公開日: 2016/08/18 (掲載号:No.181)
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「従業員の解雇」をめぐる企業実務とリスク対応 【第7回】「普通解雇③」~出勤不良、体調不良による解雇~

筆者: 鈴木 郁子

「従業員の解雇」をめぐる

企業実務とリスク対応

【第7回】

「普通解雇③」

~出勤不良、体調不良による解雇~

 

弁護士 鈴木 郁子

 

1 はじめに
~「欠勤の理由は何か?」を確認することから始まる~

欠勤は従業員の権利ではない。欠勤は理由があれば当然に許されると考えている従業員もいるが、誤解である。欠勤が継続すれば、労務提供義務の債務不履行に当たり、普通解雇原因となり得る。とはいえ、欠勤の理由如何によって、解雇しやすさ、会社が現実になすべき対応は、大きく異なってくる。

まず、欠勤は、大きく分けると、

 無断欠勤・正当な理由のない欠勤

 正当な理由のある欠勤

の2つに分けられる。

また、「正当な理由のある欠勤」の代表的なものは「病欠」であるが、この「病欠」も

 私傷病による欠勤

 業務起因の傷病による欠勤

に分けられる。

以下、これらのケースに分けて企業側の対応を解説していくが、欠勤の場合、普通解雇だけではなく、懲戒解雇、休職、行方不明退職、有給休暇など他の制度との関係も問題となってくるところ、実務上、その関係や位置づけがよく理解されておらず、混乱しているケースが多々見られるので、それらについても簡単に触れることにしたい。

なお、実際の解雇にあたっては、解雇制限に違反しないこと、解雇手続の履践は当然必要となるが、この点については【第4回】を参照されたい。

 

2 無断欠勤・理由のない欠勤

(1) 解雇事由となり得るか

無断欠勤・理由のない欠勤は、労務提供義務の不履行として普通解雇事由となり、また、職場の秩序維持違反として懲戒事由、場合によっては懲戒解雇事由となり得る。

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企業実務とリスク対応

【第7回】

「普通解雇③」

~出勤不良、体調不良による解雇~

 

弁護士 鈴木 郁子

 

1 はじめに
~「欠勤の理由は何か?」を確認することから始まる~

欠勤は従業員の権利ではない。欠勤は理由があれば当然に許されると考えている従業員もいるが、誤解である。欠勤が継続すれば、労務提供義務の債務不履行に当たり、普通解雇原因となり得る。とはいえ、欠勤の理由如何によって、解雇しやすさ、会社が現実になすべき対応は、大きく異なってくる。

まず、欠勤は、大きく分けると、

 無断欠勤・正当な理由のない欠勤

 正当な理由のある欠勤

の2つに分けられる。

また、「正当な理由のある欠勤」の代表的なものは「病欠」であるが、この「病欠」も

 私傷病による欠勤

 業務起因の傷病による欠勤

に分けられる。

以下、これらのケースに分けて企業側の対応を解説していくが、欠勤の場合、普通解雇だけではなく、懲戒解雇、休職、行方不明退職、有給休暇など他の制度との関係も問題となってくるところ、実務上、その関係や位置づけがよく理解されておらず、混乱しているケースが多々見られるので、それらについても簡単に触れることにしたい。

なお、実際の解雇にあたっては、解雇制限に違反しないこと、解雇手続の履践は当然必要となるが、この点については【第4回】を参照されたい。

 

2 無断欠勤・理由のない欠勤

(1) 解雇事由となり得るか

無断欠勤・理由のない欠勤は、労務提供義務の不履行として普通解雇事由となり、また、職場の秩序維持違反として懲戒事由、場合によっては懲戒解雇事由となり得る。

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連載目次

筆者紹介

鈴木 郁子

(すずき・いくこ)

弁護士
本間合同法律事務所

1995年 東京大学教養学科国際関係論分科卒業
2000年 京都大学法学部卒業
2002年 司法修習修了 第二東京弁護士会弁護士登録(第55期)、本間合同法律事務所入所。現在に至る。

主として企業側の労働問題を専門としており、就業規則作成、社内労務体制整備などのほか、労働審判、訴訟のみならず、労働委員会事件、団体交渉の実務経験、会社向け労働法講習等の経験も豊富である。企業の現状を最大限考慮しつつ、訴訟実務経験に基づいた実践的なアドバイスを心がけている。

▷個人ホームページ
http://www.i-k-suzuki-law.jp/

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