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《速報解説》 企業結合会計基準に対応する資本連結実務指針等の改正(確定)の解説

《速報解説》 企業結合会計基準に対応する 資本連結実務指針等の改正(確定)の解説   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 平成26年2月24日付で、日本公認会計士協会は、平成25年9月に改正された「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号)等に対応するため、「連結財務諸表における税効果会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第6号)などの一連の改正を行い、公表した。 これにより、平成25年11月11日の公開草案が確定することになる。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 主な改正内容 改正を必要とする実務指針は広範囲に及んでおり、次の実務指針について改正された。 以下では、公開草案から大きく変更された箇所を取り上げ、適宜補足を行った。 特に、「連結財務諸表における税効果会計に関する実務指針」と「連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針」については、設例も含めてお読みいただきたい。 ① 「外貨建取引等の会計処理に関する実務指針」(会計制度委員会報告第4号) ⇒子会社株式の一部売却(支配は継続)に伴う為替換算調整勘定の処理(42-3項、76項、設例13)   ② 「連結財務諸表における税効果会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第6号) ⇒親会社の持分変動による差額(資本剰余金)に関連する法人税等の処理(39項、57-2項、設例4-2) ⇒追加取得や子会社の時価発行増資等により生じた資本剰余金に係る一時差異と会計処理(40項、40-2項、設例3等) ③ 「連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針」(会計制度委員会報告第7号) ⇒支配獲得後に追加取得や一部売却等が行われた後に、子会社株式を一部売却し、持分法適用関連会社となった場合におけるのれんの取扱い(45-2項、66-6項、設例5、設例6) ⇒子会社株式を売却し連結範囲から除外する場合に過去に計上した資本剰余金の処理(49-2項、68-2項) ⇒子会社株式を売却し持分法適用関連会社となった場合における付随費用の処理及び子会社株式を売却しその他有価証券となった場合における付随費用の処理(46-2項) ⇒複数の取引が1つの企業結合等を構成している場合の取扱い(7-3項、7-4項、66-4項)   ⇒共通支配下の取引等により発生したのれんの償却(40項) ④ 「株式の間接所有に係る資本連結手続に関する実務指針」(会計制度委員会報告第7号(追補)) ⇒非支配株主持分などの用語   ⑤ 「連結財務諸表等におけるキャッシュ・フロー計算書の作成に関する実務指針」(会計制度委員会報告第8号) ⇒連結範囲の変動を伴わない子会社株式の追加取得又は一部売却に関するキャッシュ・フローの区分(9-2項、設例) ⑥ 「持分法会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第9号) ⇒持分法適用非連結子会社の会計処理(2-2項、3-2項)   ⑦ 土地再評価差額金の会計処理に関するQ&A ⇒現行規則への対応   ⑧ 金融商品会計に関するQ&A ⇒有価証券の取得の付随費用と取得関連費用について、Q15-2の新設 (了)

#No. 58(掲載号)
#阿部 光成
2014/02/27

《速報解説》 四半期財務諸表に関する会計基準の改正(公開草案)について

《速報解説》 四半期財務諸表に関する会計基準の改正(公開草案)について   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 平成26年2月25日付で、 企業会計基準委員会は次の公開草案を公表した。 意見募集期間は、平成26年4月24日までである。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 主な改正事項 平成25年9月13日に改正された「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号)等において、企業結合に係る暫定的な会計処理が確定した場合の取扱いが示されたことに対応して、四半期財務諸表における取扱いを示している。   Ⅲ 適用時期 適用時期は、平成25年改正企業結合会計基準と同様とする。 (了)

