません。 現状年間何トンくらいの生産量があるところ、機械化の進み具合はこれくらいなので、潜在的な市場規模はこれくらい、現状の経済成長がこの先X年程度は続くと考えると、今後機械化ニーズが高まることによって全体の市場規模はこれくらい、そのうち先進国からの輸入品が占めるシェアはこれくらいになるだろう、といった見通しを立てます。これが「仮説作り」で、基礎的な調査分析を踏まえた、いわばシナリオ作りにも例えられる作業ですが、次のステップとなる「検証」プロセスにおける裏付け取りのため、最終的には数字に落とし込む必要があります。 このプロセスは、主に現地調査出発前の段階、いわゆる「事前調査」を通じて行われるのが通例です。 【F/Sの流れ】 フィージビリティスタディを成功させるための第一のポイントは、この「仮説」を裏付けのある客観的な数値で表現できるかどうかにあります。そうすることによって検証段階で得られた情報との差異を具体的に比較できるようになり、スムースな意思決定につなげることができるからです。 *   *   * 次回は「検証」プロセスに臨むうえで注意すべきポイントについて解説します。 (了)

#No. 165(掲載号)
#西田 純
2016/04/14

『デジタルフォレンジックス』を使った企業不正の発見事例 【第3回】「産業スパイの調査に使われるデジタルフォレンジックス」

『デジタルフォレンジックス』を使った 企業不正の発見事例 【第3回】 「産業スパイの調査に使われるデジタルフォレンジックス」   PwCアドバイザリー合同会社 マネージャー 吉田 卓   1 はじめに 第3回では、産業スパイ事件におけるデジタルフォレンジックス調査について、筆者が実際に担当した、自動車メーカーにおける産業スパイ事件のケーススタディーを中心にして述べさせていただく。平時からの対策についても本稿の最後で述べているので、参考としていただければ幸いである。 ビジネスがグローバル化し、中国、韓国を中心とするアジア諸国の競合他社が急激に勢力を拡大しているが、その背後では、日本企業に在籍する優秀な技術者の「引き抜き」合戦が活発に行われていることは、周知の事実ではないだろうか。 個人の意思による、健全な転職を阻止することはできないが、転職する個人が会社の機密情報を持ち出し、転職先がそれを期待しているのが実態であり、その点に関して会社としては十分に注意をし、対策をとることが必要であることは言うまでもない。   2 産業スパイのスキーム 産業スパイに関する定義は、一般的に「企業のもつ経営や技術などに関する情報を不正に探知・入手する行為のこと。また、それらの行為をする人」とされている。 近年紙面やメディアをにぎわせている産業スパイのスキームは、社員を展示会などで勧誘し転職を決意させ、転職先での高待遇と引き換えに機密情報を提供させるというもので、筆者は「転職スキーム」と呼んでいる。 また、日本企業で務め上げた退職者をターゲットにするケースも多く、こちらは「退職者スキーム」である。退職者の場合は、データなどの情報を持ち出すことはせず、本人の頭に入っているノウハウを1から10まですべて競合他社に提供するというもので、一日中通訳が張り付き、工場設備の設定や温度など細かいノウハウについて、その人物が話す内容をすべてメモするというようなことが行われていると聞いたことがある。報酬も驚くほど高額と言われている。この退職者を利用したスキームは、本人が既に退職していることもあり、阻止することが困難である。 近代の産業スパイ事案においては、会社はこの2つのスキームに特に警戒をする必要があると考える。   3 自動車メーカーでの未遂事件(ケーススタディー) 以下では、筆者が実際に担当した、産業スパイの案件に関してご紹介する。依頼主であった会社のコンプライアンス部の対応や、ファイルの持ち出しやダウンロードなどをモニタリングするためのITソリューションが導入されていたことが、機密情報が競合先に渡ることを水際で阻止することができた大きな要因であり、その点についても参考としていただきたい。 このケースは、「転職スキーム」で行われた産業スパイ案件である。 会社は、対象者が退職願を提出してから、サーバーへのアクセスやファイルのダウンロードをモニタリングしていた。数千以上のファイルのダウンロードが発生したのをきっかけに、当人を呼び出し、会社のPCを保全するとともに、当人の自宅にも一緒に帰宅し、当人の自宅用のPCおよび外部記録媒体であるUBSメモリーやHDDを押収した。 まだ疑わしいという段階で、ここまでの対応ができる会社は稀である。 この会社は平時から従業員との誓約確認や、雇用契約書、就業規則、内部調査に関する規定等の整備、更新を怠っていなかったということであろう。 残念ながらあっさりと転職されてしまい、後に自社とまったく同じデザインの製品が競合他社から発表されて、泡を食う結果となってしまうケースが多いのではないだろうか。 筆者が所属する会社にデジタルフォレンジックの調査の依頼が来たのは、対象者のPC等を保全した当日であった。翌日朝には会社に赴き、すでに保全されているPCのフォレンジックイメージが取得でき、分析を開始した。 調査のスコープについては、以下の通りである。 【図1】 整理した情報の流出経路(筆者作成) 重要なのは機密情報の持ち出しの経路を整理し、それを補完するエビデンスをそろえることである。 ちなみに、このような産業スパイ行為は、不正競争法防止法違反として警察に告訴することができる。しかしながら、ある程度の証拠がそろっていない場合は、警察も動き難い。そのため、会社としては、まずは対象者が使用したPCや外部記録媒体を保全し、証拠を見つけ出すこととなる。 このケースの場合、当初本人は会社のPCと個人PCおよび外部記録媒体数点のみを使用していると主張し、データを書き出してはいないと反論をしていたようであるが、PCの外部記録媒体の接続履歴を調べると、実際には数十にのぼる外部記録媒体が接続された形跡があり、最終的に20個以上の外部記録媒体を押収する結果となった。 往々にして、被疑者は証拠の隠滅を図る場合があるため、注意が必要である。 ドライブの中のファイルを削除したのみであれば、デジタルフォレンジックスの技術を使用してファイルを復元することが可能な場合が多いが、PCを物理的にハンマーで破壊するというようなことをされてしまうと、データを復旧難易度は急激にあがる。 このケースの場合も、“Strictly Confidential”などと印字してある、明らかな機密情報については、あとから特定された媒体からはすべて削除されていた。 このように機密情報が書き出された事実と、それらが自宅PCやその他の記録媒体にもコピーされていたという証拠を取得したうえで、【図1】のように整理するところまでが、筆者の仕事である。その後、警察による調査が行われ、被疑者は無事に逮捕されることとなった。   4 平時からの対策が遅れている日本企業 自動車や電機などの産業を中心にアジアでは激烈な競争が行われていることから、中国や韓国の競合メーカーが日本の技術を狙っていることは明らかだろう。その中にあって、日本企業は徹底した対策をとる必要がある。 重要なのは、産業スパイ活動は、サイバー攻撃のように外部から会社のネットワークなどを攻撃し、個人情報を流出させるというものではなく、内部の人間によって行われるケースが圧倒的に多いということである。日本の企業は、こと内部のこととなると、「うちの社員にはそんな人間はいません」というように、急にある意味で性善説を信じてしまい検討が進まない企業が多いように感じる。 しかし、前述のケーススタディーのモデルなった企業でも実施されていたように、下記のような項目については産業スパイ事案を想定した内容に更新または整備することを推奨したい。 これらの項目に対して平時から対策をとることが極めて重要であり、産業スパイ事件を防止または水際で阻止する大きな要因になると筆者は考える。 「グローバル企業」という言葉が浸透して久しいが、真の意味でのグローバル企業となるためには、危機管理やインシデントレスポンス体制についてもグローバル企業としてのレベルを追及するべきであろう。日本企業は特に、産業スパイ事件などのインシデントに対しての対応が、場当たり的である企業が多い。標準化された社内規定やプロセスが存在しないのである。 危機管理やインシデントレスポンス体制の強化は、さらに加速していくグローバル化の波を乗りこなすうえで、日本の企業にとって最も重要な課題の1つであろう。 (了)