#No. 58(掲載号)
#阿部 光成
2014/02/27

《速報解説》 「監査基準の改訂について」(確定版)の公表

《速報解説》 「監査基準の改訂について」(確定版)の公表   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 企業会計審議会は平成26年2月18日付で「監査基準の改訂に関する意見書」を公表し、確定版の「監査基準の改訂について」(以下「改訂監査基準」)が明らかとなった。 公開草案は、実施時期等について、平成26年4月1日以降に発行する監査報告書から適用するとしていた。 改訂監査基準は、平成27年4月1日以後に開始する事業年度又は会計期間に係る監査から適用するとし、ただし、平成26年4月1日以後に発行する監査報告書から適用することを妨げないとしている。 後述するように、特別目的の財務諸表には多種多様な財務諸表が想定されることから、監査人は、特別目的の財務諸表の監査を行うに当たり、当該財務諸表の作成の基準が受入可能かどうかについて十分な検討を行うとともに、上記の実施時期等については、監査契約書の締結のタイミングにも注意が必要と考えられる。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 主な改正事項 改訂監査基準は、特定の利用者のニーズを満たすべく特別の利用目的に適合した会計の基準に準拠して作成された財務諸表に対して、「監査」という形で信頼性の担保を求める要請に応えたものであり、従来の適正性に関する意見の表明の形式に加えて、準拠性に関する意見の表明の形式を監査基準に導入するものである。 1 監査の目的 改訂監査基準における監査の目的は、次のとおりである。 このため、改訂監査基準では、一般目的の財務諸表と特別目的の財務諸表とのそれぞれについて適正性に関する意見の表明と準拠性に関する意見の表明とがあり得ることになる。 改訂監査基準は、適正性に関する意見の表明に際して、財務諸表における表示が利用者に理解されるために適切であるかどうかの判断には、財務諸表が表示のルールに準拠しているかどうかの評価と、財務諸表の利用者が財政状態や経営成績等を理解するに当たって財務諸表が全体として適切に表示されているか否かについての一歩離れて行う評価が含まれるが、準拠性に関する意見の表明の場合には、後者の一歩離れての評価は行われないという違いがあると述べている(改訂監査基準二・1)。 2 実施基準 監査の実施に当たっては、準拠性に関する意見の表明の場合であっても、適正性に関する意見の表明の場合と同様に、リスク・アプローチに基づく監査を実施し、監査リスクを合理的に低い水準に抑えた上で、自己の意見を形成するに足る基礎を得なければならないことから、「第三 実施基準」が当然に適用される。 特別目的の財務諸表には多種多様な財務諸表が想定されることから、実施基準の「一 基本原則」において、監査人は、特別目的の財務諸表の監査を行うに当たり、当該財務諸表の作成の基準が受入可能かどうかについて十分な検討を行わなければならない。 3 報告基準 適正性に関する意見の表明について特別の利用目的に適合した会計の基準により作成される財務諸表の場合を付記するとともに、これに加えて、準拠性に関する意見の表明について規定し、監査人が準拠性に関する意見を表明する場合には、作成された財務諸表がすべての重要な点において、当該財務諸表の作成に当たって適用された会計の基準に準拠して作成されているかどうかについての意見を表明しなければならないことを明確にしている。 準拠性に関する意見には、財務諸表には重要な虚偽の表示がないことの合理的な保証を得たとの監査人の判断が含まれている。 この判断にあたり、監査人は、経営者が採用した会計方針が、会計の基準に準拠して継続的に適用されているかどうか、財務諸表が表示のルールに準拠しているかどうかについて形式的に確認するだけではなく、当該会計方針の選択及び適用方法が適切であるかどうかについて、会計事象や取引の実態に照らして判断しなければならないことにも留意が必要であると述べられている(改訂監査基準二・3)。   Ⅲ 実施時期等 改訂監査基準は、平成27年4月1日以後に開始する事業年度又は会計期間に係る監査から適用する。 ただし、平成26年4月1日以後に発行する監査報告書から適用することを妨げない。 (了)

#No. 58(掲載号)
#阿部 光成
2014/02/27

Profession Journal No.58が公開されました!

2014年2月27日(木)AM10:30、Profession Journal  No.58 が公開されました。 Profession Journalの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》については随時公開してまいります。 Web情報誌 Profession Journalは、プロフェッションネットワークのプレミアム会員専用の閲覧サービスです。 Profession Journalについての詳細はこちら。 バックナンバー一覧はこちら。

#Profession Journal 編集部
2014/02/27

〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載54〕 「生産性向上設備投資促進税制」を利用する上での注意点(後編)

〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載54〕 「生産性向上設備投資促進税制」を利用する上での注意点 (後編)   公認会計士・税理士 有田 賢臣   (4) 特別償却の適用を受ける場合 ① 特別償却限度額 法人が上記(前編参照)の適用要件を満たす場合には、生産性向上設備の償却額について、普通償却限度額と特別償却限度額との合計額まで損金の額に算入することができる。特別償却限度額は、事業供用日と設備の種類により次のとおりとされている(新措法42の12の5①②)。 ② 適用除外資産 他の特別償却と同様に、法人が所有権移転外リース取引により取得した生産性向上設備については、特別償却は適用しないこととされている(新措法42の12の5⑩)。なお、税額控除については、所有権移転外リース取引であっても適用可能である。 (注) 所有権移転外リース取引とは、法人税法施行令第48条の2第5項第5号に規定する所有権移転外リース取引をいう。 ③ 特別償却不足額がある場合の償却限度額の計算の特例 他の特別償却と同様に、特別償却不足額については、1年間の繰越しができることとされている(新措法52の2①、措令30)。 (注) 特別償却不足額には、合併等特別償却不足額を含むこととされている。 ④ 準備金方式による特別償却 他の特別償却と同様に、特別償却の方法として、特別償却の適用を受けることに代えて、準備金方式による特別償却(特別償却準備金の積立て)ができるとともに、特別償却準備金積立不足額については、1年間の繰越しができることとされている(措法52の3、措令31)。 (注) 特別償却準備金積立不足額には、合併等特別償却準備金積立不足額を含むこととされている。 ⑤ 申告要件 この特別償却は、確定申告書等に生産性向上設備の償却限度額の計算に関する明細書の添付がある場合に限り、適用することとされている(新措法42の12の5⑪)。 (注) 確定申告書等とは、法人税法第2条第30号に規定する中間申告書で同法第72条第1項各号に掲げる事項を記載したもの及び同法第2条第31号に規定する確定申告書をいう(措法2②二十七)。すなわち、仮決算をした場合の中間申告書及び確定申告書をいい、確定申告書には、その確定申告書に係る期限後申告書を含むこととされている。   (5) 税額控除の適用を受ける場合 ① 税額控除限度額 法人が上記の適用要件を満たす場合において、特別償却の適用を受けないときは、税額控除限度額の税額控除の適用を受けることができることとされているが、この税額控除限度額は、事業供用日と設備の種類により次のとおりとされている(新措法42の12の5⑦⑧)。 ただし、法人税額から控除する金額は、法人の適用対象年度の所得に対する法人税額の20%に相当する金額を限度とすることとされている(新措法42の12の5⑦)。 ② 申告要件 この税額控除は、確定申告書等、修正申告書又は更正請求書に、その控除の対象となる生産性向上設備の取得価額、控除を受ける金額及びその控除を受ける金額の計算に関する明細を記載した書類の添付がある場合に限り、適用することとされている(新措法42の12の5⑬)。 ただし、この場合における控除される金額は、その確定申告書等に添付された書類に記載された生産性向上設備の取得価額を基礎として計算した金額に限るものとされているので、修正申告や更正の請求において、この税額控除の適用を受ける機械及び装置を追加すること等はできない。 (注) 修正申告書とは、国税通則法第19条第3項に規定する修正申告書をいい、更正請求書とは、同法第23条第3項に規定する更正請求書をいう(措法2②三十・三十一)。なお、確定申告書等については、上記(4)⑤の(注)を参照のこと。 ③ 法人税法の規定との調整 (イ) 法人税法第67条 《特定同族会社の特別税率》 特定同族会社の特別税率の適用については、その留保金額を計算する場合に控除される法人税額から、この制度における税額控除により控除する金額がある場合には、その金額を控除することとされている(法法67③、新措法42の12の5⑮)。 (ロ) 法人税法第70条の2 《税額控除の順序》 供用年度において、これらの法人税法の規定による税額控除の適用がある場合には、まずこの制度における税額控除による控除をし、次に仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴う法人税額の控除(法法70)による控除をした後に、所得税額の控除(法法68)及び外国税額の控除(法法69)による控除をすることとされている(法法70の2、新措法42の12の5⑮)。 (ハ) 法人税法第72条 《仮決算をした場合の中間申告書の記載事項等》 仮決算をした場合の中間申告書に記載される法人税額は、法人税法第2編第1章第2節の規定及びこの制度における税額控除を適用するものとした場合に計算される法人税額とすることとされている(法法72①二、新措法42の12の5⑮)。 (ニ) 法人税法第74条 《確定申告》 確定申告書に記載される法人税額は、法人税法第2編第1章第2節の規定及びこの制度における税額控除を適用して計算した法人税額とすることとされている(新法法74①二、新措法42の12の5⑮)。   (6) 他の特別償却等との重複適用の排除 他の特別償却等と同様に、租税特別措置法の規定によるこの制度以外の特別償却等又は震災税特法の規定による特別償却等の適用を受ける減価償却資産については、この制度の適用対象資産から除くこととされている(新措法53等)。   (7) 適用関係 産業競争力強化法の施行の日(平成26年1月20日)以降に取得等をし、かつ、事業の用に供した設備が対象となる。 平成26年3月31日までに終了する事業年度にて対象設備を取得等し事業に供用した場合は、その年度では税制措置が受けられず、翌事業年度に税制措置を受けることとなる点に留意が必要である。 具体的には、下記事例のとおり、12月決算先については平成26年3月末までに行った投資について今年度に税制措置を適用できるが、3月決算先については平成26年3月末までに行った投資について今年度(平成26年3月期)は税制措置を適用できず、来年度に今年度分と来年度分の措置がまとめて適用されることとなる。 〈事例〉 (経済産業省「生産性向上設備投資促進税制について(平成26年1月)」より)   2 実務上の留意点 (1) 適用可能性に関する検討手順 「【A】先端設備」として適用を受けることが可能であれば、「【B】生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」と比べて格段に使い勝手が良い。したがって、まずは、「【A】先端設備」に該当するか否かを検討すべきである。 「【A】先端設備」の対象設備及び最低取得価額をクリアする設備を購入する場合には、設備メーカーに相談の上、最新モデルとして証明書を交付してもらえるか、設備メーカーを通じて工業会等への問い合わせを依頼すれば足りる。 「【B】生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」として適用を受けるには、生産性向上設備投資計画申請書を自ら作成し、経済産業局に提出する必要があるが、その「申請書」には次の資料を添付する必要がある。 ⑦の生産性が向上することの裏付けとなる資料を揃えられるか否かが、適用可能性を判断する一つのポイントになると思われる。 また、②事業報告書を作っていない場合には、一から作らなければならない。 ⑧確認書の交付を受けるために、公認会計士又は税理士からどのような手続を受けるかについては、「様式3(確認書)」に記載されている「実施した手続」が参考になる。 次に「実施した手続」の一部を掲載する。 ここからも分かるように、「申請書」の記載事項が、添付資料や会社からの説明内容と整合しているかという点について確認が行われるのであり、投資計画に係る将来予測の正確性に関する結論や保証がなされるわけではない。 この点は、公認会計士又は税理士側も正しく認識しておく必要があり、確認書に「合致した(しない)」と記載するのであって、「妥当である」「適切である」というような記載はしてはならないとされている。   (2) 中小企業投資促進税制の上乗せ措置との比較 「【A】先端設備」又は「【B】生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」の要件を満たす場合、中小企業者等に該当する法人は、中小企業投資促進税制の上乗せ措置についても適用可能性を検討する必要がある。 税額控除を選択するのであれば、中小企業投資促進税制の上乗せ措置の方が生産性向上設備投資促進税制よりも税額控除限度額が大きい。 〈生産性向上設備投資促進税制〉 〈中小企業投資促進税制の上乗せ措置〉 特別償却を選択する場合でも、「平成28年4月1日から平成29年3月31日まで」に設備を取得する場合には、中小企業投資促進税制の上乗せ措置の方が生産性向上設備投資促進税制よりも特別償却限度額が大きい。 〈生産性向上設備投資促進税制〉 〈中小企業投資促進税制の上乗せ措置〉 なお、中小企業投資促進税制の方が対象設備の範囲が狭いため、中小企業者等に該当する法人であっても、設備の種類によっては、生産性向上設備投資促進税制しか適用できない場合もある。 〈中小企業投資促進税制の対象設備〉   (3) 特別償却と税額控除の選択 特別償却と税額控除のいずれを選択するかという点については、税金の観点で言えば、特別償却は期ずれ(税金の先送り)に過ぎず、税額控除は絶対的な税金の減額になるため、税額控除が有利とされている。 ただし、税額控除額は法人税額の20%に相当する金額を限度とするとされており、かつ、控除不足額を翌年度以降に繰り越す規定もないことから、適用年度において法人税額が小さい場合には、特別償却を選択することもあると思われる。 また、特別償却額は所得を一時的に大きく下げることができるため、それに伴って自社株式の株価も大きく下がる場合がある。自社株式の贈与などを検討している法人は、特別償却を選択する方が良い場合もある。 (了)