#No. 165(掲載号)
#吉田 卓
2016/04/14

《速報解説》 中小企業者等の少額減価償却資産の特例、「事務負担に配慮する必要があるもの」は常時使用従業員数1,000人以下の法人~適用期限延長も対象法人を制限へ

《速報解説》 中小企業者等の少額減価償却資産の特例、 「事務負担に配慮する必要があるもの」は 常時使用従業員数1,000人以下の法人 ~適用期限延長も対象法人を制限へ   Profession Journal編集部   中小企業を対象とした税制特例のうち、その使い勝手の良さから多くの企業で利用されているのが「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」(措法67の5)だ。 この制度は、青色申告法人である中小企業者等が30万円未満の減価償却資産を取得した場合、その取得価額相当額をその事業年度に損金算入できる特例措置(年間の上限300万円)。時限立法であるものの2年ごとに延長が繰り返されてきたこの特例は、平成28年度税制改正においてもさらに2年(平成30年3月31日まで)延長されることとなった。 ただし今回の改正では、税制改正大綱における次の記載のとおり、対象となる法人に見直しが行われている。 (※) 「平成28年度税制改正の大綱」より 上記の改正については、法案の段階で、改正租税特別措置法67条の5第1項において、対象となる法人に「事務負担に配慮する必要があるものとして政令で定めるものに限る」との規定が確認されていたところ、3月31日公布の改正租税特別措置法施行令39条の28第1項において「法67条の5第1項に規定する政令で定めるものは、常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人とする。」と規定されており、上記大綱の記載のとおり「常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人が除外」されることが法令上明確化された。 この法改正について特別な経過措置規定は見られないことから、原則4月1日施行(所得税法等の一部を改正する法律附則第1条)となるため、施行日以後に取得・事業供用した適用対象となる少額減価償却資産については、対象法人が制限されることとなるため留意したい。 〔追記〕 本改正についての経過措置は改正法附則第101条・124条に記載されており、平成28年4月1日以後に取得又は製作若しくは建設をする少額減価償却資産について適用され、同日前に取得又は製作若しくは建設をした少額減価償却資産については、従来どおり適用されます。お詫びの上、訂正させていただきます。 ちなみに中小企業庁の資料によると、この特例を適用している中小企業のうち今回の改正で対象外となる従業員1,000人超の中小企業は全体の0.3%程度にとどまり改正の影響は軽微としているが、別資料では導入まで1年を切った消費税軽減税率へのシステム改修等を行う際に利用できる支援措置としてこの特例が紹介されており、利用社数の増加に伴う今回の改正の影響も無視できない。 (了)

#No. 164(掲載号)
#Profession Journal 編集部
2016/04/08

《速報解説》 減価償却方法の見直しに係る改正法人税法施行令第48条の2を確認~新法令は平成28年4月1日以後終了事業年度から適用

《速報解説》 減価償却方法の見直しに係る 改正法人税法施行令第48条の2を確認 ~新法令は平成28年4月1日以後終了事業年度から適用   Profession Journal編集部   既報のとおり平成28年度税制改正では減価償却方法の見直しが行われ、平成28年4月1日取得分から、下表の通り建物附属設備及び構築物については定率法が廃止され定額法一本とされた。また鉱業用減価償却資産についても定率法が廃止され定額法又は生産高比例法のみとされている。 (※) 平成28年度税制改正の大綱(財務省ホームページ)より 減価償却資産の償却方法については法人税法施行令に規定されており改正法案ではその内容を確認することができなかったが、3月31日公布の「法人税法施行令等の一部を改正する政令」でその規定が明らかとなった。 以下では特に大きく改正された法人税法施行令第48の2第1項の規定振りを確認したい。 (※) 平成19年3月31日以前取得分の償却方法を定めた第48条は改正されていない。 なお改正前の旧法人税法施行令(以下、旧法令)については下記を参照されたい。 改正された法人税法施行令(以下、新法令)第48条の2第1項は次のような規定となっている(赤字が改正部分、《 》内は編集部追記)。 上記のように、旧法令では第一号で「建物」の償却方法を定額法と定めていたが、新法令の第一号では「建物、建物附属設備、構築物(鉱業用減価償却資産及びリース資産を除く)」の償却方法として と、イで改正前の建物附属設備と構築物の償却方法をまとめ、ロでそれ以外の償却方法をすべて定額法と規定している。 また旧法令で鉱業用減価償却資産の償却方法を定めた第三号は、新法令において、鉱業用減価償却資産のうち と、こちらも取得時期によりイ、ロに分け償却方法を規定した構成となっている。 また大綱に記載のあったとおり、リース資産の償却方法としてリース期間定額法を定めた第六号については、改正は行われていない。 なお、本改正については改正法令の附則第6条(減価償却資産の償却の方法等に関する経過措置)において、「法人の施行日(H28.4.1)以後に終了する事業年度の償却限度額の計算について適用」することとされており、上記取得時期に加え適用事業年度についても留意しておきたい。 (了)