#No. 58(掲載号)
#有田 賢臣
2014/02/27

平成26年3月期 決算・申告にあたっての留意点 【第4回】「交際費の損金不算入特例の改正及びその他の留意点」

平成26年3月期 決算・申告にあたっての留意点 【第4回】 (最終回) 「交際費の損金不算入特例の改正 及びその他の留意点」   OAG税理士法人 税理士 中島 加誉子   最終回となる今回は、多くの法人に影響のある交際費の損金不算入特例の改正及びその他の留意点を解説する。 なお、交際費課税制度に関しては、平成26年度税制改正で損金不算入となる適用対象法人の拡充等が予定されているので留意されたい(論末の〔追記〕参照)。 【交際費の損金不算入特例の改正】 中小法人が支出する交際費について、年800万円までが損金に算入できることとなった。 〈適用対象法人〉 〈適用事業年度〉 〈定額控除限度額〉 〈損金不算入額〉 〈連結納税制度〉 【参考図】 (経済産業省「平成25年度税制改正について」より)   【特定信頼性向上設備の特別償却】 平成25年度税制改正により、電気通信基盤充実臨時措置法の実施計画に基づきバックアップ用のサーバー等の取得等をして、東京圏以外の地域において事業の用に供した場合に特別償却ができることとなった。 〈適用対象法人〉 〈適用時期〉 〈適用対象資産〉 〈適用要件〉 〈特別償却限度額〉   【その他の留意点】 【医療用機器等の特別償却】 青色申告法人で医療保健業を営むものが新品の医療機器を取得等し事業の用に供した場合には12%又は16%の特別償却ができるが、平成25年4月1日からはその対象機器の範囲が見直されている。 【タックスヘイブン対策税制】 平成25年4月1日以後に開始する事業年度より、タックスヘイブン対策税制の合算所得について、その特定外国子会社等が本店所在地国以外の国で課税される場合には、外国税額控除の適用上、その合算所得は非課税国外所得に該当しないこととなった。 【社会保険診療報酬の所得の計算の特例】 医業又は歯科医業を営む法人で保険診療が5,000万円以下のものについては、実額経費にかかわらず、社会保険診療報酬を四段階の階層に区分して、各階層の金額に一定割合を乗じた額を社会保険診療に係る経費とすることができるが、平成25年4月1日以後に開始する事業年度からは、この特例の適用対象法人から総収入金額が7,000万円超の法人が除外されることとなった。 *   *   * 以上、平成26年3月期決算・申告における主だった留意点を述べてきた。 これからいよいよ決算を迎えることになるが、これらの留意点を踏まえ、入念な決算準備・検討等が必要となる。今回の連載が読者の決算・申告に際し一助となれば幸いである。 (連載了)

#No. 58(掲載号)
#中島 加誉子
2014/02/27

「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例11(事業所税)】 「事業所税の対象とならない月極駐車場の床面積を課税対象に含めて計算したため過大納付となった事例」

「税理士損害賠償請求」 頻出事例に見る 原因・予防策のポイント 【事例11(事業所税)】   税理士 齋藤 和助   《事例の概要》 平成X5年から平成Y5年分の事業所税につき、対象とならない月極駐車場の床面積を課税対象に含めて計算していたところ、課税団体である横浜市から連絡があり、更正期限までの平成Y1年から平成Y5年分の過大納付税額が還付されることになった。 このため、更正が受けられなかった平成X5年から平成Y0年分の事業所税の過大納付税額850万円につき損害賠償請求を受けた。   《賠償請求の経緯》 依頼者は横浜市で貸ビルと月極駐車場を所有し、不動産賃貸管理業を営んでいた。 平成X5年から平成Y5年分の事業所税につき、課税対象外の月極駐車場を課税対象に含めて申告書を提出。 申告書は依頼者が作成し、税理士は署名押印だけを行った。 横浜市より上記期間中、平成Y1年から平成Y5年分の事業所税過大納付分が還付となる。 《基礎知識》 ◆事業所税の納税義務者等(地法701の32他 ) 事業所税は、事業所等において法人又は個人の行う事業に対し、当該事業所等所在の指定都市等において、当該事業を行う者に資産割額及び従業者割額の合計額によって課する。この場合、いわゆる貸ビル等にあっては、その所有者ではなく、その全部又は一部を借りて現実にそこで事業を行っている者(テナント)が納税義務者となる。ただし、貸ビル等の貸主がビルの管理を行っている場合、管理のための施設は当該貸主が納税義務者となる。 ◆事業所税の課税標準(地法701の40 ) 事業所税の課税標準は、資産割にあっては、課税標準の算定期間の末日現在における事業所床面積とし、従業者割にあっては、課税標準の算定期間中に支払われた従業者給与総額とする。 ◆駐車場の取扱いについて(「事業所税貸付申告の手引き」横浜市) 貸ビル等内の駐車場について使用者が特定されている場合は、当該使用者の事業所床面積として算定する。 (1) 月極貸し、年貸し等の駐車場の場合 月極駐車場のように特定の者が専用借りする場合の駐車場に係る床面積は、当該専用借りする者の事業所床面積として算定する。 この場合、駐車場を専用借りする者が、貸ビル等の入居者(=テナント)であるかどうかは問わない。 (2) 時間貸し等の駐車場である場合 時間貸し駐車場のように不特定多数の者が使用する場合の駐車場に係る床面積は、当該駐車場を管理・運営する者の事業所床面積として算定する。 ◆更正、決定等の期間制限(地法17の5 ) 更正又は決定は、法定納期限の翌日から起算して5年を経過した日以後においては、することができない。 賦課決定は、法定納期限の翌日から起算して3年を経過した日以後においては、することができない。ただし、地方税の課税標準又は税額を減少させる賦課決定は、法定納期限の翌日から起算して5年を経過する日まですることができる。   《税理士の落とし穴》   《税理士の責任》 不動産賃貸管理業を営む依頼者は貸ビルと月極駐車場を所有しており、貸ビルの自社使用部分と月極駐車場の床面積を合計して事業所税の申告をしていた。しかし課税団体である横浜市においては、月極駐車場は専用使用するものの事業所床面積に算入されるため、依頼者の事業所床面積には含まれなかった。税理士は長年にわたってこれに気づかず、横浜市より更正決定の連絡があってはじめてその事実に気づいている。事業所税の申告を依頼された際に課税対象となる床面積の範囲を確認していれば過大納付は防げたことから、税理士に責任がある。   《予防策》 [ポイント①] 根拠となる資料を提出してもらい、変更があったら連絡をもらう 事業所税の申告は本事例のように依頼者が作成して税理士が確認し、署名押印するケースがほとんどであろう。なぜなら、事業所床面積まで税理士が把握することは困難だからである。しかし、署名押印をするのであれば、課税標準が適正であるか、税額が正しく計算されているかどうか等を確認する義務がある。 提出初年度に、根拠となる図面等の提出を受け、変更がある都度、報告を受けるような仕組みを作る必要がある。   [ポイント②] 地方税の課税標準には注意する 地方税の場合、課税団体側で課税標準が異なる場合がある。本事例も、目的税たる事業所税の趣旨からすれば、月極駐車場は貸し手側の床面積に算入するのが通常であろう。実際に貸し手側の床面積に算入して事業所税を計算している課税団体は少なくない。 したがって、地方税の申告の際には、このような場合を想定し、課税団体の発行する「申告の手引き」に目を通し、場合によっては、市税条例、市条例施行規則等を確認する必要がある。 (了)