#No. 164(掲載号)
#Profession Journal 編集部
2016/04/07

《速報解説》 各都府県の超過課税税率に関する条例が出揃う~税効果会計に適用する税率に関する適用指針の実務対応~

《速報解説》 各都府県の超過課税税率に関する条例が出揃う ~税効果会計に適用する税率に関する適用指針の実務対応~   公認会計士・税理士 八代醍 和也   Ⅰ はじめに 企業会計基準委員会が平成28年3月14日に「税効果会計に適用する税率に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第27号、以下「本適用指針」という)を公表したことを受け、既にこれまで下記拙稿において、税効果会計に適用する税率に関する改正点・留意点及並びに設例を用いた実際の取扱いについての解説を行った。 また、平成28年3月29日の平成28年度税制改正法案(所得税法等の一部を改正する法律案及び地方税法等の一部を改正する等の法律案)(以下、「改正税法」という)の成立に足並みを合わせ、平成28年3月31日までに、外形標準課税適用法人に係る法人事業税について超過課税による税率を採用する8都府県でそれぞれ、改正地方税法等を受けた条例が成立した。 このような状況を受け、改正後の条例を受けた実際の計算方法について補足解説を行う。   Ⅱ 改正条例における法人事業税の超過課税税率の概要 各都府県において成立した条例における軽減税率不適用法人の法人事業税所得割の税率の概要を示すと下表のとおりである。 【表1】 軽減税率不適用法人の法人事業税所得割の税率の概要 上表のとおり、法人事業税について超過課税による税率を採用するすべての都府県において、平成28年3月31日時点で改正地方税法等を受けた改正条例が成立しているため、連載【第2回】で解説した3つの設例のうち『〈設例2〉超過課税の税率によるケース(その1)』により、法定実効税率を計算することになる。   Ⅲ 改正条例の税率による法定実効税率の計算例 Ⅱの改正条例を受け、以下の計算式に基づき、東京都、大阪府の平成29年3月期の法定実効税率を計算すると以下のようになる。 なお、法人市町村民税の税率は各自治体により異なるため、実際の計算にあたっては、各自治体のホームページ等で確認されたい。 【東京都】 前提:法人都民税16.3%(23区内・超過課税)として計算している。 【大阪府】 前提:法人府民税4.2%(超過課税)、法人市民税率11.9%(大阪市・超過課税)として計算している。 (了) ↓お薦め連載記事↓

#No. 164(掲載号)
#八代醍 和也
2016/04/07

プロフェッションジャーナル No.164が公開されました!~今週のお薦め記事~

2016年4月7日(木)AM10:30、 プロフェッションジャーナル  No.164を公開! プロフェッションジャーナルのリーフレットは 全国のTAC校舎で配布しています! -「イケプロが実践するPJの活用術」「第一線で活躍するプロフェッションからPJに寄せられた声」を掲載!-   - ご 案 内 - プロフェッションジャーナルの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》は随時公開します。