#No. 58(掲載号)
#齋藤 和助
2014/02/27

居住用財産の譲渡所得3,000万円特別控除[一問一答] 【第20問】「居住の用に供されなくなった後、敷地の贈与を受けて譲渡した場合」-居住用財産の範囲-

居住用財産の譲渡所得 3,000万円特別控除 [一問一答] 【第20問】 「居住の用に供されなくなった後、敷地の贈与を受けて譲渡した場合」 -居住用財産の範囲-   税理士 大久保 昭佳   Q Xは父親(生計は別)から土地を無償で借り受け、昨年3月まで居住していました。 本年7月に父親から敷地の贈与を受け、同年10月にその土地建物を売却しました。 この場合、Xの譲渡所得の全部について「3,000万円特別控除」の特例の適用を受けることができるでしょうか? A 建物部分については「3,000万円特別控除」の特例の適用を受けることができるが、土地部分については同特例の適用を受けることができない。 〈解説〉 建物部分については、居住の用に供されなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡しているので、「特例」を受けることができる。 しかし、土地部分については、Xが所有者となってからXが居住の用に供した事実がないことから、「特例」の適用を受けることはできない。 (了)

#No. 58(掲載号)
#大久保 昭佳
2014/02/27

〔しっかり身に付けたい!〕はじめての相続税申告業務 【第16回】 「課税対象となる生前贈与財産に注意する」

〔しっかり身に付けたい!〕 はじめての相続税申告業務 【第16回】 「課税対象となる生前贈与財産に注意する」   税理士法人ネクスト 公認会計士・税理士 根岸 二良   相続税の課税対象となるのは、原則的には、他界した人(被相続人)の相続財産であるが、前回説明した、「死亡保険金」や「死亡退職金」は、法律上相続財産に該当しなくとも、相続税の計算においては「みなし相続財産」として相続税の対象となる(相続税法3条)(*1)。 これ以外にも、法律上は相続財産ではないが、相続税の対象となる財産として、一定の生前贈与財産がある。 そこで今回は、この生前贈与財産について、説明を行う。 *   *   * 生前贈与財産は、贈与を行った後は、被相続人の所有財産でなく、贈与を受けた者(受贈者)の所有財産になる。贈与があると、受贈者は贈与税を申告・納税する必要が生じる(*2)。贈与税は、原則、暦年課税制度により計算される。ただし、一定の条件を満たす場合には、相続時精算課税制度を適用して贈与税を計算することもできる(相続税法21条の9)。 これらは、法律上は、贈与を行った後は、受贈者の所有財産となるため、贈与者が他界した場合、贈与者(被相続人)の相続財産には、法律上該当しない。ただし、以下の贈与財産については相続税の対象となり、また、支払った贈与税がある場合には、相続税から控除されることとなる。 (1)  相続時精算課税制度を適用した贈与財産(相続税法21条の15) 相続時精算課税制度を適用して贈与を行った財産については、法律上は相続財産ではないが、相続税の課税対象となる。なお、相続税の計算を行う際、贈与財産の評価は、相続時の時価ではなく、贈与時の評価額となる(相続税法21条の15)。 (2)  暦年課税制度を適用した贈与財産のうち、相続開始前3年以内に、相続・遺贈で財産を取得した者が贈与を受けた財産(相続税法19条) 暦年課税制度を適用して贈与を行った場合には、原則として、贈与者(被相続人)の他界時には、相続税の対象とはならない。ただし、贈与者(被相続人)から受贈者へ、相続前に駆け込みで贈与を行った場合(相続前3年以内に)、受贈者が、相続・遺贈で財産を取得した者である場合には、(贈与税の基礎控除以下、つまり110万円以下の贈与で贈与税が課税されていなくても)相続税の対象となる。 なお、この場合も、相続税の計算上、贈与財産の評価は、相続時の時価ではなく、贈与時の評価額となる(相続税法19条)。 少しわかりづらいので、具体的なケースで説明を行う。 父親が子供へ110万円の現金を贈与した場合、贈与税の基礎控除以下であり、贈与税はかからない(他に贈与がない前提、以下同じ)。 ただし、贈与後3年以内に父親が他界した場合で、子供が父親から相続で他の財産(土地など)を取得する場合、この生前贈与された現金110万円も相続税の対象となる。 父親が子供へ110万円の現金を贈与した場合、贈与税の基礎控除以下であり、贈与税はかからない。贈与後3年以内に父親が他界した場合で、子供が父親から相続・遺贈で全く財産を取得しない場合(死亡保険金・死亡退職金も取得しない場合)、この生前贈与された現金110万円は相続税の対象にはならない。 これは、相続税の対象となる贈与財産(暦年課税制度)は、相続・遺贈で財産を取得した者に対して贈与したものに限定されているためである。 なお、ここでの相続・遺贈は、法律上の相続・遺贈ではなく、相続税法における相続・遺贈であるため、みなし相続・みなし遺贈として取り扱われる場合も含まれるので注意が必要である。 父親が他人へ110万円の現金を贈与した場合、贈与税の基礎控除以下であり、贈与税はかからない。贈与後3年以内に父親が他界した場合で、他人は父親の相続人ではないが、遺言で財産を取得した場合、この生前贈与財産である現金110万円は、相続税の対象となる。 これは、相続税の対象となる贈与財産(暦年課税制度)は、相続・遺贈で財産を取得した者に対して贈与したものであり、相続人に対するものに限定されているわけでなく、相続人以外の者が遺贈で取得した場合も含まれているためである。 相続税申告書作成の前段階に行う、遺産分割協議の参考資料として、担当税理士は、相続人に対して財産目録を作成し提出することが一般的である。この財産目録には、法律上の相続財産だけでなく、参考情報として、死亡保険金、死亡退職金、生前贈与財産についても、(担当税理士が把握できている範囲で記載している旨の注釈は必要かもしれないが)記載しておいたほうが良いと思われる。 (了)

#No. 58(掲載号)
#根岸 二良
2014/02/27

経理担当者のためのベーシック税務Q&A 【第12回】「グループ内合併と税金(その2)」―特定資産譲渡等損失額の損金算入制限―

経理担当者のための ベーシック税務Q&A 【第12回】 「グループ内合併と税金(その2)」 ―特定資産譲渡等損失額の損金算入制限―   仰星税理士法人 公認会計士・税理士 草薙 信久   1 特定資産譲渡等損失額の損金算入制限 合併法人又は被合併法人が有する資産等に係る含み損を実現させないまま適格合併を行った場合には、この含み損を適格合併後の合併法人において実現させ、合併法人の他の所得と通算することで恣意的に合併法人の課税所得を圧縮し、潜在的な欠損金(含み損)を利用した不当な租税回避行為がなされ、被合併法人からの未処理欠損金の引継制限や合併法人の自社繰越欠損金の控除制限の抜け道となる可能性があります。 そのため、同一グループ内の適格合併においては、一定の場合には適格合併後の特定資産に係る含み損の実現損失について、損金不算入とする制度が設けられています。 (1) 適用されるケース 支配関係が発生した後5年以内に特定適格組織再編成等が行われた場合には、資産の譲受法人の特定適格組織再編成等事業年度開始の日以後一定の期間までに生じる特定保有資産又は特定引継資産に係る譲渡等損失額等(譲渡損、評価損、貸倒損失、除却損等)は、損金不算入とされます。 ※特定適格組織再編成等とは、グループ内の適格合併、完全支配関係がある法人間の非適格合併でグループ法人税制の適用により譲渡損益が繰り延べられるもの、適格分割、適格現物出資又は適格現物分配のうち、みなし共同事業要件を満たさないものをいいます(法法62の7①)。   (2) 制限の対象となる資産 特定資産譲渡等損失額の損金算入制限の対象となる資産を特定資産といい、次の特定引継資産又は特定保有資産のいずれかの資産をいいます(法法62の7②、法令123の8③⑬)。 (3) 制限を受ける期間 特定資産譲渡等損失額が損金不算入の制限対象となる期間は、資産の譲受法人の特定適格組織再編成等事業年度開始の日から、次のうち、いずれか早い日までとされています(法法62の7①)。 以上の特定資産譲渡等損失額の損金算入制限の用件をフローチャートにすると、次のようになります。   (4) 特定資産譲渡等損失額の計算 損金算入制限を受ける特定資産譲渡等損失額は、事業年度毎に計算した特定引継資産及び特定保有資産に係る譲渡、評価替え、貸倒れ、除却等の事由による損益をネットしたそれぞれの純損失額をいいます(法令123の8)。 また、特定引継資産譲渡等損失額と特定保有資産譲渡等損失額は、特定適格組織再編成等によって資産を譲り受けた法人においてそれぞれ別に計算します。 つまり、特定引継資産と特定保有資産の譲渡等損益額の相殺はできず、例えば、合併法人が有していた特定保有資産譲渡等損失額と適格合併によって被合併法人から引き継いだ特定引継資産譲渡等利益額の相殺はできません。なお、譲渡等損失額がマイナス(譲渡等利益)となった場合には、ゼロとします。 したがって、含み益を有する特定引継資産又は特定保有資産の譲渡等による実現利益が発生することが見込まれる場合には、含み損を有する特定引継資産又は特定保有資産の同一事業年度における譲渡等を実行する等のタックス・プランニングが必要となります。 ご質問のケースでは、この計算方法に従って特定資産譲渡等損失額の計算を行った場合には、以下のとおりになります。 2 特定資産譲渡等損失額の算入制限における特例計算 合併法人と被合併法人との間に、5年前の日から継続して支配関係がない場合や、適格合併がみなし共同事業要件を満たしてない場合でも、合併当事法人の資産等に含み益がある場合には、潜在的な欠損金(含み損)を不当に利用した不当な租税回避行為には該当せず、特定資産に係る含み損の損金算入が可能となるケースがあります(法令123の9①④)。 この場合、時価純資産額と簿価純資産額の大小関係により、損金算入が可能となる金額が相違します。 (1) 時価純資産額≧簿価純資産額の場合(法令123の9①一) 支配関係が成立した事業年度の直前事業年度末の時点で、資産の移転法人(本件の場合は被合併法人)の時価純資産額が簿価純資産額以上(時価純資産超過額)の場合には、特定引継資産譲渡損失額はすべて損金算入が可能となります。 (2) 時価純資産額<簿価純資産額の場合(法令123の9①二) 支配関係が成立した事業年度の直前事業年度末の時点で、資産の移転法人の簿価純資産額が時価純資産額を超過(簿価純資産超過額)する場合には、簿価純資産超過額に達するまでの特定引継資産譲渡等損失額のみの損金算入が可能となり、具体的には以下の算式により計算します。 したがって、制限を受ける期間での特定資産譲渡等損失額の損金不算入額の累計は、支配関係が成立した事業年度の直前事業年度末の時点での資産の移転法人の純含み損の額を超えることはありません。 また、同様の趣旨で、支配関係が成立した事業年度の直前事業年度末において資産を譲り受けた法人に含み益がある場合にも、特定資産に係る含み損の損金算入が可能となる規定があります(法令123の9④)。 なお、被合併法人の支配関係前未処理欠損金の引継制限が緩和される特例(法令113①②③)や、合併法人の支配関係前自社繰越欠損金の控除制限が緩和される特例(法令113①②③④)にも上記と同様の規定があります。 (了)

#No. 58(掲載号)
#草薙 信久
2014/02/27
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