#Profession Journal 編集部
2016/04/07

monthly TAX views -No.39-「消費増税延期に伴う政治リスク」

monthly TAX views -No.39- 「消費増税延期に伴う政治リスク」   中央大学法科大学院教授 東京財団上席研究員 森信 茂樹   消費増税の先送り論が、日に日に強まりつつある。 表向きは内外経済情勢の悪化ということだが、本音は衆議院解散の大義名分、つまり解散するのは「国民に消費税率を法律通り引き上げることが望ましいかどうかの是非を問うため」という政治の論理だろう。 官邸に米国ノーベル賞学者のスティグリッツ氏やクルーグマン氏などを招いて「国際金融経済分析会合」を開催した。 米国のように、消費税(付加価値税)も導入されておらず、社会保障も十分でなく、国民が1%と99%に分断されている国の経済学者に、わが国の国家主権そのものである税と社会保障のアドバイスを求める、というのはブラックジョークだが、すでに株式市場なども消費増税延期を織り込みつつある。 しかし筆者は、消費増税先送りは、様々なリスクを顕在化するので、そんなに安易・簡単な選択ではないと考えている。 第1に、消費増税先送りは、アベノミクス失敗に直結する。 安倍政権3年間の経済成長をならしてみると、民主党時代より低いことがわかる。3本の矢とか異次元の金融政策とか、いろいろやったが結局はこの程度なのか、という国民の失望感が出始めている。 「リーマンショックや大震災並みの経済変動」が起こらない限り増税を行うと繰り返し明言していたわけだから、増税延期は「今がそのような状況なのだ」ということになり、「アベノミクスは失敗」という政治リスクの引き金を引くことになる。 第2に、一億総活躍社会という公約の実現には財源が必要だが、消費増税延期でそれが出てこないので、国民の失望につながる。 保育園待機児童問題一つとってみても、根本的な解決には財源が必要だ。消費税10%を見込んで子育て・介護などの政策は決まっており、財源待ちの状態だ。 消費増税先送りは、財源問題の困難性を通じ、国民安心のための政策に大きな影響を及ぼす。 最後に、マーケットの反応である。 増税先送りは、株式市場にとっては朗報であろう。 一方、国債マーケットではどうか。 20年プライマリーバランス黒字化という(国際)公約は、すっ飛んでしまう。当面は日銀が国債を買い続けるので、何も起きないだろうが、ボディーブローのように、今後のリスクとなる。 わが国がいずれ迎える金融緩和の「出口」問題も、全く見えなくなる。不確実性の中に突っ込んでいく怖さがじわじわ出始める。 *  *  * このように考えていくと、安倍総理の本音が消費税先送りにあるとしても、その決断は大きな政治リスクを呼び起こす引き金になりかねない。 わが国の経済状況は、「需要不足」ではなく、「実力不足」である。少子化対策、女性の活躍、国民の安心の確保など、実力を引き上げる政策(供給側の政策)を本気で行うことが、国際的にも求められている政策のはずだ。 (了)

#No. 164(掲載号)
#森信 茂樹
2016/04/07

通勤手当の非課税限度額の引上げに関する経過措置について-本年1月から3月支給分の源泉徴収は改正前規定による-

通勤手当の非課税限度額の引上げに関する経過措置について -本年1月から3月支給分の源泉徴収は改正前規定による-   公認会計士・税理士 篠藤 敦子   平成28年度税制改正に関する「所得税法等の一部を改正する法律」が3月29日に国会で可決・成立した。関係する政省令も3月31日に公布されており、原則として4月1日から施行されている。 平成28年度税制改正では、通勤手当の非課税限度額の引上げ(10万円→15万円)が行われており、本改正については税制改正大綱公表時に《速報解説》として、下記拙稿にて取り上げたところである。 今回公布された改正所得税法施行令の附則には、通勤手当の非課税限度額の引上げに関する経過措置が設けられており、実務への影響があるため留意されたい。 経過措置の内容は、次の2点である。 今年の1月から3月に支給した給与については、給与計算システムの関係で、改正前の規定(非課税限度額10万円)にもとづいて源泉徴収が行われていると思われる。この場合、4月以降に、改正後の規定(非課税限度額15万円)を適用して源泉徴収税額を修正する必要はなく、年末調整で精算を行えばよいことになる。 (了)

#No. 164(掲載号)
#篠藤 敦子
2016/04/07
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